議会雑感

国会のルールや決まりごとなど、議会人が備忘録を兼ねて記します。

臨時会の召集時期

2017-08-25 | 憲法
○日本国憲法第53条

内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。
いづれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。


平成29年6月22日、野党4党等は衆参両院に対し、日本国憲法第53条に基づき、臨時会の召集を要求しています。はや2か月経過しましたし、憲法第53条に基づく臨時会の要求は、平成27年10月21日に続いてのことです。

ここにきて、9月25日に臨時会召集の方向との報道が出ていますが、憲法の規定に基づいて臨時会の要求がなされているにも関わらず、なぜ、こんなにも開会されない状態が続いているのでしょうか。

憲法第53条に、「いづれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない」とありますが、召集時期についての言及はないからです。

一方、行政権たる内閣を担う政権政党の自民党は、平成24年4月27日に日本国憲法改正草案を決定しており、改正草案の第53条には、召集時期を明記しています。

○日本国憲法改正草案 第53条(自民党 平成24年4月27日)

(前略)いずれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があったときは、要求があった日から20日以内に臨時国会が召集されなければならない。

もし、上記が徹底されるのであれば既に臨時会が召集されているはずですが、現実は要求してから3か月後の召集となりそうです。

ただ、野党第一党は現在進行形で代表選の真っ最中ですし、何とも表現し難い状態といえるのかもしれません。

それはそうと、各省概算要求の時期ですが、国会も同様です。衆参ともに8月末日までに庶務小・図書小を開会して所定の手続きをとることになります。

ここで衆参のちょっとした違いを紹介すると、衆議院は議運理事が欠けたときは議運理事に限って委員会を開かずとも議運理事の補欠選任ができますが、参議院は委員会を開会しないと議運理事の補欠選任ができません。

よって、現在理事に欠員が出ている参議院は、庶務小・図書小に議運理事が入るため、8月末までに議運委員会が開会されることになるのではないでしょうか。

[追記]

先日の「議会雑感開設900日」に多くのコメントを頂戴しまして、誠にありがとうございました。

勉強になるコメントも多く、私も気合いを入れて勉強しなくては、と思いを新たにしたところですが、幾つかいただいたご質問のうち、一つだけはハウス違いの細かい内容で、回答には相当時間がかかるか、難しいかもしれません・・。

また、ご期待の声をいただいたにも関わらず、その後、まったく更新できておらず、反省しきりです。

このまま更新しないでいると平成29年8月のエントリーが1件もない・・ということで、過去に紹介したものをアレンジして慌てて更新した次第です。既にマイペース全開ですが、細々と頑張りますので、今後とも宜しくお願い致します!