今日も元気で頑張るニャン

家族になった保護猫たちの日常を綴りながら、ノラ猫たちとの共存を模索するブログです。

ニャーの危機! ~ついに出たオジンの一喝~

2019年02月07日 | ニャー
正月以来、ニャーとテンに振り回される日々が続いています。
特にニャーの病状には一喜一憂。前回の緊急入院で何とか治まったはずが、どうにもその後の経過が思わしくない。病院から帰宅してほっとしたのもつかの間、またトイレに入り浸って吠え始めた。その声は以前にも増して悲壮になって、「ウンギャーッ」といった人間の断末魔の雄叫びのような鳴き方だ。トイレに入っては、3分おきくらいにその雄叫びを繰り返した。

その叫びが一晩中、静まり返った家に響き渡る。本人(猫)も大変だろうがこっちもつらい。よく聞けばそれは息んだときの声で、尋常じゃない踏ん張り方がそんな叫びを伴うようだ。オシッコが出ているとはいえ尿管はまだ詰まっているのだ。エコーの診断でも、炎症を起こした膀胱から剥がれた繊維(微細な皮膚片)が尿道の入口に溜まっていることが確認できた。だからストルバイトのような硬い詰まりではなくて、比較的柔らかい詰まりだと想像できた。


ニャーのトイレ踏ん張り・その1 怪獣のような踏ん張り声

でも詰まりは詰まり。ニャーは痛くて叫んでいるのか、オシッコが出なくて踏ん張っているのか、いや両方に違いない。保護者としてはとにかくニャーのトイレ行動を追跡し、オシッコの出具合をチェックするしかなかった。幸い食欲は若干回復して、病院でもらった療養食を1日に20~30粒くらい何とか食べた。しかしそれでは栄養が全然足りないので、市販のレトルトを30gくらい補足的に与えた。


トイレ踏ん張りその2 力みすぎて体勢を崩す

そんな状態が3日間続いた日曜日の朝、20分くらいシステムトイレで踏ん張った後を見るとオシッコはなく、代わりに数滴の出血が。これは詰まったに違いない。慌ててニャーを連れて病院に駆け込みました。しかし触診の結果は、膀胱にはさほどオシッコが溜まってない。しかも膀胱が前回より柔らかくなって快方に向かっていると。それでメタカムの継続投与ということになった。こっちは緊急事態と思って駆け込んだのに、処置なしの診断結果に多少の割り切れなさを感じたのでした。


ニャーのトイレ後:オシッコはなく血が数滴

ニャーの異変はその翌日のことだった。
自分は所用で夜の21時に帰宅。すると妻がうろたえていた。ニャーの様子がおかしいと言う。自分が出かける前、その日の朝はいつものようにトイレで叫んで僅かながらオシッコも出ていた。しかし午後になって妻が買い物から帰ってからは、ニャーが定位置(コタツ布団の上)で横になって動かない。トイレにも行かず座ることもできず、もちろん食べるどころじゃなくただ横になってじっとしていたらしい。

いつも書いているように、猫はどんなに具合が悪くても表情を変えません。その時のニャーも、穏やかな表情でじっとこっちを見ていた。でも長年付き合っていればその異変はすぐにわかる。何よりも動こうとしないのだから。ところがそばに付き添うと、数分間隔で僅かに腰を浮かしていた。それでわかったのです。ニャーはトイレに行って叫ぶだけの体力も気力もなくなって動けなかったのだ。でも、あの叫びながらの息みはまだ続いている。しかも症状がさらに深刻になって・・。ついに完全に詰まったのだ。そう思った。ならば事態は一刻を争う。


テンちゃんに寄られても動くことすらできなかった

その晩は結局、徹夜でニャーに付き添いました。翌朝一番で病院に駆け込んだ。「前の病院の方がいいんじゃない?」と妻。ハナ、テツ、くもがお世話になった以前の病院は安心できるが遠くて待たされる。今の病院は、人がよくて厳しい判断を避け勝ちだけどヤブだとは思っていなかった。それにこっちだって、このひと月の間に猫の腎臓病について滅茶苦茶に勉強した。特にこの徹夜の晩は、いろんな症例や先生の意見を嫌というほど読んでいた。


テツの最後を思い出させるような朝の状態でした

病院で先生にいきさつを説明し、ニャーをケースから出すと「あれ?」と思った。ケース内の毛布の上に念のために敷いておいた尿漏れ用シートに、大きな地図ができていたのです。それはシートを出すと水滴が垂れるほどだった。先生は慌てて水滴を採取。やけに透明で澄んだ水滴だったけど臭いを嗅いで「やっぱりオシッコだ。」 それで先生は、オシッコがしっかり出ているからといつものように経過観察を主張した。尿管を傷つけかねないカテーテルは極力さけたいというのが、先生の持論だった。

だが、先生はこの数日間の家でのニャーを知らない。特に自分が付き添った前夜の、あのニャーの様子を知らないのだ。あれを目の当たりにしていればそんな結論にはならないはずだと思った。このままじゃニャーが死んじゃう。冗談じゃない。今度ばかりは引き下がれなかった。そして、今のニャーに必要なのは診ることじゃなくて処置だと訴え、念のための血液検査と尿道カテーテルでの膀胱洗浄を依頼した。責任は保護者が持つと。

「わかりました。」 やさしい女医さんはそう言ってニャーを預かった。自分が頼んだ処置や検査を無尽蔵に行えば際限なく経費がかかる。病院としてはそんなことにも気を遣ったのだろう。でも、猫を思う保護者の気持ちは子を思う母の気持ちと変わらない。ニャーはまだこれからの猫なのだ。どんなことがあっても絶対に助ける。心にそう誓っていた。

ニャーの処置の間にテンちゃんの輸液をしてもらい、ニャーを迎えに行ったのは昼近くになってのことでした。先生はニャーのオシッコと洗浄液を自分に見せて言った。やはり詰まりはなかった。不溶解物も以前よりだいぶ少なくきれいになってきた。菌も少なくなってきたがpHは再び7.5まで上昇した。 「それより何より・・」と先生は続ける。CRE6.1、BUN94。間違いなく腎不全の再発だった。

原因はいろいろあるのだろう。療養食を食べないので元の食事に戻したりとか、腎臓の検査値が正常に戻ったときに輸液を止めてしまったこととか、ひと言で言えば安心と油断がまずかったのに違いない。でも、最大の原因はオシッコが殆ど出ないまま過ごしたことだと自分には思えた。前日からオシッコはまったくしていない。しかし病院に着いたときは結構多めに出ていた。混乱した頭にショックが混じって、何が何だかわからなくなっていた。

先生は言った。膀胱炎の処置より腎臓の手当てを最優先させる。療養食もさることながら、腎臓に悪いメタカムの投与中止、そして何より、出来る限りの輸液の継続。病院で150ccの輸液をしてもらいその日は帰宅した。途中店に寄って少し過ごしたが家に帰ってびっくり。ケース内の尿漏れ用シートにまた大きな地図をかいていたのです。それだけじゃない、帰宅した後も殆ど垂れ流し。ニャーの歩く後には点々とオシッコが続くのでした。

開通したのか? そう思った。ニャーは微繊維の塊をウンウン唸って、いや吠えながら自力で出したのではないか。そのタイミングが、病院に行く途中だったんだ。そうとしか思えなかった。


とりあえず以前の立場に復活した"オシッコ漏らし"のニャー

結局、正月に病院に駆け込んだときの振り出しに戻ったのでした。しかし今度も正常値まで回復する保証はない。でも、オシッコが無理なく出ている今回は前回より希望が持てるような気がした。とにかく検査してよかった。ニャーが点々とこぼすオシッコを拭いて回りながら、心の中は不思議な安堵に支配されていたのでした。


コメント
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