キレンゲ日記

山もいいけど、
おいしいご飯が食べたいな~

2011年2月19日 赤岳

2011年02月20日 | 八ヶ岳
2011年2月19日(土)、とうとう雪の赤岳に登りました。

念願の雪の赤岳でしたが、大いに反省すべき山登りとなってしまった。


コースマップ 赤:2/19(土) 青:2/20(日)



先週は関東地方にも雪が降り、きっと八ヶ岳にも雪が積もった事だろうと思っていたところ、
移動性高気圧の影響で土曜は晴天になるとの天気予報を聞き、
『雪の赤岳に行くなら今だ!』と思って出かけました。


朝6:00ごろ美濃戸口に到着
駐車場がやけに混み合ってます。 何か、いつもと違う。



理由はコレ
美濃戸への林道が通行止めになってました。
雪上車が通せんぼしてます



林道は氷でガチガチ



でも、思ったほど寒くないです。 
昨年の12月の方が寒かったな~と思いながら林道を歩きます。  


きれいな景色


白い御小屋尾根  何かワクワクします



美濃戸はまだかいな~



やっと、美濃戸に到着



迷わず、南沢に進みます



雪で歩きやすくなった南沢コース
いつもは石がゴロゴロしてます



もうすぐ行者小屋だ



飛行機雲



行者小屋前の広場に到着



アイゼンを付け、文三郎尾根に進みます

文三郎尾根の途中から見た中岳と阿弥陀岳
雪がたくさんあります



文三郎尾根を登る
所々、クサリは出ているが、鉄網の階段は完全に雪で覆われていた。 
やわらかい雪なので歩きやすい。 氷はまったく無し。



稜線に出た~  赤岳山頂はもう直ぐ



富士山だ



そして、とうとう赤岳山頂に到着!


でも、あれ~? 誰もいません。
いつも人でいっぱいの赤岳山頂なので、何か変な感じです。


権現岳~



赤岳頂上山荘へ進む



山頂を振り返るが、やはり誰もいない



阿弥陀岳



横岳



硫黄岳方面
いや~、真っ白だ!  昨年の12月とは全然違います。
絶景です~。



天望荘まで下りて、赤岳を振り返る




地蔵尾根に進み、


また、赤岳を振り返る



・・・と、ここまでは順調な山歩きでしたが、この後、大変な思いをして下山しました。 
ほんと怖かった~
こんな怖い思いをしたのは、昨年1月に行った筑波山の”登れずの滝”以来です。


途中で写真を撮るような余裕はまったく無く、
ようやく安心できる場所まで下りたところで撮った写真がコレです。
沢筋のような場所・・・
地蔵尾根は何度も歩いた事がありますが、こんな場所なんてありません。
どうやら、バリエーション・ルートを下りてしまったようです。



コースを確認します。
赤色は今回歩いたルートで、緑色は前回(2010/12/18)歩いたルートです。


青丸で示した'地蔵尾根'の部分、やはりルートが違います。

原因は、人の踏み跡を追って下山し始めてしまった事・・


実は地蔵尾根への下り口付近、雪が一杯でルートが良くわからなかったのです。
あちこち見渡して、たまたま見つけた踏み跡に進んでしまった。

途中、何か変だぞ・・と思い、GPSで確認して
地蔵尾根の少し北側を下りている事はわかっていたのですが、
もう登り返すことも、正しい尾根に向かう事も出来ないくらいの急斜面でした。
本当は、ここで登り返すべきだったかもしれませんが、そんな体力は残ってなかった。


無事に下りられたのが不思議なくらいのルート
心の支えは、先行者の踏み跡だけ・・ 
誰かしら歩いたの跡なのだから、きっと下りられるはずだと考えてしまった。
こういうのが、遭難パターンの一つなんでしょうけどね・・・



その後、5~10mほど滑り下りるような感じの所が数箇所あったが、
アイゼンだけは雪に引っ掛けないよう注意した。
「滑り下りながら、これって、もしかして滑落じゃない?」
「いや、もう完全に滑落してる~」と思った。


幸い、先行者の下ったルートは、とてもしっかりしていた。
1箇所だけ、ルートを探した様な形跡があったが、
それ以外は確信をもって下りていった・・という感じがした。
きっと、この辺りの岩稜を知り尽くしたベテランの登山者だろう。
滑り落ちても、その先は雪に突っ込むだけで、岩や木に体をぶつけそうな場所はなかった。


必死に下りて(落ちて)、ようやく安心できた場所が、先ほどの写真を撮ったところ。
やれやれと思いましたが、今度は雪が深くて歩くのが大変でした。


行者小屋では大休止。 
もう体力を使い尽くして、歩く気力が出なかった。
楽しくテント泊の準備をする人達をボーと眺めていた。


そして、ふと斜面を見上げると、人の歩いた跡らしきものが見える。
もしかしたら、私が下りてきたルートかもしれない。
間違っているかもしれませんが、大体こんな感じのルートでした。


ひぇ~、見てるだけで怖ろしくなります。
怪我もせずに下りれて、本当に運が良かったな~。
でも一体、どこをどう間違えたのだろう。 いつか、確認しに行かねば・・。


行者小屋~赤岳鉱泉までの道のりは、とても長かった。
たぶん、1時間以上かかったと思う。
途中、足が何度かつって、少し進んではしゃがみ込みを繰り返して、何とか辿り着けた。
山を歩いている最中に足をつるなんて初めてです。



赤岳鉱泉では、「今年の八ヶ岳は雪が少ない・・」と話している人がいた。
「大同心が黒い(雪が積もってない)し、周囲の木も樹氷になっていない・・」と言っている。
あ~、そ~なんだ。 これでも雪が少ないんだ~。 
「やっぱり、厳冬期の赤岳は私には厳しいな~」と、しみじみ思った。



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翌、2月20日(日)の朝   
何となく薄く曇が広がってますが、暖かな朝です。



本当は、硫黄岳に登るつもりだったのですが、もう、そんな元気はありませんでした。
今日はすぐに下山することにしました。


北沢コースを下り、堰堤広場に到着すると、
昨日、美濃戸口で見かけた雪上車がありました。


良く見ると、この雪上車、軽トラに似てますね~
というか、軽トラそのものです。

軽トラに、ブルドーザのキャタピラをくっ付けた状態だ。



北沢コースの林道は、雪上車のおかげで、とても歩きやすくなっていた。



美濃戸山荘で休憩中に発見した、四駆型ストーブ
こんなのあったっけ?



そして、美濃戸口に到着。
今日は、車の通行止めはしてません。 チェーンを付ければ通れます。



車に乗って、出発すると、富士見パノラマ・スキー場が見えた。
スキー場の上の白くなった山が、きっと入笠山だ。
先日、ゴンドラ&スノーシューで登った山ですね。



八ヶ岳高原ラインでは鹿を見かけた。
10頭以上が、道路を横切っていった。



まきば公園では、ソフトクリームが\180円   
「寒いから~」と書いてある。 普段はたしか\350円だったかな?  



まきば公園から見た赤岳。


ここまで離れてしまうと、昨日、半泣きで下山した事など、つい忘れてしまう。

「昨日は、あそこにいたんだ。 すごいな~」と感激しながら、ソフトクリームを食べた。