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さんぽみちプロジェクト

さんぽみちプロジェクトの記録。
和歌山新報で日曜日一面に連載中の「WAKAYAMA NEWS HARBOR」と連携。

もっと気軽に食べやすく 容易にできる「桃の湯むき」

2024-08-18 22:23:24 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、桃の概念を覆す、濃厚で芳醇な味わいが特徴の「黄金桃(おうごんとう)」を取り上げた。
桃は美味しいけれど、皮を剥くのが難しくて億劫という方がいらっしゃるかもしれない。
今週は、容易な桃の皮むきの方法を紹介したい。


【写真】湯通しの時間と氷水がコツ

桃の皮むきとして一般的であるのが、包丁の柄に近い方の腹を外皮に優しく当て、少しずつ剥いていく方法。桃の固さによっては剥きづらさを感じることがあるだろう。そこで、おすすめしたいのが「桃の湯むき」である。

要領はトマトの湯むきと同じ。まず、桃の上部に包丁で十字に切り込みを入れる。続いて鍋で湯を沸かし、沸騰したタイミングで桃を入れる。10秒程度すれば鍋から取り出し、氷水を張ったボウルに入れよく冷やす。

すると、上部に入れた十字の切り込み部分の外皮がふやけてくる。外皮を指で摘まんで、下部に向けてゆっくりと剥いでいくと、スルスルと皮が外れ、桃の果実が現れるというもの。

せっかく桃を冷やしたのに熱湯に入れるのかと抵抗を感じるかもしれない。筆者もそう感じたが、実際に試してみると気になることはなく、美味しくいただくことができた。果実の中心まで熱が通らないよう、熱湯に浸けるのはできる限り短時間とし、氷水でしっかりと冷やすことがコツのようだ。

さらに、果実に一定の固さがあれば、外周に沿って桃の中心部分に、種に当たる深さで一周の切り込みを入れ、上下を両手で掴み、それぞれの手を逆方向に回すことで、桃を半分に分離できる。

その時の桃の状態により左右されるが、様々な方法を試すなかで、湯むきが最も容易であるように感じた。
シーズンは終盤となってきたが、皮を剥くのが苦手な方は、ぜひ試していただきたい。

(次田尚弘/和歌山市)
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桃の概念を覆す 濃厚で芳醇な味わい「黄金桃」

2024-08-11 19:47:15 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、鰻と梅干しの食べ合わせについて取り上げた。食欲が落ちる猛暑の夏でも、美味しく水分と栄養分を摂取できるのが桃。
この時期に出回る、一風変わった桃が「黄金桃(おうごんとう)」だ。外皮が一般的な桃の色とは異なり、美しい黄色をした品種。今週は黄金桃を紹介したい。


【写真】まるでマンゴーのような「黄金桃」

黄金桃は「川中島白桃」の偶発実生として誕生したもの。果実のサイズは300g程度とやや大きめ。見た目が可愛らしく香りも良好である。袋を被せて栽培したものは美しい黄色に仕上がるが、無袋で栽培したものは果皮が赤くなる特徴がある。

食してみる甘味が強く、程よい酸味もあり、極めて濃厚な味わい。緻密な果肉と豊富な果汁から、熟したものはまるでマンゴーのような舌触りになり、見た目も味も、桃の概念を覆してくれる。

一般的な桃と同様に、そのまま食するのがシンプルでその味わいを堪能できるが、酸味を活かして、ケーキやタルトに使うことも。
また、マンゴーのようにミキサーにかけ、スムージーにしても美味しくいただける。

農水省統計(2020年)によると、主な生産地は、長野県(35ha)、山梨県(31ha)、山形県(28ha)、福島県(20ha)、新潟県(3ha)と、甲信越と東北。
和歌山県は第10位で2ha程度と栽培面積は僅かであるが、とくに今年は産直市場などで目にする機会が多い。

黄金桃は晩生種とされ、全国的には9月中旬頃まで出回るが、和歌山県内では7月下旬には市場に並ぶ。今が食べ時の黄金桃。桃の概念を覆す、極めて美味しい筆者おすすめの品種。ぜひ、食べてみて欲しい。

(次田尚弘/和歌山市)
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猛暑の夏に効果あり? 「鰻と梅干し」の食べ合わせ

2024-08-04 19:02:30 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、冷凍した実山椒を使った「粉山椒」の作り方を取り上げた。
今年は2回ある土用の丑の日。先月24日に続き、今月5日にも食べようと検討されている方もいるだろう。猛暑が続き、塩分補給のために梅干しを食べる方も多いと思う。
祖母が健在な頃、鰻と梅干しの食べ合わせは良くないと聞いた記憶がある。暑い季節に欠かせない存在の両者。本当に同時に食べることに問題があるのか、調べてみた。


【写真】食べ合わせが心配される「鰻と梅干し」

結論からいうと、この食べ合わせに問題があるという医学的根拠は無く、あくまで迷信であるという。医学的には、鰻の油分の消化を助けるために、胃酸を濃くする作用がある梅干しは、むしろ良い組み合わせ。筆者も試してみたが、体調に変化は無かった。
ただし、個人ごとに持病の有無などで何等かの不都合が起きる可能性は無いとは言えないため、不安な方は医師に相談されたい。

迷信ができた理由を探ると、民俗学に関係する。一説に過ぎないが、梅干しは胃酸を分泌させることで食欲が増し、高価な鰻を過食してしまうため、健康的にも、贅沢という観点からも、それらを戒めようというもの。

他には、暑さで鰻が腐敗していると酸味が出るが、梅干しを同時に食べると、どちらの酸味であるか区別が付かないというもの。昔の方々の生きるための知恵から、鰻と梅干しの迷信が生まれたことに合点がいく。

だが、迷信であると聞き流してはいけない食べ合わせは存在する。例えば、鰻とスイカ。水分の多い食物と油分の多い食物を食べると胃液が薄まり、消化不良を起こすことがあるという。胃腸に自信が無い方は、避けた方がよさそう。

暑さが厳しいこの季節。健康第一で乗り切りたい。

(次田尚弘/和歌山市)
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冷凍した実山椒を使用 香り高い「粉山椒」の作り方

2024-07-28 13:57:00 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、フライパンで出来る、実山椒としらすを使った「ちりめん山椒」の作り方を取り上げた。今週は実山椒を使った「粉山椒」の作り方を紹介したい。


実山椒を使った粉山椒

土用の丑の日に、うなぎの蒲焼きに粉山椒を振りかけて食べられた方も多いのではないだろうか。
この食文化の始まりは室町時代まで遡る。うなぎの風味を引き立てる役割があることは言うまでもないが、漢方薬としても用いられる山椒には、胃腸を温め、消化を助ける効果があり、栄養豊富で脂がのったうなぎの消化を助けると同時に、山椒が持つ抗菌作用も期待されていたという。

粉山椒は、夏の終わりから秋まで樹上に残した山椒を使うのが一般的であるが、実山椒でも十分な味わいを楽しめる。
作り方は簡単。冷凍保存してあった実山椒を常温で解凍し、フライパンで水分が飛ぶまで焦げないように炒る。指で押して硬さを感じる程度になり、外皮がカサカサし、香ばしい香りがしてくれば、乾燥できた証。
続いて、すりこぎで粉々になるまでよく擦れば出来上がり。擦り切れずに残る外皮が気になる方は、ふるいやザルにかけると、市販されているような粉末状にすることができる。

一度は冷凍保存した実山椒であるが、香り高く特別感のある味わい。使用する際に都度調理するのが最も香りを楽しめるように思うが、胡椒を挽く際に使用する手頃なサイズのミルに、乾燥させた実山椒を入れ、その都度ミル挽きにして使用する方法もある。

9月頃に収穫される熟した山椒(乾燥山椒)であれば、乾燥の処理をせず、ミル挽きできる。乾燥山椒を手に入れるのは容易では無さそうだが、機会があれば味わいの差を感じてみたいところ。
実山椒を活用した楽しみ方の数々。ぜひ、試してみてほしい。

(次田尚弘/和歌山市)
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フライパンで簡単調理 しらすを使った「ちりめん山椒」

2024-07-21 13:31:30 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、山椒の味わいを長く楽しむための、実山椒の下処理の方法について取り上げた。
今週は保存した実山椒を使った「ちりめん山椒」の作り方を紹介したい。


【写真】「ちりめん山椒」の調理手順

まずは、ちりめん山椒の歴史から。ちりめん山椒は、実山椒とちりめんじゃこ(しらす)を、しょうゆ、みりん、だし汁で甘辛く煮たもの。
京都の代表的なおばんざいで、土産品としても人気が高い。店により味付けが異なるのも楽しみのひとつ。

生まれたのは昭和の半ば頃で意外と歴史は浅い。京都の料理人が土産品やおすそ分けとして作り始めたのが始まり。昭和46年にこの料理人が病に倒れ、家族が販売を始めたところ人気となり、京都の名産品として知られるようになった。
海から遠い土地柄から、新鮮な魚を食する機会が少なく、保存を目的に塩や醤油で魚を加工する習慣が、京都発祥の理由とされる。

作り方は簡単。今回は和歌山県産のしらすを使用した。しらすは水分が多いため、まず、フライパンにしらすを入れ弱火にかけ、乾煎りする。乾燥しサラサラとしてきたら酒を入れ、更に乾煎りする。

ここで、山椒の出番。フライパンで山椒を乾煎りし香りが出てきたら、醤油、みりん、酒、砂糖を適量加え、弱火で炒める。最後にしらすと混ぜ合わせながら煮詰めれば完成。山椒の風味と甘辛い醤油の味付けがよく合う逸品になる。

密閉容器に入れれば2週間程度の冷蔵保存が可能。冷凍しておいた実山椒を必要なときに必要な分だけ取り出して作ることもできる。
他にも、鍋を使い、実山椒を酒とたまり醤油で煮詰めた佃煮も好まれ、こちらは冷蔵庫で1年程度保存が可能。

下処理さえしておけば、様々な料理にアレンジできる実山椒。ご飯のお供にぜひ。

(次田尚弘/和歌山市)
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保存して長く楽しむ 「実山椒」の下処理手順

2024-07-14 15:40:40 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、香りに優れ、大粒の果実が特徴の、和歌山特産「ぶどう山椒」を取り上げた。
この時期に収穫され販売される実山椒をそのまま食することはできない。
今週は、実山椒の調理方法を紹介したい。


【写真】「実山椒」の下処理手順

実山椒の調理(下処理)には、根気強い工程が待っている。まずは実山椒を小枝から外し、はさみで軸を切り落とすところから。とても細かい作業で、筆者は50g程度を処理するために1時間を要した。次に、実だけになった山椒を煮沸する。鍋に水1リットルを入れ沸騰させ、そこに塩を5g加える。

そこに水洗いした実山椒を入れ、再び沸騰させてから中火で5分程度ゆで、指で押しつぶせる程度の固さになるまでゆでる。続いて、ザルに上げ、冷水で流した後、水にさらしてアク抜きを行う。1時間おきに1~2回程度、水を替え、食べてみてえぐみや辛味が強い場合は、さらに水にさらす。えぐみが抜け、好みの辛さになれば、ざるから上げしっかりと水を切る。

この先の調理の用途が決まっていなければ、キッチンペーパーでよく水気を取ってから、冷凍用の保存袋に入れる。平らにしてできるだけ空気を抜き、金属製のトレイに乗せ、急速冷凍するのがおすすめ。冷凍で約6ヶ月の保存が可能。

他にも、塩漬けや醤油漬けにして保存する方法もある。塩漬けの場合は、消毒した保存瓶などに実山椒の約1割の量の粗塩を入れ、塩が溶けるまで毎日瓶を振る。塩が溶けると冷蔵庫で10日程かけて熟成させる。冷蔵庫で約1ヶ月、冷凍で約6ヶ月の保存が可能。

下処理に手間はかかるが、保存した実山椒は様々な料理で活躍。
次週は、フライパンを使って簡単に調理できる、ちりめん山椒の作り方を紹介したい。

(次田尚弘/和歌山市)
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香りに優れ、大粒の果実 和歌山特産の「ぶどう山椒」

2024-07-07 13:30:31 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、日本最古のスパイスとされる「山椒」の歴史と種類を取り上げた。様々な種類の山椒のなかで、和歌山県内で主に栽培されている「ぶどう山椒」について紹介したい。


【写真】果実が大きく香りに優れた「ぶどう山椒」

ぶどう山椒は、香りに優れた「朝倉山椒」から派生した系統。ぶどうの房のように大粒の果実が実ることから、その名が付けられたとされる。

県内での歴史は古く、平安時代中期に書かれた「延喜式(えんぎしき」という法令がまとめられた書物に、「紀伊国秦椒三升」と記載がある。これは、現在の和歌山県から山椒が貢納されていたことを示している。
また、高野山に残る、正嘉年間(1257~1259年)に書かれた文書には、地域の特産物として山椒が存在していたことが示されており、800~1000年の歴史があるといえる。

ぶどう山椒は、江戸末期の天保年間(1831~1845年)に、現在の有田川町遠井(とい)にあった「医要木(いおき)勘右衛門」が、自宅の庭に大粒の果実を付けた山椒を発見。香り高く、辛味も強いことから栽培が拡大したという。医薬品としての需要が高いことから、勘右衛門の屋号として「医要木」の名が付いたとされる。

山椒の栽培は、西日が当たらず、日照時間が短い中山間地域が適している。有田川町(旧清水町)は標高500m程度で傾斜地が多く、山椒の栽培に適している。この地域の地形と風土が日本の一大産地を形成している。

ぶどう山椒と朝倉山椒を見比べてみた。指で潰したときの香りに大差は無いが、一粒のサイズは大きく、枝から多くの果実が連なっている。
筆者が手にしたのは5月下旬頃に収穫される実山椒と呼ばれるもので、このままでは食することができない。次週は実山椒の調理方法を紹介したい。

(次田尚弘/和歌山市)
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日本最古のスパイス 「山椒」の歴史と種類

2024-06-30 14:53:54 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号より、全国1位の生産量を誇る、ミカン科の落葉低木である「山椒」を取り上げている。
今週は、山椒の歴史や種類について紹介したい。


【写真】収穫された「実山椒」(品種は朝倉山椒)

山椒の歴史は極めて古く、出土した縄文時代の土器に付着が認められ、その頃から利用されていたものと思われる。日本書紀には「山椒(当時はハジカミと呼ばれた)の痺れるような感覚で、敵の攻撃を忘れない」と記されている。

江戸時代に入ると「山中から多く算出し近頃はおしなべる存在である」と記述された文書が現れ、この頃には、日本人にとって御馴染みの香辛料になったといえよう。いわば、「日本最古のスパイスである。

山椒には様々な種類が存在する。うなぎなどの料理に使用される「ぶどう山椒」、これと近縁とされ、香りに優れ、実の大きさが特徴の「朝倉山椒」、飛騨地方の高原で栽培され独特の辛さと持続性のある香りをもつ「高原(たかはら)山椒」、中華料理の麻婆豆腐の辛さを引き立てる花山椒として知られ、中国北部の華北が原産で漢方薬としても活用される「華北山椒」、ミントのような清涼感があり、高木にまで成長し大きな葉が特徴の「烏(からす)山椒」が知られている。

食し方は、山椒の部位により多様。3月頃の香りのよい若葉を「木の芽」と呼び、吸い物などに使用され、春の訪れを感じさせてくれる。4月頃に咲く黄色の花は佃煮などに使用され「花山椒」として。5月から6月にかけて収穫される青い実を「実山椒」や「青山椒」と呼び、ちりめん山椒などに。秋になると実が十分に熟し種子が出来る。それを「割り山椒」と呼び、乾燥させた外皮を粉末にしたものが「粉山椒」になる。

来週は、和歌山県内で栽培される品種について紹介したい。

(次田尚弘)
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全国1位の生産量を誇る ミカン科の落葉低木「山椒」

2024-06-23 16:57:00 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、産地におけるこの時期の風物詩といえる「摘果メロン」と、その味わい方について取り上げた。
この時期に出回る和歌山県ならではの農作物として忘れてはならないものが「山椒(サンショウ)」である。今週から山椒について紹介していきたい。


【写真】粉山椒を振りかけた鰻料理

山椒は、ミカン科サンショウ属の落葉低木。雑木林などに自生し、別名を「ハジカミ」という。一般的に鰻料理などに振りかける粉状の香辛料としてのイメージが強いが、和食料理に添えられる山椒の若葉は「木の芽」と呼ばれる。

山椒の名の由来は、山の辛みを表したものとされる。「椒」には芳しい、辛味という意味がある。原産地は東アジアとされ、国内全域に加え、朝鮮半島や中国にも分布する。

樹高は1mから3mと低木。葉の長さは10㎝から15㎝で青々とした美しさが特徴。花期は4月から5月頃で収穫期は9月から10月頃。

この時期(6月から7月)に販売される果実は未熟なもので「青山椒(アオザンショウ)」といわれる。佃煮やちりめん山椒として味わうのが一般的で、鰻料理などに振りかける「粉山椒(コナザンショウ)」は、秋に収穫される熟した実の皮を加工し乾燥粉末にしたもの。
香辛料として鰻の臭みを消す用途や、七味唐辛子の材料として重宝される。

山椒の樹皮や果皮は生薬として用いられ、主に胃もたれや消化不良など、胃腸を温める効果が強いといわれる。

県内における山椒の生産量は528.5tで全国1位。約58.6%のシェアを占めている。
また、栽培面積は167haで、こちらも全国1位。全国の栽培面積の約50.5%を占め、国内における山椒の一大産地となっている(いずれも2018年の農水省統計)。

次週は山椒の歴史や種類について紹介したい。

(次田尚弘/和歌山市)
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メロンとは思えない味わい 優れた食感「摘果の白だし漬け」

2024-06-16 17:16:15 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、産地ならではの風物詩である、可愛らしい見た目が特徴の「摘果メロン」を取り上げた。成熟したメロン特有の網目は無く、ウリ科の果実であることを納得させられるフォルムであるが、切って中身を見てみると、メロンそのもの。キュウリのように浅漬けにして食べる摘果メロン。その調理方法と味わいを紹介したい。


【写真】摘果メロンを使った白だし漬けの調理手順

用意するのは、摘果メロン2玉につき、塩を小さじ2分の1、白だしを小さじ1、砂糖を小さじ1だけ。摘果メロンをよく水洗いし、上下を切り落とす。皮はそのまま残し、8から10等分にカットする。

次に、切り分けた果実をボウルなどに入れ、塩を軽く揉んで馴染ませ、30分程度置く。
やがて水分が染み出してくるので、それを捨て、ジッパー付きの保存袋に入れる。
続いて、白だしと砂糖を加え、袋の上から揉み込む。その後、冷蔵庫で半日程度漬け込めば出来上がり。

食してみるとメロンから連想される甘さは無く、柔らかい食感も無い。むしろ、コリコリとした食感で、浅漬けのキュウリに近い。
しかし、キュウリのような野菜らしい香りがするわけでは無いが、なぜか箸が進んでしまう。
唐辛子を輪切りにしたものと一緒に漬け込むことでピリ辛の味わいにアレンジすると、これもまた美味しい。

筆者が使用した摘果メロンは全長10㎝程度とやや大きめであったが、果皮は薄く、中の種も小さく柔らかかったため、とくに処理することなく食することができた。
果皮が硬いと感じられる方はピーラーで剥くなど工夫されたい。

とてもシンプルでありながら、食欲が進む不思議な食べ物。果物屋に並ぶ高級メロンとは思えないその味わいを、ぜひ試してみては。

(次田尚弘/和歌山市)
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