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奈良エリート少年自宅放火事件と広汎性発達障害の関係

2008-02-19 20:41:16 | 社会性
先日 知人から「奈良エリート少年自宅放火事件」について
書かれた本をお借りしました。

「僕はパパを殺すことに決めた」 草薙厚子著  講談社 です。

全国で屈指の進学校 東大寺学園に通うIQ136の天才少年が
自宅に放火し継母と2人の異母弟妹が犠牲になった事件です。
この少年の父親は 子どもがまだ赤ちゃんの時から
毎日能力をチェックしたりして
異常なほどに教育熱心だったようです。
少年の実母の教育法が悪いと言って 暴力をふるうこともよくあったそうです。
少年が4歳の時両親は離婚。少年は父に引き取られます。

父親は 息子を医者にすることを決意し
常に監視し マンツーマンで勉強を教えます。
その際 父から子への暴力が だんだん日常化し
エスカレートしていく様子が 本にはつづられています。
少年は 父に叱られるのを恐れて試験結果でうそをつき
それが父にばれるのを恐れて 事件をおこしてしまいました。

この事件をおこした少年は
佐世保で同級生を殺害した小6の少女と同じく
広汎性発達障害の特徴があったそうです。

このように広汎性発達障害の子の犯罪が
世間の注目を集めると
発達障害=犯罪
と結びつけて考えられがちです。
しかしほとんどの広汎性発達障害の方は 攻撃的ではなく
犯罪とは無縁です。

広汎性発達障害がクローズアップされるのは
その犯罪形態が極めて異常なケースがあるからだそうです。

広汎性発達障害の基本的な特徴は
「対人相互的反応性の障害」と「強迫的傾向(固執 こだわり 反復)」
とに要約できるそうです。
教室にもこうした特徴を持つ子は何人かいますが
年齢より幼く見え 
試験の点数や偏差値に偏ったこだわりを見せたりしますが
反社会的な傾向はほとんどありません。
定型発達の子より 素直で優しい印象です。

広汎性発達障害の子が 犯罪に手を染める原因は
環境によることがとても大きいようです。
子どものハンディーを無視し
「普通」を求め続けることは
子どもに過大なストレスを与えているかもしれません
周囲の人が障害に理解をしるし
子どもと良い関係を作るなら
このような悲しい犯罪は少なくなっていくかもしれませんね。

 
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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
そうなんですね・・・ (みい子ヽ(*’-^*)。)
2008-02-21 06:17:46
最近ですが、
こちらにも毎日お邪魔を・・・(*^^*)

コメントが残せず遅くなってしまいましたが、
ものすごく哀しい事件ですよね・・・

佐世保の女の子の家庭環境は
全く知りませんが、ストレスのある環境だったんでしょうか・・・

子を持つ親としては、本当に気をつけないといけませんよね・・・

勉強に関してはさほど期待はしてないけど、
叱り方とか、考えないといけないですよね・・・

どこまでしかるべきか、、、
と、先日娘を叱りながら、考えてしまいました・・・
返信する
その本気になっていますが (チョッちゃん)
2008-02-21 08:33:27
 怖くて読めなんですよぉ~。ヽ(T∀T )ノ
みんながみんなそうでないと言うのもわかっています
が、すくなくてもウチの家庭環境もいいとはいえなかったのでその事実がある以上、不安は隠せないです。

 家庭環境、信頼関係大事ですよね。
返信する
排他的な色眼鏡は悲しいですね (まずろ)
2008-02-21 19:45:21
その本が出版されはじめた頃、気になっていた事件だったので早速購入しました。
そこでは少年の手記などの多くの資料、赤裸々な事実が公開されており、少年が発達障害のハンディを背負いながらも懸命に生きていた足跡が垣間見え、切なくなりました。

決してお父さんは彼を愛していなかった訳ではなく、愛するがゆえに身内の情けなさが先にたってしまって、彼の将来を考え、ついきつく叱ったのだということもわかります。

そしてこの事件で命を落とされた義理のお母さんも少年を愛し、実子とともに分け隔てなく愛情を注がれたこともわかり、胸が熱くなる思いでした。
もちろん義理の兄弟も、そして義理の祖父母も。
みんなの愛を受けながら、それをすんなりと自分の強さに昇華できなかったのは、彼が人とのコミュニケーションでの絆を構築するのに、ボタンの掛け違いのようにずれが生じ生真面目に苦しんだからに他ならないと思います。

勉学の能力は非常に秀でているから、こういう能力も人並み以上あるとみなされ、自分の中の障害と常に対峙しつつ、良い意味でのいい加減になれずに自分を追い込んだこと、周りもそれをフォローできなかったことは彼の悲劇であり、周りの悲劇です。

叱り方は難しいけれど、叱るときはその子のためを思い必死で叱るべきだと思います。(行き過ぎた叱り方を指すのではありません)
そして叱った後のフォローはもっともっと必死で考えてやらねばならないと思います。
大切な存在だと全身全霊で伝えてやることが大切と思います。
大切だから、愛しているから、叱っても人格否定はしないと伝われば、ここまで荒むこともなかったろうにと残念です。

そして発達障害の子供とショッキングな事件を起こした例を安易に結びつかせる色眼鏡が増えることに懸念を感じながら読んでいました。
色眼鏡で見る目が新たな悲劇を生む原因になりえるからです。
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みい子さんへ (なおみ)
2008-02-21 22:55:06
コメントありがとうございます。
もしこの事件を起した子に広汎性発達障がいがなかったら もっと早い時期に親への暴力や非行や反社会的な行動として 外に現れていたと思います。そしてそのおかげで(?)これほど悲しい事件に発展しなかったかもしれません。
こうした事件は 目を背けたくなるけれど 真実を知って どうすればこうした事件を防げるのか多くの方の知恵を集めることも大切だと思っています。
バイト先で軽度発達障がいと思われる方たちが 人間扱いされないようなののしりや虐待に耐えている姿を
たくさん見ました。反抗したり 逃げたりするすべを知らず 苦しい思いを飲み込んで生きている姿に 胸が痛くなりました。 
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チョちゃんへ (なおみ)
2008-02-21 23:29:17
コメントありがとうございます。
<家庭環境、信頼関係大事ですよね。>
そうですよね。定型発達の子も発達障がいの子も
それは同じではないかと思います。
でも叱ったり つい手をあげてしまうくらいでは
どちらも大きな問題にまで発展しないように思います。
たとえ いつも優しく接していても 「この子はダメだ。」という感覚を親が持っていると その暗示が子どもに伝わるようには感じます。
もし自分だったら
なぐられるより 「自分のせいで こんな子になってしまった。」とか反省されるときついかなぁ?と思います。
それって 言葉を変えると「あんたはできそこないで がっかりした」ってメッセージですよね。親を悲しませる自分って どんな感じでしょう?
ハンディーがあると ただ生きているだけでも苦労が多いのに 親の心にまで気を使わなくてはならないなんて どうなんでしょう?
たとえ知的障害の子でも そうしたことには敏感でよくわかってますから…。
親は自分が幸せに 子は子の人生と割り切って幸せに生きていれば 子どもはそれがうれしくて(子どもは優しいですから)前向きに歩んでいくものと思います。
もし私が子の立場ならそうです。
チョちゃんは その点 子どもとの距離のとり方が上手ですね。トットくんはどんどん素敵な子に成長しますよ。 
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まずろさんへ (なおみ)
2008-02-21 23:36:45
コメントありがとうございます。
<この事件で命を落とされた義理のお母さんも少年を愛し、実子とともに分け隔てなく愛情を注がれたこともわかり、胸が熱くなる思いでした。>
私もこの本を読んで その事実を知ってよかったです。週刊誌が被害者である義理のお母さんのことを
バッシングしていたことは 悲しいことですね。
真実を知ることは大切だと感じました。
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新聞記事 (ソウママ)
2008-02-24 12:32:17
事件の時ばかりに取り上げられるとマイナスイメージばかりが広まるようで悲しくなります。
昨日の朝日新聞の夕刊に、京都大学や富山大学で発達障害の学生をサポートの記事が載っていました。こういう記事にももっと世間が注目してくれますように
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ソウママさんへ (なおみ)
2008-02-26 21:01:50
コメントありがとうございます。本当ですね。事件の時にばかり。障害の名前が取り上げられるのは 納得できませんね。私も もっといい情報を記事にしていきたいです。
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