議会雑感

国会のルールや決まりごとなど、議会人が備忘録を兼ねて記します。

「議会雑感」2回目の御用納め

2016-12-28 | 雑感
「議会雑感」をご覧いただいている皆さま、いつもありがとうございます。

最近、更新が滞っており反省しています。執筆途中のエントリーは幾つかあるのですが、色々なことを考え始めるとアップするのを躊躇してしまい、結局、更新できない・・という状態が続いています。

ただ、書きたいこと、お伝えしたいことはたくさんあります。

国会運営や国会のルール等を紹介することで、政治に少しでも興味や関心を持っていただくことができれば嬉しいですし、筆者自身の励みにもなるからです。

新たな年は、もう少し更新できるよう努めたいと思いますので、引き続きどうぞ宜しくお願い致します。

また、これまで続けてきた、個別の政策の是非には触れないこと、匿名であること、という従来からのスタンスについては、もうしばらく続けるか、それとも別のアプローチにするか、少し考えてみたいと思います。

この1年もこれまで同様、本当に大勢の方にお世話になり、心から感謝しています。
誠にありがとうございました!
            
[追記]
いつもご覧いただいている皆さまのご意見・ご感想を頂戴致したく、約7か月ぶりにコメント欄を開放することにします。

といっても、これまでと同じく、コメント欄に投稿いただいても筆者が拝読するのみで、公開しないことが前提です。ただ、コメント欄にいただくご意見が励みとなっています。

余談ですが、本名で激励のコメントを寄せていただいている方も何人かいらっしゃいます。こちらが名乗っていないだけに恐縮しきりです。ありがとうございます。

臨時会の延長-その4

2016-12-21 | 国会雑学
○国会法第12条

国会の会期は、両議院一致の議決で、これを延長することができる。会期の延長は、常会にあつては1回、特別会及び臨時会にあつては2回を超えてはならない。


臨時会の延長-その1」で紹介したとおり、第192臨時会は、当初会期11月30日から14日間延長され、12月14日までとされました。しかし、平成28年12月14日夜、自民党から衆参両院議長に対し、再度3日間会期を延長し、12月17日までとする申入れがなされました。

1回目の会期延長の申入れ時は、「臨時会の延長-その1」でも紹介しましたが、連立与党の幹事長2名による申入れでしたが、今回は、自民党幹事長のみとなりました。

『会期延長に関する申し入れ』

本会期も本日を以て終了いたしますが、議案の審議状況に鑑み、会期を12月15日より、12月17日まで3日間延長せられるよう議長においてお取計らい願い度く、右申し入れます。

平成28年12月14日 自由民主党・無所属の会幹事長


『公明幹事長、異例の自民批判=カジノで再延長は「問題」』
平成28年12月20日16時36分配信(個人名は伏せて引用しています)

公明党の幹事長は20日の政府・与党協議会で、自民党がカジノ解禁を柱とする統合型リゾート(IR)推進法成立に向けて、先の臨時国会会期の再延長を主導したことについて、「議員立法だけで3日間会期延長したことは問題だ」と批判した。
 
公明党幹部が国会対応の基本方針で自民党に公然と異を唱えるのは異例だ。

カジノ法をめぐり、自民党は日本維新の会とともに成立を推進。当初の会期末だった14日中の成立が困難となり、自民党は単独で衆参両院議長に17日までの会期再延長を申し入れた。

これに対し公明党は、カジノ法の賛否について党内の意見集約が間に合わなかった。採決で自主投票に追い込まれ、再延長の申し入れには加わらなかった。

臨時会の延長-その3

2016-12-13 | 国会雑学
○国会法第13条

前2条の場合において、両議院の議決が一致しないとき、又は参議院が議決しないときは、衆議院の議決したところによる。


臨時会の延長-その1」「臨時会の延長-その2」で紹介したとおり、会期の延長は衆議院優越の規定があるため、ほとんどの場合延長について参議院では議決を行っていません。

昭和42年の第55回特別会以降、これまで会期延長が行われたのは56回ありますが、参議院で延長の議決を行ったのは、14回しかありません。

そこで、今回は参議院で延長の議決を行った国会の内訳を見てみます。

[参議院で延長の議決を行った国会]

○常会:5回、臨時会:7回、特別会:2回

臨時会の延長-その2

2016-12-12 | 国会ルール
○国会法第12条

国会の会期は、両議院一致の議決で、これを延長することができる。会期の延長は、常会にあつては1回、特別会及び臨時会にあつては2回を超えてはならない。

○国会法第13条

前2条の場合において、両議院の議決が一致しないとき、又は参議院が議決しないときは、衆議院の議決したところによる。

更新の間隔が随分空いてしまいましたが、「臨時会の延長-その1」に続き、今回は、国会が会期延長をする際の手続きについて紹介します。

まず、官邸と与党が相談して、会期幅を決めます。

1.与党から両院の議長に会期延長の申入れがなされます。(通常は与党幹事長名で会期延長の申入れ)

2.両院の議長は、会期延長について議院運営委員会理事会での協議を命じます。

3.衆参で議院運営委員会理事会が開かれ、会期延長について申入れがあったことが報告されます。

4.衆議院議長が常任委員長会議を開会して、常任委員長より会期延長についての意見を聞きます。

5.衆議院で議院運営委員会が開会、常任委員長会議の結果が報告された後、延長協議は、衆議院から参議院へ移ります。

6.参議院議長は、衆議院議長からの協議を受けて会期延長について議院運営委員会理事会での協議を命じます。

7.参議院で議院運営委員会理事会(2回目)が開かれます。

8.参議院議長が、常任委員長懇談会を開会して、常任委員長等より会期延長についての意見を聞きます。

9.参議院で議院運営委員会理事会(3回目)が開会、常任委員長懇談会の結果が報告された後、結果について、参議院から衆議院に報告されます。

10.衆議院本会議で会期延長の賛否について議決が行われます。

会期延長は、国会法第13条の規定により、衆議院の優越が存在します。
よって、参議院では、会期延長について原則、本会議を開会していません。

平成28年12月12日(本エントリー更新日)は、第192臨時会の延長された延長国会の会期末まであと2日です。

国会法第12条の規定では、会期の延長は2回までできることになっていますが、会期の再延長はあるのでしょうか。