さんぽみちプロジェクト

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オレンジの味が濃い、清見との交配種 県内生産量は僅か「たまみ」

2021-04-18 14:50:01 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では大粒の果肉が特徴で、デコポンと同じ、清見とポンカンの交配種である「はるみ」を取り上げた。
今週は清見と米国生まれのオレンジ「ウィルキング」の交配種「たまみ」を紹介したい。


【写真】見た目は温州みかんに似た「たまみ」

たまみは、清見やはるみと同様に静岡市の生まれ。果樹試験場で1980年にできた系統で、全国の試験地で試験栽培された後、2004年に新品種として認められ2006年に品種登録。
サイズは約150gで、温州みかんとほぼ同じサイズ。見た目も温州みかんに似ており、手で容易に剥くことができる。
種がやや多めだが、じょうのうが薄くそのまま食べられる。果汁量が多く糖度は12%程度で、オレンジのような香りが特徴。

清見と交配されたウィルキングは、地中海マンダリンとして知られるウィローリーフという品種と、キングというオレンジを交配したもの。米国生まれで1915年から作られる歴史のある品種である。
清見は温州みかんとオレンジの交配種。たまみの4分の3は海外のオレンジに由来し、香りの強さはそれに起因するといえよう。

たまみは、ウィルキングに見られる「隔年結果性」という、いわゆる表作・裏作が現れる品種で、味や収穫量に変化があり、前号で取り上げたはるみと同様、今年は甘さが足りない印象を受けた。

農水省統計(2017年)によると、収穫量は80t程度。清見の1万2千tと比べると、まだまだ一般的ではない。
主な生産地は愛媛県(35%)、長崎県(24%)、愛知県(22%)、静岡県(19%)で和歌山県での生産はごく僅かということになる。

筆者は紀の川市で栽培されたたまみを産直市場で購入した。
大々的ではないものの、新品種として県内でも栽培が始まっており、これからの生産拡大に期待したい。

(次田尚弘/和歌山市)

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