稲の穂が緑の首を垂れる頃・・・
彼岸花の蕾が綻びかけて・・・
翌週訪れたときには満開になっていました。
ヒガンバナ(ヒガンバナ科ヒガンバナ属)
中国大陸から有史以前に渡来した、史前帰化植物です。
彼岸の頃に咲くことから、お墓やお寺などに植えられた他、鱗茎に毒を含むことから、モグラ対策に田んぼの畦にも沢山植えられました。
別名の曼殊沙華はサンスクリット語の「赤い花」の意だそうです。
お釈迦様が法華経を説かれた際、天から降った4つの花のひとつであり、仏教に深い縁のある植物です。
真っ赤な花は遠くからでも良く目立ち、咲き始めるとすぐに分かります。
定番の畦道だけではなく、歩道やマンションの植え込み、宇治川の堤防など、なぜこんな場所に?と思うこともしばしば。
種はできず、鱗茎の破片で増えるそうですが、足があるわけではないのに、どうしてこんなに広がったのか・・・
想像ですが、宇治川の河川敷の花などは、ダムの放流で運ばれた土砂に鱗茎が含まれていたのではないかと。
(タマスダレやゼフィランサスなども同じだと思います)
それにしても、びっくりするくらい密集して咲きますよね。
別の日、近くの緑道に久しぶりに行ってみると、なんと白いヒガンバナが満開になっていました。
こちらはシロバナマンジュシャゲと呼ばれる、ヒガンバナの白花品種です。
九州の方では自生しているそうですので、赤い花同様に繁殖力は強いのでしょうね~
白といっても純白ではなく少しクリーム色がかっています。
中には一部ピンク色が混じっているものも・・・
こちらはたぶん植栽されたのでしょう。
花は6弁花が6個輪生し、それぞれの花から長い6本の雄蕊と1本のめしべが伸びています。
なんとも華麗な作りですね!
ここでは普通のヒガンバナは少数派ですが、こんなコラボも・・・
子供のころは、「ヒガンバナはお墓に生える縁起の悪い花やから、持って帰ったらあかん」
と亡き母にきつく言われていました。
おそらく強い毒があるからそのような注意をしていたのでしょうね。
今は、あちこちの農村でヒガンバナと田んぼの光景が風物詩となっています。
地元の田んぼは住宅地に囲まれた狭い地域なのでそこまではいきませんが、やはり毎年開花が楽しみです。
最後はそんな田んぼでみた他の花たちを少しだけ。
オクラの花。
ヒレタゴボウ。最近は田畑の雑草として嫌われているようで、ほとんど刈られていました。
ことし初見のオモダカです。
今の時期に見られるとは思っていなかったので、ちょっと嬉しい。
耕された畑に沢山のムクドリが降り立って・・・
虫を食べているのでしょうか。
ということで、今年のヒガンバナ/曼殊沙華、皆さんの地域ではどうでしたか?
【撮影:2021/9中旬 宇治市】