議会雑感

国会のルールや決まりごとなど、議会人が備忘録を兼ねて記します。

臨時会の延長-その1

2016-11-28 | 国会ルール
○国会法第12条

国会の会期は、両議院一致の議決で、これを延長することができる。
会期の延長は、常会にあつては1回、特別会及び臨時会にあつては2回を超えてはならない。

第192臨時会は、平成28年9月26日に召集され、会期は11月30日までの66日間です。

しかし、平成28年11月28日夕刻、与党から衆参両院議長に対し、12月14日までの14日間の会期延長の申入れがなされました。

その後、17時から衆議院の議院運営委員会理事会が、17時40分から参議院の議院運営委員会理事会がそれぞれ開会され、会期延長申入れ報告と会期延長協議が行われました。

『会期延長に関する申し入れ』

本会期も来る11月30日を以て終了いたしますが、議案の審議状況に鑑み、会期を12月1日より、12月14日まで14日間延長せられるよう議長においてお取計らい願い度く、右申し入れます。

平成28年11月28日 自由民主党・無所属の会幹事長、公明党幹事長

会期延長のための議決は、11月29日に行われることになりますが、与野党で意見が一致しない見込みです。

会期延長手続きについては、1年以上前に一度紹介したことがありますが、今回の会期延長を受けて、次回改めて紹介したいと思います。

国会演説-その3

2016-11-08 | 国会雑学
更新がすっかり滞ってしまい、反省です。
書きたいことはたくさんありますし、思うこともたくさんあるのですが、気力がついていかないのです。

少しずつでも更新を再開していきたいと思いますが、国会議員も国会事務局(特に幹部)も、国権の最高機関をともに担う一員として顧みるべきことが多いのではないか、と痛切に感じることの多い今日この頃です。

平成28年11月8日、参議院本会議場において国会演説が行われました。

今回は、11月6日から11月9日の日程で、ナザルバエフ・カザフスタン大統領が来日していることに伴う国会演説です。
            
                   参議院インターネット審議中継よりキャプチャ

今回の国会演説は、今年の2月29日、エルシーシ・エジプト大統領が、衆議院本会議場で演説を行って以来、40回目でした。国会演説は、衆参の本会議場を交互に使用しますので、次回の国会演説は、衆議院本会議場で行われることになります。

「国会演説-その1」でも紹介しましたが、国会演説で最も多い国は、韓国の4回です。

4回:韓国(国賓)
3回:米国(国賓2回、公式実務1回)、中国(公賓2回、国会賓客1回)
2回:イタリア、インド、フランス、モンゴル、ドイツ、ブラジル、ベトナム
1回:アルゼンチン、カナダ、イギリス、ソ連、ペルー、メキシコ、イラン、ブータン王国、エジプト


ちなみに、今回のナザルバエフ・カザフスタン大統領は前回のエルシーシ・エジプト大統領と同様、公式実務訪問賓客です。

今回の国会演説は、核兵器廃絶に向けて唯一の被爆国である日本とともに世界に訴えようという演説でした。なお、日本とカザフスタンは、来年外交関係樹立25周年を迎えます。