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発達障がいのあるなしの違いが、あまりわからないのですが……1

2009-06-19 12:52:23 | 社会性
広汎性発達障害の診断を受けている幼稚園の年長の☆くん。
定型発達のお友だちといっしょに遊ばせていても
どこがどう違うのかあまりわからない……。
就学の準備に何をさせたらよいのかピンとこない。

というお話をうかがいました。

☆くんはIQが130以上あります。
ですから知的な面では同年代の子との違いはほとんどないか、よくできる方だと
思います。
虹色教室で、さまざまなゲームや知的な課題に取り組んでもらったところ
どれもすぐにルールをマスターして楽しめていました。順番も守れました。
またお話の理解のために
『どろんこハリー』『くんちゃんのはじめてのがっこう』『だましっこ』を
読んで、主人公の気持ちを説明させたり、話の内容を質問したりしたところ、
最初は「わからない」と答えるものの、少しのヒントできちんと答えが言えていました。
そうした様子は☆くんのお母さんがおっしゃる通り、定型発達の子と遊んでいる姿を見ていても、違いがわからない、問題点がみえにくい…となると思います。


知能を使って乗り切れる場面では、ほとんど問題が感じられなかった☆くんですが、絵カードを使ったソーシャルスキルトレーニングのための質問では、
「わからない」を連発していました。
子どもふたりが席に座っていて、ひとりの子が「あ、えんぴつを忘れちゃった」という場面で、それがどのような状況なのか、もうひとりの子がどんな言葉を口にすればいいのかが想像できないのです。

定型発達の子も、こうした質問が苦手な子もいます。そうした子は、他の知的な課題全般が苦手な場合が多いです。

その点で☆くんは、さまざまな知的な課題が難なく解ける高い能力を持っているにもかかわらず、「どうして?」と思えるほど、ある問題だけが極端にわからなくなっています。

発達障がいの子は、何かができない、同年代の子より何かが劣っているというのではなく、
その子の中で、できることとできないこと、わかることとわからないことの開きが大きい、差が大きい子と言えるかもしれません。
そのため誤解を受けやすかったり、本人にわかりずらい注意の仕方や指導を受けることも多いです。

たとえば「ダメ!」と言われるだけでは、
どうダメでどうすれば良いのか、具体的に言ってもらわないとわからない場合。

注意している側は、他の能力から判断して、その子が本当に「わからないのだ」とは思いもよらないのです。
そのため学校では、注意されてもひとりだけ指示に従わず、さらに叱られるという事態に発展しやすいです。

広汎性発達障がいの子の場合、他の能力に比べ、社会性の発達だけが際立って苦手です。
学校に入ってからは、
社会性の発達が弱い集団向けの授業についていけない2次障害として、学習に遅れをきたす
という子がでてくるのではないでしょうか?

☆くんのような子の場合、発達障がいと捉えることに疑問がある方もあると思います。

途中ですが長くなったので、次回に続きます。


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