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今日も元気で頑張るニャン

家族になった保護猫たちの日常を綴りながら、ノラ猫たちとの共存を模索するブログです。

猫愛 ~ほんわか、でもやっぱりせつない猫たちの物語・第9話~

2024年07月04日 | 猫愛 ~特選・猫たちの物語~
前話のスカーレット、感動ものですね。母猫の愛、母猫の献身がここまでのものとは。それを助けた消防隊員もすごいと思います。日本でもこのところの大雨で地域全体が冠水する災害が頻発していますが、水没地域には人間だけでなく子育て中のノラ猫母さんもきっといたはず。迫る水の中で自分だけなら逃げられても子供から離れずに人知れず命を落としたりするのだろうと思うと、自然災害とはいえ心が痛みます。

ところでこの母親の愛と献身ですが、人間だったらどうでしょうか。最近は子供の虐待など不穏なニュースばかりが目立ちますが、自分には母親の愛の強さは種族を問わず普遍のものだと思えます。人間のお母さんもスカーレットと同じように行動するに違いない。ではお父さんは? 同じに決まってますよね。

リンはスカーレットに似てるかも

さて、今回ご紹介するのはひとつの物語ではなくてテーマです。
当ブログでは最初の記事「はじめまして」以来、何度も書いてきた猫の賛歌。最近では「猫に学ぶ・partⅡ」の中で要約しています。"自分に何が起こっても後悔したり悔んだりせず"、"他者を羨むこともなく悲嘆もしない"。そして、"その状態を自分の現実として受け止める"。今回は人間には真似できないそんな猫の特性が溢れる、ハンデを持った猫たちの物語を特集しました。

自分的には佐竹さんの本になった「里山の子 さっちゃん」(NHKのモフモフでも放映された)が印象強いですが、もちろん他にもたくさんいて、Googleなどで検索すれば出てきます。今回紹介するのは自分の「お気に入り」の中から引っ張り出した6匹の子猫の物語。「初代あんよ」と「2代目あんよ」はねこけんさんのブログで、「らい」の話は晴さんのブログ「ひだまり日和」や単行本でも見ることが出来ますが、ここでは要約紹介された記事をリンクしました。他に「サエちゃん」「ハチちゃん」「元就」の話。

どれも読むと元気がでる話ばかりです。ハンデをものともせず猫生を謳歌する子猫たちはすごいけど、自分はその猫たちをサポートする人たちにも大いに感動しました。事故で瀕死の子猫を後先考えずに救おうとする。予想される(介護の)苦労をものともせずに引き取る。見栄えがいいとか手間がかからないとか、あるいは自分に懐くとか、そんな基準で猫を選ぼうとする輩には絶対に真似できないことですね。わが家の猫たちも、そんな人が里親さんになってくれたらなんて思ったりしちゃうのでした。

獣医師北澤功さんの話もリンクしておきました。身体の機能を喪失しても残った機能で生きようとする猫と、その機能を元に戻そうともがく人間。北澤さんは単に猫を神格化するのではなく、もがく人間もまた生き方なりと。確かにその人間のもがきが、新薬の開発や医療の進化につながるのですよね。



(↓2匹の「あんよ」)
(初代あんよ)
(コチビ=初代あんよ里親さん宅)
(2代目あんよ)
(らい・下半身不随の猫)
(サエちゃん・2本脚の猫)
(ハチちゃん・下半身不随の猫)
(元就・3本足の猫)
※↓獣医師・北澤功さんの話

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猫愛 ~ほんわか、でもやっぱりせつない猫たちの物語・第8話~

2024年06月17日 | 猫愛 ~特選・猫たちの物語~
前回のピーちゃんの話、すごいですね。地域の人たちと野良猫がこんなにもうまく共生することができる。佐竹さんの眼力と文章力を別にしても、まったく理想的な社会がそこにあったのです。しかも日本の中心街とも言うべき新宿に。話の中にも出てきますが、この地域には糞尿被害を訴える人も出てきます。でもいがみ合うことなく、自治体も含め徹底的に対話することで問題解決を目指すとか。やればできる。当ブログに連載している「ノラたちとの共存を目指して」にも光明を照らすお話でした。

ところで、ピーちゃんのその後情報はないかとネットで検索してみました。するとあるブログにピーちゃんの話が。ピーちゃん、少なくとも4月までは健在のようです。ということは28才になった? 地域の人たちに守られているとは言え、ノラとしては最高齢なのではないでしょうか。ノラを減らす話は捨て猫防止とTNRに任せて、今いるすべてのノラがピーちゃんのように幸せになれる社会を目指したいと、改めて思う次第です。

リン「わたしの子供たちは、オジンやソトチビに助けてもらいました」

さて今回は、「スカーレット」と名付けられた勇敢なお母さん猫の話です。30年近く前のアメリカはニューヨークで空きガレージの火事がありました。駆けつけた消防隊員が見たものは、子猫を1匹づつ火の中から運び出す母猫の姿。全身の毛が焼きただれ、視力も失った母猫は5匹の子猫を救い出すとその場に倒れてしまった。この勇敢な母猫、その後どうなったのでしょうか。

スカーレットと子猫たちはアメリカの保護団体に運ばれました。その保護団体はスカーレットの偉大な勇気をたたえて「Scarlett賞」を創設。自分の命を顧みずに勇敢な行動を取った動物に授与したそうです。元の記事は1996年のものですが、ねこちゃんホンポによって最近紹介されました。同記事にはおそらく転載制限の関係上イメージ写真しかありません。しかし記事の最後尾に出典が記されており、元の記事を併せてリンクしておきますので実際の写真はそちらをご覧ください。Googleなどで日本語に翻訳することも可能です。

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ヒョウ「わたしの子たちはオジンにひどい目に遭わされた」

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猫愛 ~ほんわか、でもやっぱりせつない猫たちの物語・第7話~

2024年02月28日 | 猫愛 ~特選・猫たちの物語~
都下を流れる多摩川の河川敷には捨て猫が絶えないのだと言います。捨てられた猫たちの過酷な運命は言わずもがな。でも前回紹介した「おじさんと河原猫」はそんな猫たちの世話をする貧しく病弱なおじさん2人と猫たちの絆を中心に展開する。

おじさんと出会えた猫たちは幸せだったけど、運命はそんな猫たちの小さな幸せすら奪うかのように、台風19号による多摩川の氾濫を引き起こしたのでした。それから年月が過ぎ静けさが戻った多摩川の河川敷には、今も捨て猫が絶えないであろうことを忘れないようにしたいと思います。

店で一時代を築いたリードの達人テンちゃん

前々回のわが子を託しに来て最後に力尽きたノラのお母さんの話、そして前回のホームレスのおじさんと捨て猫たちの話、どちらも事実を淡々と描いているだけなのに読めば何かを感じざるを得ない。それは話のテーマ自体が教条的な要素を含んでいるからです。話の裏側に見え隠れする人間の悪徳を意識せざるを得なくなる。そして、これでいいのかと訴えかけてくる。

でも、思い出してください。第4話のマリの話。佐竹さんの脚色や文章力だけではありません。哀愁とささやかな幸せ。マリだってもともとは捨て猫でした。なのにその話は教条的なものが影を潜め、掛け値なしの愛に満ちている。千鶴子さんの不変の愛です。だから読後に心がほっこりと癒される。

今回紹介するお話は再び佐竹さんの登場。今もsippoやフェリシモ猫部に連載書いてますが、どの話もひたすら猫愛に満ちている。周囲の人たちの愛があれば、ノラだってこんなにも幸せになれる。東京は新宿区の住宅街に暮らす老猫ピーちゃんのお話です。ピーちゃん、何と28才に!?


テンちゃんは佐竹さんの取材を受けたけど、病気療養のため中断した
そのとき佐竹さんのお話を伺って以来、店のスタッフは佐竹さんの大ファンになった

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猫愛 ~ほんわか、でもやっぱりせつない猫たちの物語・第6話~

2023年12月04日 | 猫愛 ~特選・猫たちの物語~
前回(第5話)の話はショッキングであると同時に、いろいろ考えさせられる話でした。自分の命に代えてでも子供たちを守る(人に託す)という母猫の決断。それは人間であっても野生動物であっても同じで、子に対する母親の思い(愛情)は命よりも重く深いものなんだと。思いを馳せるのは易し。でも実際にそういった行動に触れると、ある種の衝撃を受けてしまう。

そしてもうひとつ。ノラ猫の子育てが命がけであるということ。ただ、それは人に見護られているかいないかで天と地ほどの差がある。そして、人に見護られているノラはほんの一握りなのだということ。前回も述べましたが、洪水などの自然災害で真っ先に犠牲になるのがこういった親子なんです。こんな不幸を作り出してはならない。今いるノラたちを救うこともさることながら、ノラを生み出し続ける人間の蛮行(猫捨て)を止めさせることが先決なのだと思います。

いつもスタッフやお客さんに見守られていたレオとココ(棚下)

さて今回の話は、不幸なノラたちに手を差し伸べたおじさんのドキュメンタリーです。
それは「おじさんと河原猫」という本になりました。ご存知の方も多いと思いますが、この話は太田康介さんという写真家が多摩川に捨てられたのら猫たち、そしてそのノラたちの世話を続ける2人のおじさんと出会うことから始まります。近所で暮らす病弱のおじさんと多摩川で暮らすホームレスのおじさん。太田さんは2人のおじさんとノラたちの里親探しをする一方で、自身もノラの一匹「シロ」の里親に。

しかしそのノラたちとホームレスのおじさんに、先に述べた自然災害の悲劇が訪れる。2019年の台風19号で多摩川が氾濫。あの時、多摩川が氾濫したニュースを見て自分が真っ先に案じたのはこういった悲劇でした。それは事実となった。猫たちも、その猫たちを救おうとしたおじさんも濁流に呑み込まれそのまま行方不明に。社会的弱者の人が命を賭してまで不幸なノラたちを救おうとする。都合よく猫たちを捨てていく人間の蛮行に怒りを覚えながら、こういった人間愛に触れると、救われたような気持になるのではないでしょうか。

写真は本文とは関係ありません

今回はこの本を紹介しながら太田さんに伺った話を書き留めたsippoの記事(藤村かおり氏)の他、amazonの同本販売サイトもリンクしました。amazonのサイトには本の要約があります。(買ってほしいという意味ではありません。) また両サイトには下の関連記事(本)欄になかなか興味をそそるものがあるのも見どころ。


(いずれもクリックしてポップアップ)

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猫愛 ~ほんわか、でもやっぱりせつない猫たちの物語・第5話~

2023年07月02日 | 猫愛 ~特選・猫たちの物語~
第4話のマリの話、如何でしたか?
ほんわかと暖かくて、どこか物悲しいノラ猫マリの生涯です。マリが幸せだったことは言うまでもありません。それでも感傷的になるのは、運命に従順なれど懸命に生きるマリの生き様に心動かされるからだと思います。まあ、今回は佐竹さんの脚本の妙もあるかな。事実を淡々と連ねるだけで読み手をこれだけ感動させるのだから流石。擬人的な扱いも、佐竹さんの見立てが確かなものだからすんなりと受け入れられるのだと思います。


佐竹さんの取材を受けたけど、療養のため続けられなかったテンちゃん

さて今回は、話というよりはある出来事の紹介です。
先日の「坂上どうぶつ王国」で紹介されたのは、庭で何度かご飯をあげていた猫ちゃんがある日、目に障害のある子どもを連れて来て「この子をお願い」と。その家の人は母子猫ともに保護し、子猫の目を治してさらにはそれがきっかけで仕事を辞め、保護猫同伴専用のアパートを建築してしまったという豪快な話でした。SNSやブログでも、子供を託しに来た母猫の話を時折目にします。

5年前、リンは家裏に息子たちを連れてきた (左はソトチビ)

ノラにとって人間は怖い存在。でも頼らざるを得ない存在。とりわけ♀猫ちゃん、特に母猫にとってはそうなんですね。投稿されるのは大抵母子ともに保護したとか、子猫を保護して母猫はTNRしたとか、それがきっかけで幸せになった猫ちゃんたちの話です。子猫だけ保護したなんて投稿には、母猫はどうしたと不満やら非難っぽいコメントが続いたり・・。読み手の気持ちもわかるけど、猫育て未経験の人が母猫の願いに応えて子猫を保護するというのも立派なこと。実際には、母猫がいくらお願いしても見向いてすらもらえないことが大半だと思うので。

今回リンクしたお話(出来事)は、ワンニャンプロジェクトさんのSNS投稿をネットニュースの「ねとらば」が紹介したものです。あるお宅でご飯をもらっていたガリガリに痩せた猫ちゃんがある日、1匹ずつ咥えて5匹の子猫を連れて来て、5匹目を運んだ直後に倒れて急逝してしまった。その子猫たちの保護を依頼されたのが投稿者さんでした。命をかけて子供たちを託しに来た母猫、心が痛みます。

ハルは、Mさんに保護された直後に6匹の子を産んだ

今は水害のシーズン。被害に遭った人たちも本当に大変だけど、水没した町の片隅で子育てをしていたノラの母猫は、子猫を守りつつ人知れず命を落とすのだと。そんなことのない平和な世の中が来るよう願うばかりです。尚、前述「ねとらば」の記事の他に、参考として同様の話をGoogleで検索した結果、また以前に読んで印象的だったbear-sparkさんのブログ記事もリンクしておきます。(元はねこかますさんのYouTube「かーちゃん猫、子猫を託す」で姉妹編もあり、「ねこのきもち」などにも取り上げられて大反響となりました。)


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