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にしみの鉄道情報局付属ブログ

プラチナデータ

2012-12-14 | 書評


DNAがメインテーマになった東野圭吾の小説、プラチナデータ。犯罪におけるDNA鑑定は現在では一般化していますが、それが更に進んだ世界の話になります。
刑事ドラマなどで、指紋と前科者の照合が行われますが、同様にDNAもデータベース化されつつあります。
技術がさらに進めば、DNAから身体的特徴やモンタージュが作成可能になるのではという話で、実際にこの2つが小説のメインテーマになっています。

DNAの場合、親から子に受け継がれるので、生き別れの親子のDNA鑑定ではないのですが、近縁者である可能性がDNAから分かります。

この小説の1つのテーマですが、データベース化の中にあるDNAの近縁者を照合して、犯罪捜査に使用するというものがあります。つまり、身内の誰かがDNAのデータベースに登録されていると、自身がデータに入っていなくとも、リストアップされるということになります。
実際に捜査手法として、このようなことを行なっていいのか、法律的に行えるのかかなり疑問なのですが、一つの問題提起をしています。
この作品のもう一つの問題提起が、DNAデータベースの適用除外があるということで、これはネタバレになるので多くは書けません。

さて、この作品で疑問に思ったことですが、技術が進めばDNAから人の容姿は本当に分かるのかということです。まず、当たり前のことですが、人の容姿は後天的要素が非常に大きいということです。食生活で体格は大きく変化しますし、日焼けなどの肌の色もわかりません。
それに根本的問題ですが、一生変化しないDNAからは年齢が分からないため、歳とともに大きく容姿が変化するタイプの人では、かえって捜査の妨げになる恐れがあります。
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