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特別委員会の設置-その3

○参議院規則第80条

特別委員長の互選は、無名投票でこれを行い、投票の最多数を得た者を当選人とする。得票数が同じときは、くじでこれを定める。但し、投票によらないで、動議その他の方法により選任することができる。(以下略)

○参議院委員会先例録18

特別委員長は、会派に対する割当てに基づき、当該会派から推薦された者について、委員長の職務を行う年長者の指名により選任するのを例とする


今回は、特別委員長の互選について、年長者の指名ではなく、特別委員会の場で協議のうえ互選された例について見てみたいと思います。

[特別委員会の場での協議により特別委員長を互選した例]

第1回国会 昭和22年7月11日

参議院在外同胞引揚問題に関する特別委員会

開会時刻:12時42分
速記中止:12時48分
速記開始:13時16分
散会時刻:13時18分

開会段階から、本来理事の数が3名程度のものを5名にすることの合意がなされました。

その後、特別委員長についても先例にとらわれず、各会派の理解を得つつ、協議を促す場面が登場します。

特別委員長を選ぶための話し合いが速記中止まで行われ、速記再開までの約30分間、特別委員長に誰を選ぶかという議論が行われたものと考えられます。

速記再開後、まず理事の選任を行っています。ただ、先例によらない人数を選ぶこともあり、正規の方法を省略し、仮委員長の指名で5名を選任しています。

その後、特別委員長も同様に仮委員長が指名することを異議の有無をもってはかった後、特別委員長を指名して散会しています。

以上が、特別委員会の場での協議により特別委員長を互選した例ですが、特徴的な部分のみ会議録を紹介したいと思います。

第1回国会 昭和22年7月11日

参議院在外同胞引揚問題に関する特別委員会

・理事の人数と特別委員長の選任方法について

仮委員長:

それでは5名ということに決定いたします。
次に、委員長の選挙でありまするが、例によりますというと、各派交渉会におきまして、その所属數などによつて按分されたりすることが今まであつたのでありまするが、先程浅岡さんからもいろいろ有益なお話がありましたのですが、この会が独自性を持つという意味からいたしまして、そういうふうな旧慣に捉われず、この会におきましては、最も有為な、熱のある方を委員長にというお話もあつたようでありますが、この点はどういうふうにお考えになりますか。御意見を伺います。

委員:

私は、先程皆さんが、普通の例からすれば3名というのを、5名に贊なさつたというのは、会派の大小を問わないで、熱心な人は。

たとえ小さい会派からでも出そうという見込が立つて、5名に殖やしたのが一つの理由であつたろうと思う。そういうことになれば、今度は投票を用いるということにした結果は、若しもそういうことはあるまいが、意圓するところがあつたとすれば、多数会派によつて全部独占し得るということになると思う。そんなら私はやはり選挙によらずして、この委員会は重大であるし、一つ各派とも共同で、同胞引揚の問題について努力したいという熱意である以上は、そうした方法を用いずして、ここで一つ端的に、自分の会はであればこの人を實は推したいのだという、こういう意見表示をされて、和やかに一つやって貰いたいと思う。
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特別委員会の設置-その2

○参議院委員会先例録16

特別委員長は、委員会においてその委員が互選する
特別委員長の互選は、委員会設置の当日に行うのを例とする

特別委員長は、委員会においてその委員が互選する。特別委員長の互選は、委員会設置の当日に行うのを例とするが、委員会設置の当日委員の選任が行われなかったため、後日委員の選任の日に、これを行った例もある。


特別委員会の設置-その1」では、国会法における特別委員会の根拠、ならびに本会議で特別委員会が設置された後、原則として設置の議決当日に特別委員会を開会して、特別委員長を互選することを紹介しました。

ですが、特別委員会はその時の大きな政策テーマや法案が扱われることも多く、その場合、委員名簿が提出されなかったり、設置の議決当日に特別委員長を互選できなかったり、という事態も時々起こります。

最近、大きな政策テーマを扱った記憶に新しい特別委員会といえば、今年は参議院に設置されたばかりの「TPP特別委員会」、昨年は安保法制を扱った「我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会」、3年前の特定秘密を扱った「国家安全保障に関する特別委員会」等があります。

ただ、TPP特別委員会も平和安全特別委員会もNSC特別委員会も、与野党で対立する政策テーマではありましたが、設置の議決当日に委員の指名も委員長の互選も行われています。

今回は、参議院に設置された特別委員会で設置の議決当日に特別委員長が互選できなかった例を見てみます。

[特別委員会設置の議決当日に特別委員長を互選できなかった例(平成以降)]

第150臨時会 選挙制度に関する特別委員会
(設置議決:平成12年9月21日、委員長選任:平成12年10月2日)

第162回国会 郵政民営化に関する特別委員会
(設置議決:平成17年7月11日、委員長選任:平成17年7月13日)

第165臨時会 教育基本法に関する特別委員会
(設置議決:平成18年11月17日、委員長選任:平成18年11月22日)

第166回国会 日本国憲法に関する調査特別委員会
(設置議決:平成19年1月25日、委員長選任:平成19年1月26日)

第187臨時会 地方創生に関する特別委員会
(設置議決:平成26年11月7日、委員長選任:平成26年11月10日)

次回は、特別委員会の場での協議による特別委員長互選の例を紹介します。
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特別委員会の設置-その1

平成28年10月21日、参議院本会議において特別委員会が新たに設置されました。

名称は、「環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会」(TPP特別委員会)です。衆議院では前の常会にも設置されていましたが、参議院では今回初めて設置されました。

特別委員会については、これまで何度も取り上げてきましたが、これまでとは少し異なる観点から法規・先例を紹介したいと思います。

まず、特別委員会設置の根拠となる国会法は以下のとおりです。

○国会法第45条

各議院は、その院において特に必要があると認めた案件又は常任委員会の所管に属しない特定の案件を調査するため、特別委員会を設けることができる。

特別委員は、議院において選任し、その委員会に付託された案件がその院で議決されるまで、その任にあるものとする。特別委員長は、委員会においてその委員がこれを互選する。

[特別委員会設置の流れ]

本会議で特別委員会設置の議決が行われ、そこで名称や目的、委員とその人数を議決します。原則として、特別委員会設置の当日に特別委員会を開会し、特別委員長の互選、理事の選任が行われる例となっています。

1.本会議:特別委員会の設置、名称・目的、特別委員、人数を議決。
(参議院規則第78条、参議院委員会先例録3、4、7、9)

2.特別委員会:特別委員長を委員会において互選。委員長の職務を行う委員中の年長者が特別委員長を指名。
(参議院規則第80条、参議院委員会先例録16、17、18)

今回設置された参議院TPP特別委員会の規模は、45名となり、予算委員会と同規模となりました。会派の人数内訳は、以下のとおりです。

[参議院環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会:45名]

自民 23、民進 9、公明 5、共産 3、維新 2、希望 1、無ク 1、日本 1

なお、理事の割り当ては以下のとおりです。

自民 5、民進 2、公明 1、共産 1

次回以降は、特別委員会の設置当日に特別委員長の互選が行われなかった最近の例、特別委員会で協議のうえで特別委員長が互選された例を見てみたいと思います。

[参考]

○参議院規則第78条

特別委員会の委員の数は、議院の議決でこれを定める。但し、必要があるときは、議院は、これを増加することができる。

○参議院規則第80条

特別委員長の互選は、無名投票でこれを行い、投票の最多数を得た者を当選人とする。得票数が同じときは、くじでこれを定める。但し、投票によらないで、動議その他の方法により選任することができる。

委員長の選挙を終るまで、委員会に関する事務は、委員中の年長者がこれを行う。特別委員長の辞任は、委員会がこれを許可する。

○参議院委員会先例録3
特別委員会は、議院の議決により設置する

○参議院委員会先例録4
特別委員会の名称及び目的は、設置の議決で定める

○参議院委員会先例録7
特別委員の数は、設置の議決で定める

○参議院委員会先例録9
常任委員及び特別委員は、各会派の所属議員数の比率により各会派に割り当て、議院の会議において選任する

○参議院委員会先例録16
特別委員長は、委員会においてその委員が互選する
特別委員長の互選は、委員会設置の当日に行うのを例とする

○参議院委員会先例録17
特別委員長の互選に当たっては、委員中の年長者が委員長の職務を行う

○参議院委員会先例録18
特別委員長は、会派に対する割当てに基づき、当該会派から推薦された者について、委員長の職務を行う年長者の指名により選任するのを例とする
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参議院先議案件

平成28年10月11日、参議院に条約が提出されました。その条約名は、「パリ協定」といいます。
           
                    内閣法制局Webページよりキャプチャ

現在開会中の第192臨時会には、法律案19件、条約2件の提出が予定されており、平成28年10月19日現在、法律案15件、条約2件が国会に提出済みです。

平成28年10月19日の参議院本会議で、先日参議院に提出された「パリ協定」が参議院先議として審議入りしました。第192臨時会における唯一の参議院先議案件です。

そこで、今回は、久しぶりに参議院先議について見てみたいと思います。

これまでに、「参議院先議法案の割合-その1」、「参議院先議法案の割合-その2」等で参議院先議とは何か、について触れましたが、その際は、会期の長い常会の中での紹介だったことから、今回は会期の短い臨時会における参議院先議本数について紹介します。

臨時会では、会期が短く国会に提出される法律案・条約もその数が少ないため、参議院先議案件も少ないのが慣例になっています。

[最近の臨時会における参議院先議本数]

○平成25年 第185臨時会 法律案2件、条約3件
(生活保護法の一部を改正する法律案、生活困窮者自立支援法案、万国郵便連合一般規則及び万国郵便条約、郵便送金業務に関する約定、政府調達に関する協定を改正する議定書)

○平成26年 第187臨時会 法律案2件
(銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の一部を改正する法律案)

○平成27年 臨時会召集なし


なお、今回参議院先議になった「パリ協定」は条約であり、日本国憲法第61条ならびに第73条に規定がありますので、別途紹介したいと思います。
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参議院における調査会-その7

「参議院における調査会」シリーズは、今回で一旦終了です。

今回は、調査会制度創設時に設置された調査会と、最近設置されたばかりの調査会を概観します。
(下記調査会名の罫線は筆者によります)

○昭和61年7月22日:国会法改正後、参議院初の3調査会

外交・総合安全保障に関する調査会
国民生活に関する調査会
産業・資源エネルギーに関する調査会

○平成28年9月26日:参議院通常選挙を経て新たに3調査会設置(現在)

国際経済・外交に関する調査会
国民生活・経済に関する調査会
資源エネルギーに関する調査会

○参考:平成28年7月25日まで設置されていた3調査会

国の統治機構に関する調査会
国民生活のためのデフレ脱却及び財政再建に関する調査会
国際経済・外交に関する調査会

今開かれている国会で設置された3調査会は、ある意味、原点回帰といって良いのかもしれません。

大別すると、外交・内政・エネルギー問題という側面で、参議院で最初に設置された3調査会と同じだからです。

今回の調査会設置にあたっては、誰がアイデアを出したのか、筆者に知る由はありませんが、過去の歴史を知る人が参議院内にはいる、ということの証左ではないでしょうか。

参議院における調査会について、これまで7回にわたって概観してきましたが、衆議院との異質性を求め、参議院の独自性と存在感発揮を求めるなか、任期6年であることに着目した長期的かつ総合的な調査を行うための調査会構想は、議会の先人の知恵であったと思います。

ただ、昨今、参議院における調査会の位置付けが明確ではないような気がしてなりません。

国会ごとに消滅を繰り返す特別委員会の常設化や調査会制度創設からの時間の経過などがそうさせているのかもしれません。

参議院における調査会は、その構想と設置に至る経緯に鑑みて、本来もっと機能すべき存在なのではないでしょうか。

参議院における調査会-その1 国会法と参議院規則における調査会の位置づけ
参議院における調査会-その2 調査会の設置時期
参議院における調査会-その3 調査会長の選任方法・時期
参議院における調査会-その4」 調査会設置時の国会法改正のポイント
参議院における調査会-その5」 参議院改革論と調査会設置に至る経過
参議院における調査会-その6」 調査会設置にかかる衆議院の立場
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参議院における調査会-その6

今回は、調査会制度を創設した際、参議院が主導した初めての国会法改正であったことにかかる、衆議院の立場を紹介します。

参議院における調査会-その5」では、調査会設置に至るまでの経過の中で、昭和57年2月の参議院改革協議会報告書で、衆議院との調整の末、調査会構想が一旦頓挫したことに触れました。

調査会の設置は、参議院だけの問題であるとはいえ、国会法に規定する法律事項となります。よって、国会法改正のため、衆議院側の了解を得る必要があったのです。

国会法の改正については、両院が協議し、合意してから改正案を提出する慣例となっており、調査会の設置にあたっては、衆議院側の了解を得つつ各会派の折衝がなされていました。

しかし、いざ議論が具体的になって折衝に入ると、衆議院側としては新たに国会法上の機関として調査会を創設することに関し、法案審議への影響等も考えられることから、時期尚早との意見が示され、調査会構想は一旦頓挫したのです。

ただ、しかしながら、参議院は既存の特別委員会制度を活用して、調査会構想を取り入れた調査特別委員会を昭和58年7月に設置し、調査会構想が途切れてしまわぬよう努力したのです。

昭和60年11月には、参議院改革協議会において、一旦頓挫した調査会構想が再度取り上げられ、議長に答申がなされました。

その後、調査会設置に向けて、一気に機運が高まり、昭和61年5月14日、参議院本会議で調査会の設置についての国会法改正案が可決した後、昭和61年5月22日、衆議院本会議で調査会設置に関する国会法改正案は可決・成立しました。

ただし、衆議院本会議の当日、衆議院議院運営委員会では国会法改正案を採決するにあたって、衆院議運委員長から異例の発言がありました。

[昭和61年5月22日 衆議院議院運営委員会]

○衆院議運委員長 

本案につきましては、当委員会に付託されてから、理事会等において各党側協議を願っておりましたが、委員会においては、本日初めて議題といたしたものであります。
この際、委員長から、理事会等における各党の御意見を踏まえながら、委員会を代表して、一言申し上げたいと存じます。

まず第一に、本案の趣旨は参議院の調査会に係るものとはいえ、国会法に規定する以上、衆議院においても検討する時間的余裕が望ましいのではないか。

第二に、専ら一院に関係する事項については、両院共通事項を規定している国会法に規定するのはいかがなものであろうか。

第三に、現在の委員会制度から見て、調査会の性格がいま一つ明瞭ではない。例えば、調査会は付託議案は審議しないとしながら、調査会提出の法律案を認めていること。また、調査会の他委員会に対する立法勧告権の内容等について検討する時間的余裕がなかった。

第四に、一部の党から、調査会と国政調査権、特に証人喚問等に問題があるのではないか。
その他、調査会の運営に当たっては、将来本院に関連がある問題が起こった場合、十分に相互に協議を行うこと等の御意見があったことを申し上げておきたいと存じます。

つまり、衆議院としては参議院独自の機関となる調査会設置に反対はしないものの、両院共通事項を規定する国会法に一院のみに関する事項を定めるのはいかがなものか、とその立場を記録に残したのです。

次回は、調査会制度創設時に設置された調査会と、現在開会中の第192臨時会で設置された調査会について概観します。

参議院における調査会-その1 国会法と参議院規則における調査会の位置づけ
参議院における調査会-その2 調査会の設置時期
参議院における調査会-その3 調査会長の選任方法・時期
参議院における調査会-その4」 調査会設置時の国会法改正のポイント
参議院における調査会-その5」 参議院改革論と調査会設置に至る経過
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参議院における調査会-その5

昨晩、連載を再開した途端の記事連投です。他にも書きたいことがたくさんありますので、参議院の調査会シリーズは、あと1~2回程度でまとめます。

今回は、調査会設置に至る経過について、参議院改革論の観点から概観したいと思います。

参議院改革論は、以下の2つの側面によるアプローチが考えられます。

○参議院議員の選挙制度に関するもの
○参議院の組織と運営に関するもの

前者は被選挙年齢等、どのような人を議員に選ぶのか。後者は、選ばれた議員が参議院をいかに組織し運営するか、というアプローチです。

参議院に新たな組織を設置することは、後者に該当します。よって、調査会設置も後者に該当します。

衆参両院議員は、日本国憲法において国民の代表であると同様に規定される一方、被選挙年齢と任期の点において明確な違いがあります。

参議院議員の任期6年は、衆議院議員の地位に比べて安定しているだけでなく、定数の半数改選であることから、衆議院に比して参議院には継続性があるといえます。

しかしながら、参議院は創設後、政党化が進むにつれ、その存在価値を示す必要に迫られる局面が増えてきました。そこで、参議院の独自性発揮のために着目されたのが、衆議院との大きな違いである任期6年であり、長期的な視野に立つ調査会構想だったのです。

[調査会設置に至るまでの経過(概要)]

昭和46年7月:
「参議院問題懇談会」設置(長期的、大局的視野に立った国政調査の必要性)

昭和52年11月:
「参議院改革協議会」設置(衆議院と異ならしめる等、組織見直しの必要性)

昭和54年12月:
「エネルギー特別委員会」設置(エネルギーに関する諸問題を調査し、総合的かつ長期的な対策樹立に資するため=調査会構想の先導的試行)

昭和57年2月:
「参議院改革協議会」報告書(衆議院との調整の末、調査会構想は一旦頓挫)

昭和58年4月:
「参議院改革協議会」答申(長期的かつ総合的な調査を行う調査特別委員会の設置)

昭和58年7月:
上記答申を受け、エネ特に加え内政と外交に関する2調査特別委員会設置
(国民生活・経済に関する調査特別委員会、外交・総合安全保障に関する調査特別委員会)

昭和60年11月:
「参議院改革協議会」答申(一旦頓挫した調査会制度を参議院に導入することの必要性)

昭和61年5月13日:
調査会設置のための国会法一部改正案発議

昭和61年5月14日:
参議院本会議にて調査会設置のための国会法改正案が可決

昭和61年5月22日:
衆議院本会議にて調査会設置のための国会法改正案が可決・成立

昭和61年5月22日:
国会法改正に伴う参議院規則一部改正

昭和61年7月22日:
参議院に3調査会設置
(国民生活に関する調査会、外交・総合安全保障に関する調査会、産業・資源エネルギーに関する調査会)

上記のような経過を辿り、国政の基本的事項に関し、長期的、総合的な調査を行う調査会は参議院に設置されました。

次回は、参議院が主導した最初の国会法改正であったことに着目して、衆議院側での議論と衆議院の立場を概観します。

参議院における調査会-その1 国会法と参議院規則における調査会の位置づけ
参議院における調査会-その2 調査会の設置時期
参議院における調査会-その3 調査会長の選任方法・時期
参議院における調査会-その4」 調査会設置時の国会法改正のポイント
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参議院における調査会-その4

少し間が空いてしまいましたが、参議院の調査会について、連載を再開します。

調査会は、参議院独自の機関であり、参議院のみに設置されています。

では、なぜ参議院にのみ調査会が設置されたのか、事実関係から概観していきたいと思います。

参議院に調査会制度が創設されることになったのは、昭和61年です。

昭和61年5月、第104回国会において、国会法は、新たに「第5章の2」を設けました。ここに「参議院の調査会」が明記され、国会法は改正されたのです。

このときの国会法改正におけるポイントは、以下の2点です。

○参議院改革の一環として行われたこと
参議院が主導した最初の国会法改正であったこと


参議院主導で設けられた調査会制度の概要は、以下のとおりです。

1.調査会の性格として、国政の基本的事項に関し、長期的かつ総合的な調査を行い、委員会と異なり、専ら調査を行い、議案等の審査は行わない。
2.調査会は参議院議員の半数の任期満了の日まで存続する。
3.調査会の名称、調査事項及び委員の数は、参議院の議決で定める。
4.調査会は、調査事項について毎年、報告を議長に提出し、公表する。

調査会は、定足数、国務大臣の出席要求、閉会中審査等、委員会運営に関する国会法の規定の多くが準用され、委員会とほぼ同様の権限が与えられています。

しかしながら、この国会法改正は、その実現に至るまで、様々な経過と議論があったのも事実です。

次回は、参議院改革の一環としての国会法改正であった点に着目して、当時の論調と調査会設置に至るまでの経過を概観します。

参議院における調査会-その1 国会法と参議院規則における調査会の位置づけ
参議院における調査会-その2 調査会の設置時期
参議院における調査会-その3 調査会長の選任方法・時期
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補正予算の提出回数と予算関連法案

平成28年10月11日、参議院本会議で平成28年度第二次補正予算は、与党等の賛成多数で可決・成立しました。

今後の国会は、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)承認案・関連法案の今国会承認・成立に向けて、与野党の攻防が繰り広げられることになると思いますが、TPP関連法案は、いわゆる「束ね法案」ですので、機会を見つけて色々紹介したいと思います。

さて、補正予算案ですが、平成になってから何回提出されているか、というと、実に45回提出されました。

補正予算案は、地方交付税法等改正案などの補正予算関連法案と一括して提出されることがほとんどです。ちなみに今回の補正予算関連法案は、以下の2法案です。

総務委員会:地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案
国土交通委員会:独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法の一部を改正する法律案


総務委員会の地方交付税法等の改正案は、年度末ではありませんので、第二次補正予算案とセットで審査・採決する必要性があったかといえば(実は)なかったのですが、セットで可決・成立しました。

なお、関連法案のない補正予算案は、過去2回しかありません。

平成28年度第一次補正予算:熊本地震対策
平成10年度第二次補正予算:金融システム安定化
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永年在職議員

○参議院先例録553

永年在職議員は、院議をもって表彰する

国会議員として在職期間25年に達した本院議員、又は24年に達した後任期満了等により本院議員を退職し再び国会議員とならない者は、永年在職議員として院議をもって表彰する。


平成28年9月28日の参議院本会議では、永年在職議員表彰が行われました。

参議院の永年在職議員表彰には、在職25年表彰、在職24年表彰、功労議員表彰があります。

○在職25年表彰:現に議席を有し、かつ国会議員として在職期間25年に達した議員
○在職24年表彰:国会議員として在職期間24年に達した後、任期満了等により議員を退職して、再び国会議員にならない者
○功労議員表彰:在職期間15年で退職した者


上記のうち、本会議で表彰されるのは、在職25年と在職24年ですが、本人が本会議で謝辞を述べることができるのは、現に議席を有している在職25年表彰のみです。

在職25年の永年在職議員表彰は、議長が表彰文を朗読した後、議員が祝辞を述べる例となっており、慣例で第一会派の議員会長が祝辞を述べることとなっています。なお、その後、表彰された議員が謝辞を述べます。

平成28年10月4日現在、永年在職議員として参議院で表彰された人数は、在職25年:71名、在職24年:62名、功労:214名です。
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「議会雑感」開設600日

平成28年度上半期の終了日、「議会雑感」開設600日を迎えました。

                  平成28年10月2日現在、ブログ開設から602日

ふとした思いつきで始めたブログですが、おかげさまで、600日を迎えることができました。ご覧いただいている皆さま、本当にありがとうございます。

政治を少しでも身近に感じていただき、政治に少しでも関心を持っていただけるきっかけになればとの思いで、細々とであっても、まだしばらく続けていくつもりです。

また、個別の政策の是非には触れないこと、匿名であること、という従来からのスタンスは、もう少しだけ今のまま続けたいと思います。

国会運営のルール等の紹介を通じて、政治への距離感を縮めていただけるきっかけになればと思いますので、引き続き宜しくお願い致します!
                   
                  
ところで、最近思うこと。たとえば、の話です。

政治の場にあって、政治家ではない中立であるべき国会事務局幹部が、政治的にふるまうのは普通ではない状態だと思います。

さらに、自分の評価を上げるために、人のことを、しかも事実ではないことを躊躇なく一部で言い続けているとしたら、このことを知れば、その人はきっと心を痛めることでしょう。

弱い中立と強い中立を就任挨拶で述べた事務総長のことや議会の先人のことを思い、どんな局面に立たされようとも、議会人としての矜持を持ち続けることの大切さ、を改めて噛みしめています。
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