夏、ピアノをまた始めたいと言い出した十二歳長女。これから毎日練習できるようだったら考えてみようねと言ったところ、一ヶ月程毎日のように練習し、何とか一年半前にやめたレベルまで戻し。そこでレッスンを秋から再び始めたのだけれど、中学生活、蓋を開けてみれば、宿題課題プロジェクト盛りだくさん、その上運動部も二ヶ月ごとにあれこれ続け、ダンスもありと、夏休みとは打って変わり、なかなか練習時間が取れない。
いつしか優先順位の下の下になっていったピアノの練習。リサイタルなどで気持ちが盛り上がり、よしっとしばらくコンスタントに練習してみるものの、再び日常の嵐の中で、「他事」が上に積み重なっていく。
傍から見ていても、普段の睡眠時間を過ぎてまで、ピアノの練習時間を盛り込むのはなあという日も多く、たっぷり時間がありそうなときだけ、「ピアノは?」と思い出させるなどしてきた。
今週のピアノレッスン、クロスカントリースキーの試合に向けての練習で長女は休み。三女のレッスンが終わり、先生とお話しする機会があった。
何とか将来的に長女にコンピティションに出る機会をもたせてあげたい。長女はピアノを始めたのも遅く、今まで三年半ほどしかしてないので、幼い頃からしている子のようなハイレベルのものに出ることはできないけれど、それでも、もししっかり練習するのなら、高校生くらいになった頃、また違ったレベルのものへ出られるチャンスもある。それには、今が踏ん張りどころ。今頑張るか頑張るないかが、最後の分かれ目。
そして、「いくら中学生といっても、まだまだ子供。一人で計画立てて毎日しっかり練習というのは、特に他の事で忙しい場合は、やっぱり、一人ではとても難しいことなんですよ」
何年もの間、何百人もの親子を見てこられた先生、流石だと思った。長女に対して、「全くの本人任せ」という我が家の親子関係が、すっかり見て取られている。長女には生活から勉強面からほとんど口を出すことのない私、ピアノの練習も、長女の普段の「他の事への頑張り」から、まあしょうがないかなと思うようになっていた。
毎日最低三十分でもピアノの前に座る、そして中学生になったとしても隣から「もう五度弾いてみて、そこのリズムを直してみよう」など声をかけつつ、一緒に座る習慣を保ってみること、それで随分変わりますよと。
家に帰り、二人で話し合ってみますとお伝えし、レッスンを後にした。先生のおっしゃることが本当によく分かった。小学中学年の頃は必ず隣に座っていたものの、大きくなるにつれ、全くノータッチに。「まだ大人として扱うには早いんですよ」という言葉に、はっと目が覚めたような気分だった。
長女の部屋で、ドアを閉め、二人で話し合ってみた。ピアノをどうしていきたいか。今が踏ん張りどころと先生がおっしゃっていること。そして、もしあなたが頑張りたいという気持ちがあるのなら、ママがまだあなたが小さかった頃みたいに、隣に座って一緒に練習してみようと思うと。
黙って壁を見つめる長女。「まだまだ一人では大変なんですよ」という先生の言葉を伝えた時の、長女の表情が、私の心に突き刺さった。ほっと力が抜けた微笑。ああ長女も、そう感じていたんだなあ。
その夜、何年ぶりかに二人で座って練習。ふざけておどけてはしゃぐ長女、四十分があっという間に過ぎた。そういえば、こうして二人だけの時間というのさえ、久しぶりだったかもしれない。練習が終わり、しばらくして「ありがとうママ」と。そして寝るまでの間中、ハイテンションで冗談を言いはしゃいでいた。その一つ一つの仕草が、嬉しく、そして切なく。
ピアノの練習を、毎晩の二人だけの時間としよう。
先生の言葉を、手のかかからない長女の全般にわたって、覚えておこう。
稲妻のような瞬間を、心に刻んでくださった先生に、感謝を込めて。
いつしか優先順位の下の下になっていったピアノの練習。リサイタルなどで気持ちが盛り上がり、よしっとしばらくコンスタントに練習してみるものの、再び日常の嵐の中で、「他事」が上に積み重なっていく。
傍から見ていても、普段の睡眠時間を過ぎてまで、ピアノの練習時間を盛り込むのはなあという日も多く、たっぷり時間がありそうなときだけ、「ピアノは?」と思い出させるなどしてきた。
今週のピアノレッスン、クロスカントリースキーの試合に向けての練習で長女は休み。三女のレッスンが終わり、先生とお話しする機会があった。
何とか将来的に長女にコンピティションに出る機会をもたせてあげたい。長女はピアノを始めたのも遅く、今まで三年半ほどしかしてないので、幼い頃からしている子のようなハイレベルのものに出ることはできないけれど、それでも、もししっかり練習するのなら、高校生くらいになった頃、また違ったレベルのものへ出られるチャンスもある。それには、今が踏ん張りどころ。今頑張るか頑張るないかが、最後の分かれ目。
そして、「いくら中学生といっても、まだまだ子供。一人で計画立てて毎日しっかり練習というのは、特に他の事で忙しい場合は、やっぱり、一人ではとても難しいことなんですよ」
何年もの間、何百人もの親子を見てこられた先生、流石だと思った。長女に対して、「全くの本人任せ」という我が家の親子関係が、すっかり見て取られている。長女には生活から勉強面からほとんど口を出すことのない私、ピアノの練習も、長女の普段の「他の事への頑張り」から、まあしょうがないかなと思うようになっていた。
毎日最低三十分でもピアノの前に座る、そして中学生になったとしても隣から「もう五度弾いてみて、そこのリズムを直してみよう」など声をかけつつ、一緒に座る習慣を保ってみること、それで随分変わりますよと。
家に帰り、二人で話し合ってみますとお伝えし、レッスンを後にした。先生のおっしゃることが本当によく分かった。小学中学年の頃は必ず隣に座っていたものの、大きくなるにつれ、全くノータッチに。「まだ大人として扱うには早いんですよ」という言葉に、はっと目が覚めたような気分だった。
長女の部屋で、ドアを閉め、二人で話し合ってみた。ピアノをどうしていきたいか。今が踏ん張りどころと先生がおっしゃっていること。そして、もしあなたが頑張りたいという気持ちがあるのなら、ママがまだあなたが小さかった頃みたいに、隣に座って一緒に練習してみようと思うと。
黙って壁を見つめる長女。「まだまだ一人では大変なんですよ」という先生の言葉を伝えた時の、長女の表情が、私の心に突き刺さった。ほっと力が抜けた微笑。ああ長女も、そう感じていたんだなあ。
その夜、何年ぶりかに二人で座って練習。ふざけておどけてはしゃぐ長女、四十分があっという間に過ぎた。そういえば、こうして二人だけの時間というのさえ、久しぶりだったかもしれない。練習が終わり、しばらくして「ありがとうママ」と。そして寝るまでの間中、ハイテンションで冗談を言いはしゃいでいた。その一つ一つの仕草が、嬉しく、そして切なく。
ピアノの練習を、毎晩の二人だけの時間としよう。
先生の言葉を、手のかかからない長女の全般にわたって、覚えておこう。
稲妻のような瞬間を、心に刻んでくださった先生に、感謝を込めて。
手のかからない優等生の子ほど、慎重に接していく必要がありそうですね、そこには「優等生を演じている部分と我慢している面」。
私も、もうこの年令だから一人で、貴方次第といい、突き放してしる部分がありますが、「一人ではまだ大変なんだ」と心に留めながら見守っていこうと思いました。
気づきをありがとうございます。
「継続は力なり」、娘ちゃんとのピアノの歩みを着実に続けられているYさんの言葉、重みがあります。
長女が将来的に優先順位を整理し絞り込んでいく中で、ピアノを頑張りたいということならば、できる限りサポートを続けていきたいと思ってます。
その時は本当、Yさんの言葉通り、長女のチャレンジではあるのだけれど、私のチャレンジでもありますね。AちゃんとYさんの姿を、励みにさせて下さいね。
Yさんの言葉の一つ一つに励まされています。いつも本当にありがとう。
長女の微笑み、普段より冗談連発ではしゃぐ様子、まさしくそんな言葉が浮かびます。
「優等生を演じている部分と我慢している面」
本当ですね、手のかからない子にも、心を配ることを思い出していきたいです。演じている、我慢している部分をほぐし、その子の本当のところを見つめる時を持つよう心がけていきたいです。
「貴方ももう大きいのだから」とその子の自立心を育ててること、といって「無理させ過ぎ」の境界を見守りつつ、ここぞというときは必ずサポートしてもらえる、といった安心感と共に育てていけたらと思っています。
「二人でピアノ時間」も日課の一つになりつつあります。また色々と気づかされることもあり、こういった時を持つことができたこと、ピアノの先生の言葉に感謝しています。今ではこの夜のひと時が楽しみです。
こちらこそ、いつも気づかされる言葉をありがとうございます。残りの週も元気にお過ごしくださいね。春の日差しのアンカレッジより。
いつもマチカさんのがんばりで励まされます!
ピアノは細かな練習法を指導される先生は少ないです。だから練習方法を工夫しなければならないです。
いろいろネットでも探せると思うのですが
はじめから最後まで通して弾くことは良くないです。抜き出し練習をゆっくりとした後通しでひいてみるというのが一番の近道だそうです。
家の場合は母がへばりついているので練習嫌いなのだと長男はいいます(笑)私がいった通りのことは簡単にやってくれないです😭
それが良いとしていても素直に聞き入れたくないようです。
まあやめたいといわないのでそれでよしかという感じです。
なるほどです。確かに練習の仕方まで細かく指導されることはないですね。その子に合った方法を親が工夫する必要がありますね。
「はじめから最後まで通して弾くことは良くないです。抜き出し練習をゆっくりとした後通しでひいてみる」
できないところを重点的に弾いてある程度弾けるようになってからもう一度通す、とした方がいいのですね。確かに、長い曲など「できるところ」を何度も繰り返すことで、「できないところ」を直す前に疲れてしまったりなんてありますね。ありがとう!覚えておきますね。
lesleemamaさんとの二人三脚だからこその、あのL君の弾きっぷりなんですね。あのしなやかな音! 確かに思春期の男の子って、なかなか難しいよね。でもホントなんだかんだいっても、「止めたい」と言わず、続けているの、すごいよ! きっとママと隣同士でピアノに向き合った日々のこと、大きくなってからもずっとL君の心に残るね。
今度、L君のピアノ聴ける日を楽しみにしています。
ありがとう! そちらの眩しい空と海を想いつつ。お帰り待ってますよ。残りの週もはじけた日々を!