リッスン・トゥ・ハー

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人権宣言

2008-08-22 | リッスン・トゥ・ハー
我ら誇り高き生き物だ。

一旦は絶滅し、人間、特に日本人によって蘇らせられたのだ。それがど
れだけ屈辱的なことなのか、想像はむずかしいかもしれないが、我らにとって人
間など最低の部類にある、最下級戦士である。それは我らがその昔自由に飛んで
いた頃、人間は地を這う虫ほどのものだった。太陽により近いものが地位の高い
ものとかんがえる。すると人間など。いつも見下して舞っていた。
時代は変わり、人間は巨大な生き物の腹の中に入ることにより空まで上がってき
た。あの巨大な神のような生き物が純真で

人間の言いなりになっているから、調子に乗り、様々な害を巻き散らしたのだ。
あの神が人間に対して怒り狂えば、人間などとるにたりない。

まあよいわ、別に今それを言ったところでどうにもならん。ようは勘違いした人
間はその勘違いを最大限に生かし、だから頭は悪くないのかもしれん、のさぼり
やがる。
自分勝手に我らの仲間を殺害し傷つけ、徐々に減ってしまった。たかが人間と油
断していたのだつまり。

やがて絶滅した。さぞかし無念であったろう。その時の心境は。
私は密かに伝え聞いたにすぎない。

さらにむしずのはしることに我らがいったん絶滅した際、その場に人間が立ち会
っており、それだけならまだしも、人間は我らの絶滅を悲しんだと言うのだ。な
んたる侮辱、人間ごとき虫ぶぜいが神聖なるコウノトリ様の絶滅を悲しむだけの
知恵がよくも備わっていたものだ。万死に値する。

悲しんだ人間はない知恵を振り絞って我々を作り上げ、再び増やし以前以上の数
にまで達した。我らも何も知らぬまま人間を母父として甘えた。

屈辱の誓いとでもよばせてもらうとする。私は間接的にその真実を知り戸惑った
。当然であろう、育てられたその相手、絶対信頼するべき人間が本当に憎むべき
相手だったのだから。

まあいい、今となってはそれもこれもどうでもいい戯言、我らは初めこそ人間の
助けを借りていたが徐々に勢力を増し、昔の状態に戻り、さらにそれ以上、知能
など、人間による改良を加えられて、人間は我らの真の知能を知らないようで
あるが、再び絶滅しないようにより賢い品種を作り上げたのだ。

さて今、我らは立ち上がるべき時がきたのだ。
同士よ、その中に流れる血は、人間によって生産されたものかもしれない。
しかし、この記憶、コウノトリとしての誇りを忘れてはならぬ。
立ち上がるのだ。立ち上がるのだ。立ち上がるのだ。


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