goo

第190回国会冒頭の動き

今回は、第190回国会冒頭の動きで、既に決定している分についてお知らせしたいと思います。

久々に召集される国会冒頭の動きを紹介することで、政治に少しでも興味を持っていただけるきっかけになれば、とても嬉しいです。

ただ、単なる国会日程の説明ではなく、これまでに紹介した国会ルールを含めた形(リンク部分)をとりたいと思います。

といいつつ、私自身がこれまで何を書いてきたのかの復習を兼ねています・・。そこで、久々にカレンダーをつくってみました。



まず、国会召集日の1月4日は、衆参両院で院の構成を確定するための1回目の本会議が10時と12時に開会されます。その後、本会議で設置が議決された特別委員会を開会し、委員長互選と理事の選任が行われます。

13時からは参議院議場で開会式です。

総理の外交報告と財務相の財政演説は、衆院で14時、参院で14時半予定でそれぞれ2回目の本会議が開会されて召集日は散会です。

これらの演説に対する本会議での代表質問は、1日空けて1月6日から衆議院で行われます。なぜ、1日空けて行うのかについては、政府4演説の例に倣っているからです。

そして、1月6日には、臨時会を召集しなかったことにより発生した、欠員中のものを含む国会同意人事案が、衆参の議院運営委員会理事会で同時刻に提示されることとなっています。

同意人事、特に今回は立法権と行政権の関係から気になる事象がありますので、機会があれば思うところを書いてみたいと思います。

1月7日は、参議院で代表質問が行われますが、衆参ともにこの代表質問にはTV中継が入ります

ここまでが第190回国会冒頭で、確定している動きです。

それにしても、来年からどんなことを書いていこうか、少し考え込んでいます。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

現在の会派と所属議員数

第190回国会は、平成28年1月4日の召集のため、国会内は普段の年末年始と異なり、慌ただしい雰囲気です。

12月14日には、衆参の議院運営委員会理事会に官房長官が常会召集の伝達に出席し、その後、衆参の議運理事会で召集に向けた協議が行われてきました。

衆参で手続きの過程にちょっとした違いがあり、衆議院は12月18日の議運理事会で年内の協議を全て終わりましたが、参議院は12月25日まで断続的に議運理事会が開会されました。

これらの結果、衆参ともに、常会での会派と所属議員数が確定しました。

詳細は、下記のグラフ(筆者作成)をご覧いただければ幸いですが、注目すべきは、下記の点ではないでしょうか。

○衆議院:与党第一党の割合が圧倒的に高い点、統一会派を組んでも野党第一会派の割合が相対的に低い点
○参議院:会派の数がとにかく多い点、与党第一党が過半数の議席を有していない点
                  
              衆議院の会派と所属議員数(平成27年12月22日現在)
                  
              参議院の会派と所属議員数(平成27年12月26日現在)

平成28年7月にも予定される参院選に向けて、そのうちまた変動があるんでしょうね。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

国会回数の内訳

これまで、「国会の召集-その1」から「国会の召集-その4」で召集に向けた流れを概観してきました。

9日後の1月4日には、第190回国会が召集されますが、その内訳について見てみたいと思います。

まず、このブログを始めたばかりの時期に「通常国会の召集時期と回数」で、昭和22年5月20日初めて召集された国会を「第一回国会」と呼び、以降は、常会、臨時会、特別会を問わず、会期ごとに順次回数を追って第何回国会と呼ばれていることを紹介しました。

もうすぐ召集される国会が190回目、ということになりますが、常会、臨時会、特別会の内訳は、下記のとおりです。

○常会  66回
○臨時会 100回
○特別会 24回

1月4日の召集というのは、平成4年に常会召集が1月になってから、最も早い召集です。

というわけで(?)、召集が早かった例と遅かったこれまでの例を見てみます。

召集が早かった例

平成21年: 1月5日召集
平成10年: 1月12日召集
平成20年、平成22年: 1月18日召集

召集が遅かった例

平成6年、平成13年: 1月31日召集

いずれにしても、1月4日召集だと、関係各所、特に事務局は大変ですね・・。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

国会の召集-その4

○衆議院規則第14条、参議院規則第14条

議員の議席は、毎会期の始めに議長がこれを定める。但し、必要があるときは、これを変更することができる。
議席には、号数及び氏名標を附する


国会の召集-その3」において、それぞれの議場に集会した議員は、あらかじめ指定された仮議席に着くことを紹介しました。

召集日の本会議では、議員の議席の指定から始まります。

ただし、議長・副議長が欠けている場合は、院の構成の基本ですから、議事日程として議長・副議長の選挙が優先されます。

その後、議院の院の構成に関する議事、たとえば、国会役員の辞任及び選任、特別委員会の設置等が行われます。

具体的に、平成28年1月4日召集日の議事案件、参議院の場合を見てみます。

[第190回国会召集日の議事案件]

○議席の指定
○元議員逝去につき哀悼の件
○常任委員長辞任・選挙
○特別委員会設置の件
○情報監視審査会委員辞任・選任

--休憩(この間、衆議院本会議、開会式など)--

○国務大臣の報告及び演説に関する件


なお、臨時会の召集日には会期の議決、特別会の召集日には会期の議決及び内閣総理大臣の指名を行います。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

国会の召集-その3

○衆議院規則第1条

議員は、召集詔書に指定された期日の議長が定めた時刻に、衆議院に集会しなければならない。
※第185回国会で改正され、第186回国会から適用

○参議院規則第1条

議員は、召集詔書に指定された期日の午前10時に、参議院に集会しなければならない。


議員は、召集詔書に指定された期日に各議院に集会しなければなりません。

「集会」するとは、両議院の議員がそれぞれの議場(本会議場)に集合し、あらかじめ指定された仮議席に着くことです。

衆参のちょっとした違いシリーズ(不定期)では、衆参の本会議の定刻と定例日について紹介しました。

衆参のちょっとした違い(本会議-その1)」に衆参本会議の定刻と定例日について書いていますが、「衆参のちょっとした違い(本会議-その3)」では、本会議前に鳴る電鈴(ベル音)の鳴動と間隔の違いも紹介していますので、よろしければ併せてご覧ください。

本題に戻ります。

参議院は、本会議開会の定刻が10時と定められ、召集日の本会議も午前10時に開会されています。

衆議院の場合、召集日の本会議は、衆議院規則第1条改正前までは、衆議院公報上、午前10時を開会時刻としていましたが、第186回国会以降、公報時刻=実際の集会時刻となっています。

ちなみに、開会式が13時になるケースが多いため、召集日の衆議院本会議は、12時となるケースが多くなっています。事実、平成28年1月4日の衆議院本会議も12時開会、そして開会式は13時で決定しています。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

国会の召集-その2

○国会法第1条

国会の召集詔書は、集会の期日を定めて、これを公布する。

常会の召集詔書は、少なくとも10日前にこれを公布しなければならない。
臨時会及び特別会の召集詔書の公布は、前項によることを要しない。

○国会法第2条

常会は、毎年1月中に召集するのを常例とする。


国会の召集は、詔書の形式で行われます。

召集詔書には、国会法第1条の規定のとおり、集会の期日が明記されています。また、その公布は、官報をもって行われています。
           
          
平成28年1月4日に常会が召集されることとなりましたが、召集詔書の本文は、下記のとおりです。

詔 書
日本国憲法第7条及び第52条並びに国会法第1条及び第2条によって、平成28年1月4日に、国会の常会を東京に召集する。
                      
臨時会及び特別会の召集詔書は、常会の場合と異なり公布期限の定めはありませんが、前例によれば、召集日の3~23日前に公布されています。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

国会の召集-その1

○日本国憲法第7条

天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。

一 憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。
二 国会を召集すること。(以下略)


国会の召集は、日本国憲法が定める天皇の国事行為のひとつです。

よって、国会の召集は、内閣の助言と承認に基づいて天皇が行いますが、国会を召集するかどうか、また国会をいつ召集するかについての実質的な決定権は内閣にあります。

というわけで、先日、「臨時会の召集-その1」で紹介しましたが、国会をいつ召集するか、という実質的権限が行政権である内閣にあるため、日本国憲法第53条に基づく臨時会の召集要求を半ば無視することも可能となってしまったのです。

国会の召集は、衆参両院議員に対し、一定の期日に各議院に集会することを命ずる行為であり、国会は召集によって会期が開始し、活動能力を取得します。

ちなみに、明治憲法下においては、帝国議会は召集されただけでは直ちに活動能力を取得できず、議員が所定の期日に議院に集会し、議席の指定等、議院が活動するために必要な準備行為を完了すること、開院式において天皇が開会を命じることによって初めて活動能力を取得することとされていました。

次の国会(常会)は、平成28年1月4日、ようやく召集されます。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

臨時会召集要求の回数

気合いを入れてブログを再開したつもりでしたが、気を抜くと、すぐに更新の間隔が空いてしまい、反省です。

というわけで(?)、次のテーマに入る前に、ちょっとした雑学です。

結局、来年冒頭、常会の召集が決定されましたので、平成27年は、国会の長い歴史の中で、1年に一度しか国会が開かれなかった年として、後世に残ることとなってしまいました。

日本国憲法第53条に基づく、臨時会の召集要求を、行政権である内閣が無視したことによるものです。

そこで、これまで内閣に対して臨時会召集要求を行ったことが何回あるのか、参議院での事例を見てみます。

参議院では、これまで29回あります。

もちろん、衆参両院で要求する場合や衆参のどちらかの院だけで要求した場合もあります。ちなみに、参議院のみで要求したのは、昭和61年の中曽根内閣、平成25年の安倍内閣の2回です。

次に、召集要求から次の国会召集までの期間が長かった例と、短かった例を紹介します。

召集要求から次の国会召集までの期間が長かった例

174日間:昭和45年(佐藤内閣)
121日間:昭和32年(岸内閣)

召集要求から次の国会召集までの期間が短かった例

6日間:昭和61年(中曽根内閣)
8日間:昭和52年(福田内閣)
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

現在の院の構成における問題点-その2

○衆議院規則第38条

(前項略)委員長に事故があるときは、理事が委員長の職務を行う。

○参議院規則第31条

(前項略)委員長に事故があるとき、又は委員長が欠けたときは、理事がその職務を行う。(以下略)


10月初旬の内閣改造を経ながら、長期間国会が開かれないことの問題点について、院の構成という観点から、前回は、立法権である国会と行政権である内閣、双方に立場を持つという、本来あってはならない事例を紹介しました。

今回は、この問題が、委員長だけにとどまらないという観点から、事例を紹介したいと思います。

ついでに紹介しますと、常任委員長が欠けている期間は、平成に入ってから最長記録です。なんともはや・・。

上記で紹介した、衆参両院の議院規則は、委員長に事故があるとき、もしくは欠けたときの事態について規定しています。つまり、委員会を代表する委員長に事故があるとき等は、理事が委員長代理として、その職務を行うとするものです。

さて、現在は、常任委員長が欠けているのみならず、委員会の理事についても欠けている事例が散見されます。

これは、衆参によって、多少傾向が異なります。

なぜならば、衆議院の現在の定数は475ですが、参議院の現在の定数は242です。他方で、国会法第41条の定めにより、常任委員会の数は、衆参ともに同数の17委員会です。

つまり、衆参両院の議員定数には2倍近くの差がありながら、常任委員会の数は同一です。つまり、一委員会あたり、常任委員長は一人であっても、理事の配分は、衆議院より参議院が小さくなります。

たとえば、衆議院の常任委員会の与党理事が5人だったとしても、参議院の場合は2人、という具合です。

そこで、本題に戻ります。

参議院の常任委員会においては、10月の内閣改造により、与党理事全員が政府入りしたことにより、与党理事が誰もいない状態になってしまった委員会がありました。

現在も、幾つかの委員会で閉会中審査が行われていますが、委員会を開会するためには、与野党の筆頭理事による、いわゆる筆頭間協議が重要となります。

にもかかわらず、その時点では理事がいないため、理事予定者が理事の代理をしたものの、充分な事前協議ができず、結局、予定された時刻に委員会が開会できない事態に陥るなど、混乱がありました。

もちろん、閉会中といえど、委員会を開会すれば、理事は選任できますが、委員会開会に向けての協議時点で理事が不在だったことは動かし難い事実であり、それが十分に機能しなかったのであれば、院の構成を確定させるためにも、内閣改造から日を置かずして、臨時会はやはり召集されるべきだった、といえるのではないでしょうか。

(例外として衆議院議院運営委員会の理事は、閉会中委員会を開かなくとも選任可能)
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

現在の院の構成における問題点-その1

○国会法第16条

各議院の役員は、次の通りとする。
一 議長 二 副議長 三 仮議長 四 常任委員長 五 事務総長

○国会法第31条

役員は、特に法律の定めのある場合を除いては、国又は地方公共団体の公務員と兼ねることができない。(以下略)

平成27年10月7日の内閣改造に伴い、衆議院においても、参議院においても、数人の常任委員長が大臣や副大臣に就任しました。

以前、「国会役員とは」のエントリーで紹介しましたが、常任委員長は、国会法第16条の定めのとおり、国会役員です。

他方、特別委員長は、国会役員ではありません。今回は、この点に着目した国会ルールを紹介したいと思います。

参議院の例で見てみると、大臣に就任した常任委員長が2名、副大臣に就任した特別委員長が1名です。

ここで、国会法を見てみます。

国会法第31条は、役員は、国の公務員と兼ねることはできない、と規定しています。よって、役員たる常任委員長は、大臣と役員を兼ねることができませんので、ただちに辞任する必要があるのです。

国会法第30条の規定により、閉会中においては議長の許可があれば辞任することはできますが、閉会中に新たな常任委員長を補欠選任する方法はありません。

一方、特別委員長は役員ではありませんし、院の会議=本会議で選任される常任委員長と異なり、国会法第45条の規定に基づき、特別委員会委員の互選により選出されているため、当該議員が辞任願を出したところで委員会を開かない限り、辞められないのです。

○衆議院規則第102条

特別委員長の辞任は、その委員会がこれを決する。

○参議院規則第80条

(前項略)特別委員長の辞任は、委員会がこれを許可する。

よって、副大臣に就任した特別委員長に関しては、当該省庁と官邸のWebページには副大臣として、参議院のWebページには、今も特別委員長として、掲載されたままの状態が続いており、日本国憲法における三権分立の観点から見ると、異常な状態であると指摘せざるを得ません。

行政権は内閣改造により体制を新たにした一方、立法権である国会は、院の構成が尋常ではない状態が続いているのです。

立法権は、行政権の下請けではありません。
議会人のひとりとして、少なくとも私にとっては、哀しい状態が続いています。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

会派の数と名称問題

前回のエントリーで予告した、現状の院の構成における問題点に入る前に、現在の会派の数について振り返っておきたいと思います。

まず、「会派」については、「師走の永田町-その2(統一会派)」で紹介しましたが、議院内で活動を共にしようとする議員の団体であって、2人以上の議員で結成できます。

会派の多くは、政党単位や政党を中心として結成されています。

そして、「師走の永田町-その3(議員控室)」では、参議院の会派の数が多くて大変・・とも紹介しました。なお、衆議院においても、その後、会派の数が増えています。       
            

現在、参議院には12(!)もの会派が存在しています。これまでで、同一時期に会派の数が最も多かったのは、現在と同じ12会派で、平成24年12月以来のことです。

二番目に多かったのは、11会派で、過去に4回の事例があります。

一方、会派の数が最も少なかったのは、5会派で、昭和30年11月、平成16年7月、平成19年10月、平成21年9月です。

そして、会派の名称に着目してみると、現在、「維新の党」と「維新の党(参議院)」と似通った2つの会派が存在していますが、昭和20年代にも似通った会派名が存在したことはあります。

ただし、昭和20年代と現在で大きく違うのは、前者は、今回と同様、政党分裂に伴うものでしたが、合意のうえでの会派名の類似でした。

現在の会派名類似は、政党から除名された議員が、会派代表を務めており、政党人としては正当性を失ったともいえる会派代表者が、除名されていない議員5名の退会届を提出したことに依るものでした。

もちろん、政党と会派の考え方は整理する必要があるでしょう。あくまで、会派は、議院内を活動の単位とするからです。

しかしながら、今回分裂した「維新の党」の政党名と会派名は同一であり、当時、会派所属議員全員が、維新の党所属議員でした。

会派名称等の考え方については、多方面から検討する時期にきているのかもしれませんね。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

閉会中審査

○参議院先例録134

委員会及び調査会が閉会中もなお審査又は調査を行うには、議院の議決を要する

常任委員会、特別委員会及び調査会から、特定の案件について閉会中もなお審査又は調査を行うため、継続審査又は継続調査の要求書が提出されたときは、議長は、まずその取扱いについて議院運営委員会理事会に諮った後、議院の会議においてこれを議決する。(以下略)


12月に入ってから、衆参の幾つかの委員会では、閉会中審査が行われています。

国会が閉会中の状態であるにも関わらず、なぜ委員会が開会できるのか、を今回紹介したいと思います。

第189回国会は、平成27年9月27日に閉会しましたが、会期末処理は9月25日に行われました

その際、委員会や参議院の調査会では、会期末を迎えるにあたって、どの委員会等も、下記のようなくだりで手続きをとっています。

委員長
「継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。○○に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。」


異議なしで決した後、先例に基づき、委員長等が議長に対して継続調査の要求書を提出します。これらが議院運営委員会理事会に諮られた後、議院の会議=本会議で議決されています。

よって、現在、未だに臨時会が開かれていない状況、つまり閉会中の状態が続いていますが、各委員会は閉会中でも審査を行うことができているのです。

ただ、10月7日の内閣改造後、国会が一度も召集されていないため、立法権である国会においては、衆参ともに院の構成が確定しないまま、閉会中審査が行われています。

というわけで、次回は、院の構成という観点から、国会ルールを紹介してみたいと思います。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

師走の永田町-その3(議員控室)

○参議院先例録112

議員控室は、各会派の所属議員数に応じて各会派に割り当てる

議員控室は、議長があらかじめ議院運営委員会理事会に諮って、各会派の所属議員数に応じて各会派にこれを割り当てる。なお、会派に属しない議員については全員につき共用の室を割り当てるのを例とする。


前回前々回のエントリーで紹介したとおり、現在、議員の政党間移動があったり、統一会派の動きがあったりと、会派の数や所属議員数が確定しない状態が、あと少しだけ続くことになります。

さすが、師走の永田町。

それはさておき、臨時会が開かれぬまま、来年冒頭から常会が開かれる様相を呈してきましたので、再来週中には会派の数が確定することになると見込まれます。

なぜならば、会派と所属議員数が確定しない限り、会派ごとに割り当てていくもの、たとえば、常任委員の数等が決められないからです。

会派数と所属議員が確定すれば、国会召集に向けて、決めなければならないことが多くあり、その中に、議員控室があります。

議員控室とは、議員が、登院後本会議等に出席するまでの間、待機をしたり、各会派から当日の本会議の内容やを聞いたりするために集まる場所のことです。

議員控室は、議員総会を開いたり、各会派の国会対策委員会や政策審議会を開いたりするためにも用いられていますので、各会派に割り当てられた会議室であり、事務室であるといえます。

ちなみに、議員控室は、衆参両院とも議事堂本館に設けられています。

議員控室の各会派への割り当ては、各会派の所属議員数に応じて行われるのですが、会派の数が多いと、議事堂本館のスペースには限りがあるため、場所を確保するのは一苦労です。
            
               衆議院の会派/衆議院Webページより12月8日キャプチャ
            
               参議院の会派/参議院Webページより12月8日キャプチャ

特に、参議院は会派の数が多いので、色々と大変でしょうね。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

師走の永田町-その2(統一会派)

今年の師走の永田町は、「統一会派」という言葉が飛び交っています。

先月は、「解党」や「新党」も随分頻出していましたが、今はもっぱら「統一会派」です。

そこで、まず、「会派」について簡単に紹介したいと思います。

会派とは、議院内で活動を共にしようとする議員の団体であって、院内団体とも呼ばれます。

会派は、2人以上の議員で結成できますが、多くは政党単位や政党を中心として結成されています。

そして、衆参で多少の違いはありますが、議院の運営上、会派別に割り当てて行うことが適当な事項については、会派所属議員数に比例して割り当てられています。

たとえば、常任委員会の委員数や、委員長及び理事等の選任は、所属議員数に比例して各会派に割り当てる、最たるもののひとつです。

また、所属議員数に応じた会派別割り当ては、これら人事案件のほかに、委員会等の質疑時間、議員控室など多岐にわたります。

議院の運営が、会派を中心として行われるためですが、そこでは会派所属議員数が基準となるため、少数会派の議員や会派に属さない議員の活動の場は、多数会派の議員より狭くなっているのが現状です。よって、会派の所属議員数は、院の運営上大きな意味を持つのです。

今、話題となっている「統一会派」とは、複数の政党が1つの会派を組むことです。

統一会派を結成することにより、会派の所属議員数は増えるため、院内における存在感を高めることには繋がりますが、少数側の存在感が低下するのではないか、とか、政策面での考え方が本当に一致しているのか、といった懸念があるのも事実です。

はてさて、どうなることやら。注意深く、推移を見守っていきたいと思います。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

師走の永田町-その1(政党交付金)

○政党助成法第5条

政党交付金の交付を受けようとする政党は、その年の1月1日(同日が前年において行われた総選挙又は通常選挙に係る次条第1項の選挙基準日前にある場合には、当該選挙基準日とする。以下「基準日」という。)現在における次に掲げる事項を、基準日の翌日から起算して15日以内に、総務大臣に届け出なければならない。(以下略)

早いもので、あっという間に12月です。

ブログの更新(不定期)再開を宣言しながら、全くもって更新が滞りがちで、反省です。

ところで、永田町の年末の風物詩(?)のひとつに、議員の政党間移動が挙げられるのですが、今年も少し動きがありそうです。

といっても、今年は今のところ、政党間移動よりも、「統一会派」問題に焦点が絞られていますので、報道ではそれほど取り上げられていませんが、なぜ、年末に新党結成が盛んだったり、議員の政党間移動が多くなったりするのでしょうか。

これは、政党交付金の交付要件が大きく関係しており、1月1日現在が基準となって、政党交付金の支給が決定するためです。

というわけで、少数政党や新党にとっては、国会議員5人以上等の政党要件を満たすため、それこそ東奔西走することになるのです。

少数政党が乱立している現状に鑑みると、議会のコスト等、個人的に色々と思うところはありますけどね。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする