今日も元気で頑張るニャン

家族になった保護猫たちの日常を綴りながら、ノラ猫たちとの共存を模索するブログです。

レオよ、堪えてくれ ~後ろ髪引きまくり猫の試練~

2019年12月10日 | レオ(テンチビ)とココ
「想定内だったよね」と古女房殿。その言い方にはトゲがあった。
彼女はもともと置き餌には反対だった。いくらSCの中とはいえ、続ければいつか新参が現れる。ノラがどんどん集まって、仲良くしてくれればいい喧嘩になるケースも多い。その喧嘩が現実となったのです。喧嘩の主はレオ、相手は例の新新新猫(便宜上「シン」とします)でした。

もともとはミセミケに再会したときから置き餌を復活させた。ミセミケはたまに早く来て顔を見せるので、置き餌の消化もてっきりミセミケだと思っていたら実は新たに現れたシンだった。今ではシンもすっかり定着して毎晩遅く来ているようだ。一度レオとニアミスしたことがあるが、そのときは妻とスタッフの後ろ盾があって警戒心の強いシンを追い払った。レオはそれからしばらく店の周りを警戒するようになり、妻は置き餌を止めるよう訴えていた。


観葉室前のレオ

先日、夜遅く帰宅するときにレオがいなかったので気になって探していると、SC道路を隔てた向かいのカーセンターの方からレオの声が聞こえた。明らかに誰かと喧嘩している声だった。急いで裏ゲートを回ってカーセンターに行くと、フェンス際のところでレオがまだ唸っていた。自分がレオを呼びながら近付くと白いものが闇の中を走り去った。レオの姿は闇に同化して見えない。慌てて追いかけたがレオは見えず、元の場所に戻るとレオがうろついていた。興奮状態のレオはいつものように寄って来ない。それでも少しづつ、騙し騙しレオを店まで誘導した。しかし観葉室には入らずに店の中をうろついている。と、そこに再びシンがやって来た。レオが追い、シンが逃げる。シンを見失ったレオはしばらく正面ゲート付近をうろついていたが、やがて抱き上げてレジ室まで運んで閉じ込めた。シンだって何としても食べたいだろう。しかし1時間経っても食べに来る様子がないので、置き餌の位置を店奥の事務所前から正面ゲートに変え、レジ室の扉を開けて帰宅しました。翌朝レオはまだ観葉室に、ゲート下に移した置き餌は空だった。

この一件で心配事が増えた。シンはレオよりも一回り大きなボスタイプなので、もし保護者がいないときにやり合ったらレオが追い払われてしまうかもしれない。それにあのときたまたまシンがカーセンター方向に逃げたけど、もしSCの外に逃げてレオが追い続けたらレオは戻って来れるだろうか。今のレオは店の中か周辺で生活していて、それで安定している。レオは自分の生活の場を守ろうと必死なのだ。そのレオだって、いつシャッポのように突然姿を消すかわからない。そんなリスクを伴ってまで置き餌を続ける必要があるのか、と妻は言うのです。


専用通路ができて自由度が格段に増したレオ

店に来て10ヶ月。レオはすっかり自分の後追い猫になりました。店の中を歩けばレオが何処からともなく寄って来るので探す必要がないくらい。そして足にすりすり、足元でゴロンゴロンして「遊んで~」とせがんでくる。ニャーもそうだが、気心が知れると猫は鳴かなくなる。レオも自分といるときはまず鳴かなくなった。まあ、いつも退屈そうなレオの相手をするのは自分くらいしかいないからだろう。自分がいないときはご飯係の妻か店長さんに擦り寄るけど、なかなか相手をしてくれないのでつまらなさそうにしているそうだ。

店での自分は常にレオの様子を気に留めています。シャッポを失ったこと、そしてリード暮らしのテンちゃんとの2年間の付き合いを通してそれが習性となりました。だから以心伝心、レオも自分に懐いてくれたと思います。そうなると裏切れないんだよね。困るのは帰宅時。レオが起きていれば必ず「もう行っちゃうの?」と後ろ髪を引いてきます。かつてのシャッポ、そしてテンちゃんのように。彼らにとって夜の留守番は長すぎるほど長いんだろうな。猫と付き合っていると本当によくわかります。彼らは、人間と同じ感情を持っている。

 
レオのすりすり攻撃「遊んで~」

今やすっかり店の一員となったレオ。自分だけでなくスタッフ全員にとって大事な同僚です。しかもレオは、自由の身なのに自分の意思でこの店にいる。わざわざ置き餌で他の猫を呼んでそんなレオの生活を脅かすなんておかしな話だ。妻の言うように次々と新参猫が現れて落ち着かなくなれば、レオだっていつしかこの店を見限ることにもなりかねないのです。シャッポのときは半年間も足を棒にして探し続けた。もう、2度とあんな思いはしたくない。


レジ前にある、かつてチビが愛用したベンチで

でも、思うのです。シンだって生きたい。楽しい日々を過ごしたい。シンだけじゃなくミセミケだってモドキだって、レオやわが家の猫たちと何一つ変わらない命なのです。人間だって同じ。紛争地域で怯える子供たちに思いを寄せる。いたいけな子供を虐待する親に怒りを覚える。それが人間ってものじゃないか。自分の子供を愛する親は他人の子供にも優しい。何故なら大袈裟に言うと、愛するという気持ちが差別とは無縁だからです。

どんなにレオや家の猫たちが大事でも、ノラの命を選別したり差別したりなんて自分にはできない。置き餌を止めれば、シンはやっと探し当てた生きていくための糧を失う。この寒い中新たに見つかるかもしれないが、そのまま朽ち果てるかもしれない。ミセミケの期待や信頼を裏切ることにもなる。シンが店の中に入らなくても済むように置き餌をゲート下に移したことで、事務所の裏から来ていたミセミケは諦めるかもしれないのです。もちろん妻が言うように、本当に欲しければスタッフのいる時間にやって来る可能性もある。あの再会のときのように。

ギフトコーナーにあるテーブルの下にレオの寝床があります

今は、少なくともシンがそのことを体得するまでは置き餌を続けたいと思っています。シンが店に来る時間は夜間不定で、今のところ置き餌以外の目的はなさそう。一方レオの夜間の行動はまったく不明。つまり自分には、2匹が遭遇して重大な事態にならないことを祈るしかない。そう言えばもうすぐクリスマス。シャッポが唐突に姿を消した日がやって来る。あのときシャッポはダイフクの影に怯えていたのでした。

妻の言う想定内の出来事。
自分は、事が起きなければ身に染みない大馬鹿者なのだろうか。

たまにはスタッフのスマホ写真を (いつもガラ携のピンボケ写真ですみません)

コメント
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