拝啓
寒い日が続いております。 婦長様にはお元気に活躍されいる様子で、何より喜ばしいことと存じます。 この度は励ましのお便りを頂戴いたしまして、ありがとうございます。 暖かいおこころ使いに触れ嬉しく拝読させて頂きました。
妻の入院時、妻共々一方ならぬご親切に接し、思い返せば心温まる思いが込み上げてまいります。 妻ときたら、看護師さんや先生に対して歯に衣をきせない無礼な口をきいては私をハラハラさせておりました。 それにも拘わらず皆様の優しさに包まれて、病苦の中にも心に温かいものを宿していたに違いありません。 他の病院に移ってからも、よく婦長様のお噂を、自分ごとのように話しておりました。
妻を亡くして半年が過ぎました。 まだ張り合いのない老後生活のなか、ようやく私の気持ちが外に向かってきましたが、今度は体の方が怠けるようになりました。 仕事に、家事に、介護にと飛び回っていた若いころが懐かしく思いだされます。
まだ暫くは寒い日が続くと思われます。 婦長様にはお体を大切に、更なるご活躍をお祈り申し上げます。
敬具