〇日本国憲法第45条
衆議院議員の任期は、4年とする。但し、衆議院解散の場合には、その期間満了前に終了する。
〇公職選挙法第31条(抜粋)
衆議院議員の任期満了に因る総選挙は、議員の任期が終る日の前30日以内に行う。
2 前項の規定により総選挙を行うべき期間が国会開会中又は国会閉会の日から23日以内にかかる場合においては、その総選挙は、国会閉会の日から24日以後30日以内に行う。
3 衆議院の解散に因る衆議院議員の総選挙は、解散の日から40日以内に行う。
憲法第45条は、衆院議員の任期を4年とし、解散の場合には、その期間前に任期が終了することを定めています。これまで、任期満了選挙は昭和51(1976)年に一度行われていますが、憲法に規定される衆院議員の任期は超えていません。
令和3(2021)年9月7日現在、衆院議員の任期満了が10月21日となっていますが、現職首相が9月3日に退陣を表明し、今後、最大政党の総裁選に突入することとなり、「憲政の常道」とされる任期満了前の総選挙が厳しくなっている見方が大勢を占めています。
そこで今回は、公選法第31条第1項から第3項の規定に基づき、その規定の趣旨と考えられる選挙日程について概観したいと思います。
まず、衆院議員の任期満了(10月21日)に向けて想定されるパターンは、公選法第31条第1項から第3項の規定に基づき、3つあります。
1.任期満了選挙(公選法第31条第1項)
任期満了の前30日以内に行う=9月21日以降に行う
2.任期満了選挙(公選法第31条第2項)
任期満了の53日以内に国会が開会されていれば閉会から24日~30日以内に行う
=今回の場合、任期満了の53日以内は8月29日(日)以降であり、8月29日以降に国会が開会すれば、その国会閉会から24日~30日以内に行う
3.解散(公選法第31条第3項)
解散から40日以内に行う
上記1~3のパターンで考えられる日程は下記に記したいと思いますが、その前に、公選法第31条第1項と第2項の任期満了選挙について考えたいと思います。
憲法第45条は衆院議員の任期を4年と定めており、議員の任期満了の日まで会期を設けることは可能です。
よって、第1項に規定する任期満了による総選挙の原則を貫くときは、国会開会中に総選挙の公示がなされ、あるいは、国会開会中に総選挙が執行されることとなります。
この場合、現に在職中の議員は、その議員としての職責を果たすためには選挙運動ができず、選挙運動に専念すれば議員としての職責が果たせなくなるという不都合な事態が生ずるため、これを避けるのが第2項の趣旨です。
つまり、任期満了直前まで立法府の議員=衆院議員として仕事ができるようにするための規定であって、今回のように最大政党の総裁選の都合で使うことを念頭に規定されたものではありません。
であるならば、コロナ禍において、せめて、現に憲法第53条に基づく臨時会の召集要求が出されていることから、ただちに臨時会を召集して、国民のための議論を国会で行うのが筋ではないでしょうか。
[衆院議員の任期満了(10月21日)に向けて想定される日程]
※選挙期日(投票日)は日曜日限定、公示はその12日前に限定の場合
(1)任期満了選挙(公選法31条1項)任期満了の前30日以内=9月21日以降
9月14日(火)公示、9月26日(日)投票
9月21日(火)公示、10月3日(日)投票
9月28日(火)公示、10月10日(日)投票
10月5日(火)公示、10月17日(日)投票
(2)任期満了選挙(公選法31条2項)任期満了の53日以内に国会開会なら閉会から24~30日以内
=8月29(日)以降に開会すれば閉会から24~30日以内
どこかで召集し、10月21日に閉会の会期であれば、
11月2日(火)公示、11月14日(日)投票
(3)解散(公選法31条3項)解散から40日以内
総裁選後、10月上旬に召集、10月4日までに解散した場合、
10月26日(火)公示、11月7日(日)投票
10月5日以降、10月11日までに解散した場合、
11月2日(火)公示、11月14日(日)投票
10月12日以降、10月18日までに解散した場合、
11月9日(火)公示、11月21日(日)投票
10月19日以降、10月21日までに解散した場合、
11月16日(火)公示、11月28日(日)投票=最遅
衆議院議員の任期は、4年とする。但し、衆議院解散の場合には、その期間満了前に終了する。
〇公職選挙法第31条(抜粋)
衆議院議員の任期満了に因る総選挙は、議員の任期が終る日の前30日以内に行う。
2 前項の規定により総選挙を行うべき期間が国会開会中又は国会閉会の日から23日以内にかかる場合においては、その総選挙は、国会閉会の日から24日以後30日以内に行う。
3 衆議院の解散に因る衆議院議員の総選挙は、解散の日から40日以内に行う。
憲法第45条は、衆院議員の任期を4年とし、解散の場合には、その期間前に任期が終了することを定めています。これまで、任期満了選挙は昭和51(1976)年に一度行われていますが、憲法に規定される衆院議員の任期は超えていません。
令和3(2021)年9月7日現在、衆院議員の任期満了が10月21日となっていますが、現職首相が9月3日に退陣を表明し、今後、最大政党の総裁選に突入することとなり、「憲政の常道」とされる任期満了前の総選挙が厳しくなっている見方が大勢を占めています。
そこで今回は、公選法第31条第1項から第3項の規定に基づき、その規定の趣旨と考えられる選挙日程について概観したいと思います。
まず、衆院議員の任期満了(10月21日)に向けて想定されるパターンは、公選法第31条第1項から第3項の規定に基づき、3つあります。
1.任期満了選挙(公選法第31条第1項)
任期満了の前30日以内に行う=9月21日以降に行う
2.任期満了選挙(公選法第31条第2項)
任期満了の53日以内に国会が開会されていれば閉会から24日~30日以内に行う
=今回の場合、任期満了の53日以内は8月29日(日)以降であり、8月29日以降に国会が開会すれば、その国会閉会から24日~30日以内に行う
3.解散(公選法第31条第3項)
解散から40日以内に行う
上記1~3のパターンで考えられる日程は下記に記したいと思いますが、その前に、公選法第31条第1項と第2項の任期満了選挙について考えたいと思います。
憲法第45条は衆院議員の任期を4年と定めており、議員の任期満了の日まで会期を設けることは可能です。
よって、第1項に規定する任期満了による総選挙の原則を貫くときは、国会開会中に総選挙の公示がなされ、あるいは、国会開会中に総選挙が執行されることとなります。
この場合、現に在職中の議員は、その議員としての職責を果たすためには選挙運動ができず、選挙運動に専念すれば議員としての職責が果たせなくなるという不都合な事態が生ずるため、これを避けるのが第2項の趣旨です。
つまり、任期満了直前まで立法府の議員=衆院議員として仕事ができるようにするための規定であって、今回のように最大政党の総裁選の都合で使うことを念頭に規定されたものではありません。
であるならば、コロナ禍において、せめて、現に憲法第53条に基づく臨時会の召集要求が出されていることから、ただちに臨時会を召集して、国民のための議論を国会で行うのが筋ではないでしょうか。
[衆院議員の任期満了(10月21日)に向けて想定される日程]
※選挙期日(投票日)は日曜日限定、公示はその12日前に限定の場合
(1)任期満了選挙(公選法31条1項)任期満了の前30日以内=9月21日以降
9月14日(火)公示、9月26日(日)投票
9月21日(火)公示、10月3日(日)投票
9月28日(火)公示、10月10日(日)投票
10月5日(火)公示、10月17日(日)投票
(2)任期満了選挙(公選法31条2項)任期満了の53日以内に国会開会なら閉会から24~30日以内
=8月29(日)以降に開会すれば閉会から24~30日以内
どこかで召集し、10月21日に閉会の会期であれば、
11月2日(火)公示、11月14日(日)投票
(3)解散(公選法31条3項)解散から40日以内
総裁選後、10月上旬に召集、10月4日までに解散した場合、
10月26日(火)公示、11月7日(日)投票
10月5日以降、10月11日までに解散した場合、
11月2日(火)公示、11月14日(日)投票
10月12日以降、10月18日までに解散した場合、
11月9日(火)公示、11月21日(日)投票
10月19日以降、10月21日までに解散した場合、
11月16日(火)公示、11月28日(日)投票=最遅