「日本から城が消える」加藤理文著洋文社刊を紹介します。日本から城がなくなるというのはセンセーショナルですが、戦後鉄筋コンクリート(RC)で再建された天守閣が耐用年数を迎えて、再建が難しくなっているということです。文化庁の方針で、史跡内の再建は原則木造になっています。
名古屋城の木造再建が話題になっていますが、それ以外でも木造再建の動きが出ています。
ただ、鉄筋コンクリート造の復興天守もすでに50年近く立っていて、文化財的価値が出てきているのではないかと思えます。戦前の近代建築には重要文化財指定を受けたものが多数あり、戦前に建てられた鉄筋コンクリート造の大阪城天守閣も登録有形文化財指定をうけています。天守は何度も落雷等の火災で焼失したので、再建するときに鉄筋コンクリート造になったのは、燃えない天守をという人の思いもあったようです。
戦後復興の象徴として、各地で天守が再建され、それが文化財的もあるのではないかと思います。
城跡も明治維新後、市役所や県庁などが建設され、福井城は本丸に県庁と県警本部があります。史跡の保護としては問題ですが、政治の中心としての城の使い方としては、限りなく正しいとも言えます。
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