機械翻訳2

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2014年10月9日

2014-10-10 23:14:42 | 癌の治療法

化学療法の投与量を減らすかもしれない発見
Discovery may lead to lower doses of chemotherapy



あなたがどのようなタイプの化学療法で腫瘍を攻撃しても、多くの癌細胞は同じ生存戦術を用いる:

彼らは、自分自身を食べ始める。



ブリガム・ヤング大学(BYU)の科学者は、このオートファジーと呼ばれるプロセスは2つのタンパク質がペアになってスイッチを入れることを発見した。

「今回の発見は腫瘍のオートファジーを標的とする治療への道を開く」、BYUの化学教授であるジョシュ・アンデルセンは言う。

「このアイデアは腫瘍の化学療法への感受性を高めるだろう。2つのタンパク質とスイッチ・メカニズムを標的にすることによりオートファジーを阻害し、化学療法の投与量を減らして患者の結果を改善することが期待される。」

投与量の減少は、副作用の抑制を意味する。



他の研究室は初期の「容疑者」としてATG9と呼ばれるタンパク質から出発して、その「共犯者」を何千という他のタンパク質から探していた。しかしBYUの主に学部生から構成される研究チームは突然レースに転がり込んできて、異なる方向からその「共犯者」にたどり着いた。

彼らは癌細胞がなぜ14-3-3ゼータというタンパク質を過剰に作るのかを知ろうとしていた。研究チームは乳癌の組織から酸素とブドウ糖を奪うことによって強制的にオートファジーを引き起こし、正常な細胞との比較により、癌細胞では攻撃をうけているときだけ2つのタンパク質、つまりAtg9と14-3-3ゼータは結合することが判明した。

細胞のストレスはAtg9を修飾し(リン酸化)、その修飾がAtg9と14-3-3ゼータの結合を可能にする。2つのタンパク質の結合はオートファジーを促進して癌細胞を「サバイバル・モード」に切り替える。



アンデルセンは、オートファジーを阻害するいくつかの薬剤がすでに存在することに言及する。その1つはクロロキンであり、抗マラリア剤として1934年に発明されたものである。

クロロキンや既存の他の阻害剤が安全または効果的に交差試験を超えない(cross-over)場合には、今回の研究がオートファジー阻害剤の開発という課題に特異的な薬を開発するための青写真を提供するだろうと言う。

学術誌参照:
1.代謝的ストレスにより誘発される14-3-3インタラクトームの再編成は、ULK1とAMPKに調節されるAtg9Aリン酸化と14-3-3との相互作用によるオートファジーを促進する。

分子細胞生物学、2014;

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/10/141009091949.htm

<コメント>
Abstractによれば、オートファジーの中心的な調節因子(core autophagy regulator)であるAtg9Aがオートファゴソームに局在するためにはC末端のセリン761残基(S761)のリン酸化が必要であり、S761のリン酸化が14-3-3ゼータと結合できるようにします。

通常の状態ではULK1とAMPKがAtg9AのS761がリン酸化されないように保っていますが、低酸素とグルコース枯渇の状態ではAMPKがULK1を迂回(bypass)してS761を直接リン酸化するようになるため、14-3-3との相互作用が増大し、Atg9AはLC3ポジティブなオートファゴソームへとリクルートされ、オートファゴソームの形成が促進されます。

14-3-3ゼータが過剰に発現している癌細胞では、例えば癌細胞が増殖するなどして酸素と栄養を使い果たすと14-3-3ゼータとAtg9Aの相互作用が起きることになります。

そのようにしてストレスによる2つのタンパク質の相互作用からオートファジーが促進されると、癌細胞は「サバイバルモード」に切り替わり、化学療法が効きにくくなるということのようです(化学療法の標的/作用がオートファジーにより消失する)。

以前にもクロロキンとオートファジーについての記事がありました。

http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/ca39c98759ade18c4b36196e69bcc50c

>安価な抗マラリア剤のヒドロキシクロロキンは、タモキシフェンに対する耐性をマウスで逆転させる。


クロロキンは効かないという記事もありましたが。

http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/dd5f0507eea0b2e78f76bbccbba164a1

>しかし、いくつかの癌モデルでクロロキンは自己貪食をブロックすることができない。