子供の遺伝子は、母親の関節リウマチのリスクに影響を及ぼす
Children's genes affect their mothers' risk of rheumatoid arthritis
子供の遺伝子の構成は、母親が関節リウマチを発症するリスクの一因かもしれない。それは女性がなぜ関節リウマチになりやすいのかについて説明する。この研究はアメリカ人類遺伝学会(ASHG)サンディエゴの2014年年次総会で10月21日に発表される予定である。
関節リウマチは、種々の遺伝子ならびに環境的要因と関連づけられてきた。実際、免疫システムの遺伝子HLA-DRB1や感染症の経験は病態と関連する。そして女性は男性よりも関節リウマチを発病するリスクが3倍高く、そのピークの割合は40代と50代の間にある。
カリフォルニア大学バークレー校の大学院生であるジョバンナ・クルース理学修士(MS; Master of Science)によれば、関節リウマチが女性に偏っていることは妊娠に関する要因の関与を強く示唆するという。
「妊娠中の母親の体内には、胎児に由来する細胞が少数だが循環しているのが観察される(胎児マイクロキメリズム)。そして女性の中にはそのような胎児細胞が数十年もの長い間生き残る者もいる。
関節リウマチの女性は、そうでない女性よりも胎児細胞が残っている可能性が高い。このことは胎児細胞が関節リウマチ発症の潜在的な危険因子であることを示唆する」、クルースは言った。
「なぜこのようなことが起こるのかは不明だが、HLA遺伝子が関与しているのではないかと考えている」、彼女は説明した。
父親から関節リウマチのリスクが高い対立遺伝子(allele)を受け継いだ子供がいると、その女性は関節リウマチのリスクが上昇した。この影響は母親の遺伝子間での違いを考慮した後にも残った。
記事源:
上記の記事は、アメリカ人類遺伝学会によって提供される素材に基づく。
http://www.sciencedaily.com/releases/2014/10/141019094605.htm
<コメント>
胎児の細胞は母親の血液中に何十年も残り(胎児マイクロキメリズム; fetal microchimerism)、それが関節リウマチ発症のリスクになり得るという記事です。
マイクロキメリズムはイヌにも見られるようです。