ADD?先生の発達障害児 教育応援サイト

ADD?傾向のある塾教師がADHDやアスペルガー症候群の子にどうかかわり教えたらいいのか模索していくブログです。

何をするにもグズグズのろのろ~ 手伝い過ぎたら何もできない子になりますか?

2009-08-10 16:54:56 | アスペルガー症候群
(写真と記事は関連ありません)

とにかく何をするにもグズグズのろのろ~
学校の用意に他の子の何倍もかかります。
でも手伝い過ぎたら何もできない子になりますよね。

そんな相談を受けることがよくあります。
私も、この答えに自信がなくて、いつも迷い迷いお返事していたところがありました。
そんなとき

問題行動がぐんぐん解決できる  千谷史子 日東書院

の中で次のような話を読んで少し安心しました。

「子どもに手助けしすぎ?」と悩む必要はありません

アスペルガーの特徴を持つ子どもを育てていると、「どこまで親が手助けするか」の線引きで思い悩むことがあるかと思います。
時間がないときに、学校に遅刻させまいとつい、着替えを手伝ってしまったとき。
はやく寝かせなければと対、明日の準備を手伝ってしまったとき。
(省略)
アスペルガー症候群の特徴を持つ子どもがかかえるいろいろな問題の中で、見過ごされているのが「スピード」の問題です。
同年齢の子どもがさまざまな課題をこなす平均スピードにくらべると、アスペルガー症候群の特徴を持つ子どもはいろいろなことに時間がかかります。

このことは、アスペルガー症候群の子どもの持つ「機能の問題」です。ひとつのことが人の3倍時間をかけてできたところで、その子に1日72時間あるかというとそうではありません。
もしすべてのことをこなそうとしていたら、すぐに時間が足りなくなって、どうしても身につけさせたいことが後回しになってしまいます。

毎日の生活の中で「どうしても追いつかない!時間がない!」という場面であれば、そのときは親が手助けしていい場面です。どんどん手伝ってあげてください。
それはいわゆる「甘やかす」ということとは、まったくちがう問題です。
人間としての大事なルール「人を傷つけない」「人の物を取らない」などの絶対やってはいけないルールをクリアーしていれば、家庭で「いつまでに、ここまでしつけをしなければならない」というノルマはないと思います。
(省略)
たくさんのことを手伝ってあげても、それで子どもがダメになることは、まずありません。それどころか、人に手助けできる人間に育つのです。



何をするのも遅い、忘れる、コツコツがんばれない、反抗的ではないのに大人に従えない、聞いていない、極端な気まま、身体がくにゃくにゃする

など……発達障がいがあるのかどうかわからないけれど、気になる子というのはいます。
他の子はきちんとできているのを見ると
親も教師もつい声を荒げて叱ってばかりになることがあります。

ただそうした集団のペースに乗れない子は、
わがままや怠けでそうしているのではなく
機能上の問題でそうならずにおれない場合がよくあります。
ですから、叱るのではなく、手伝ってあげることで
心が安定し、さまざまなことにチャレンジしようという思いも育ってくるのです。

私は自分がADD(注意欠陥)傾向を持っているので、
この「機能上の問題」ということがとてもよくわかります。
ワーキングメモリーの働きが悪かったり、集中したい対象が背景から際立たず、刺激がいっぺんに流れ込んできて、背景のノイズが大きくなりすぎたりすると、
何をするにも他の人の何倍も時間がかかるのです。おまけにくりかえしチェックしても苦手な作業のときは必ずミスをします。
ですから、私はADHDやADDの傾向を持って生まれたら、
他人の何倍もまじめにくじけず努力し続ける性質と
それでもミスをたくさんするのですから、自分が助けられる部分では快く助けてあげること、
失敗しても気にかけず何度でもトライする楽天性が大事だなと感じています。
私がADD傾向がありますから、うちの子も(特に息子)
苦手なことと得意なことに極端な開きがあります。
そのため小学生時代の子育てでは、アスペルガーの特徴を持つ子ども同様に「どこまで親が手助けするか」の悩みをたくさん抱えていました。
おまけに、手伝う私が同じ部分が苦手とあって、
手伝ってもなお忘れ物の多い、困った子でした。
そんなわけで、欠点についてはあまり叱らず甘すぎる親できましたが、
そのおかげで、成長するにつれて、最初から得意であった部分はさらに伸び、
欠点は時間がゆっくり克服させてくれたな~と感じています。

それと、小学校時代、たとえ他の子よりミスが多くても
それゆえに息子に身についた

他人の何倍もまじめにくじけず努力し続ける性質と
それでもミスをたくさんするのですから、自分が助けられる部分では快く助けてあげること、誰とでも親しくできること、
失敗しても気にかけず何度でもトライする楽天性

は、この子の人生を良い方向に導いてくれると信じています。

アスペルガー症候群にしてもADHDやADDにしても
脳の機能の問題なので、
周囲が「甘え」と取り違えて、
自分の信念で厳しくしつけようとすると、結局は子どもをダメにしてしまうのではないでしょうか?
特に診断を受けていない
何とかがんばれば周囲についていける発達障がいの子は
自分自身が壊れてしまうまでがんばってしまいます。
また親も何とか子どもを他の子に追いつかせようとして、
必要以上に自分も子どもも追い詰めてしまいがちです。

そんなとき
「子どもに手助けしすぎ?」と悩む必要はありません
という言葉を心にとめておくと、
ブレーキがきいていいですね。



web拍手を送る

最新の画像もっと見る

5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
気が楽になりました (てちはは)
2009-08-10 22:51:48
娘に関しては特に「甘やかし過ぎ」「手をかけ過ぎ」とよく言われていました。
今回の記事でスッと気持ちが楽になりました。
ありがとうございました。
返信する
Unknown (つばめ)
2009-08-11 10:05:04
ついつい「早くしなさい!遅刻しちゃうよ!」が口癖のようになっておりました。
そのせいか、最近は頻繁にトイレに行くという行動が目立ってきていました。
必要以上に子供を追い詰めていたのかもしれません…。

“叱るのではなく、手伝ってあげることで心が安定し、様々なことにチャレンジしようという思いも育ってくるのです。”

今回の記事を読んで、とても心が楽になりました。
親が手助けして良いのですね!
実家から戻りましたら(夏休みに入ったのでおじぃちゃんの家に一人でお泊り中です。)どんどん手伝ってあげたいと思います^^
返信する
私も気が楽になりました。 (ノンママ)
2009-08-11 20:30:27
最近「もう2年生なんだから!」
が口癖になっています。。

手伝ってあげてもいいと聞いて
とてもホッとしてしまいました~。

叱ることはほどほどにして
なるべく笑顔で接したいな~と思います。
返信する
安心しました (まえやす)
2009-08-17 17:02:38
いつも着替え等の手伝いをしながらこれでいいのか疑問を感じたり

ママ友達から過保護と指摘される度に悩んでいました

この記事を読んで安心しました

本当に大切なことは意外と少ないのかもしれないですね
返信する
Unknown (菜の花子)
2010-03-01 22:30:24
過去の記事にコメントしても良いでしょうか。

このこと、ずっと悩んで揺れていました。
現在進行形です。
息子は小5です。診断はまだですが、たぶんアスペルガーだと思います。

5年生になったとき、もう高学年なんだから、少しずつ「自分で」できるように。という思いがあり
手伝うことを減らしていこうとしました。
でもダメなんですよね。
本当に、1日は24時間しかないのよ!と何度息子に言ったことか。
間に合わないのは仕方ない、脳の機能の問題なんですね。

手伝っていいんだ・・・
この記事を読んで心が楽になりました。
ありがとうございました。
返信する