goo

参議院創設70周年

〇日本国憲法第41条

国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。

〇日本国憲法第42条

国会は、衆議院及び参議院の両議院でこれを構成する。


平成29年5月20日、参議院が創設されて70周年を迎えます。

昭和22年に日本国憲法が施行、その下で初めての参議院議員選挙が執行され、昭和22年5月20日、第1回国会が召集されました。

つまり、参議院の誕生は昭和22年5月20日であり、平成29年5月20日が参議院創設70年と相成るのです。

昭和22年5月20日、第1回国会初日に誕生した参議院には規則もなく、暫定衆議院規則及び衆議院規則を準用し、議事運営が行われました。

議事の中で選出された初代議長は、その挨拶の中で、新憲法の精神に触れ議長の職責の重さに言及しました。

「新憲法の精神を遵奉し、且つ公正無私、議長の重責を果したいと思います。」


初代議長、副議長の選出後に祝辞を述べた議員は、国会が国権の最高機関であって、その一院である参議院の使命の重大さについて言及しました。

「今や国家再建のときに当りまして、新憲法の下において、国会が国家の最高機関であつて、その一院たる参議院の使命の重かつ大なるを思うとき、両君の声望と手腕に待つべきものが多いと存ずるのであります。」

昭和22年5月20日、参議院議場に参集した創設時の参議院議員も、そして国民の多くも、新憲法の下、創設された参議院でこれからの国家を創る議論が闊達に行われる、という気概に満ちていたのではないでしょうか。

翻って、今の国会は、そして、参議院はどうでしょうか。

国権の最高機関たる参議院は、良識の府、再考の府としてその役割と機能を発揮できるよう努めると同時に、国政に対して少しでも信頼を寄せていただけるよう、不断の取り組みを続けていかねばならないと議会人のひとりとして、強く思います。

[ご案内:参議院70周年記念特別参観]

受付日時:平成29年5月20日(土)、5月21日(日)8時~16時
受付場所:国会議事堂正面(予約不要)

                
参議院では、特別参観でのみ立ち入ることができる場所を参観できます。

衆議院の特別参観では通れなかったり、入れなかったりした場所で、例えば、中央玄関の開放や本会議場内の参観です。

中央玄関は、天皇陛下をお迎えするときは、選挙後の初登院のとき等のみに開かれる場所ですが、特別参観に限り、参観者は中央玄関を通って国会議事堂本館に入ります。また、通常参観では傍聴席からしか見ることのできない本会議場の中にも入ります。

なお、通常参観では撮影不可の議事堂内ですが、この2日間に限っては撮影も原則自由です。いろんな意味で、筆者おすすめです。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

国会の延長-その5

○国会法第12条

国会の会期は、両議院一致の議決で、これを延長することができる。

会期の延長は、常会にあつては1回、特別会及び臨時会にあつては2回を超えてはならない。


昭和32年の第28回国会で国会の延長は常会で1回、特別会と臨時会は2回と国会法が改正されました。それまでは何度でも延長することができたということです。

現在、開会中の第193回国会の会期末は6月18日ですが、法案審議の状況を見るにつけ、延長の可能性が排除できない状態になっているのではないかとも考えられます。

これまで、国会法第12条については何度も紹介してきました(下記参照)が、また別の側面から常会の延長事例について見てみたいと思います。

[国会延長幅が大きかった国会]
(常会のみ)

平成27年 第189回国会 95日間
昭和56年 第96回国会  94日間
昭和26年 第13回国会  85日間
平成24年 第180回国会 79日間

ちなみに、昭和26年の第13回国会は、5度にわたる延長を行った珍しい例ですが、現在の国会法ではあり得ません。

[第13回国会の5回延長事例]

1回目:昭和27年5月6日  6月6日まで30日間延長議決
2回目:昭和27年6月6日  6月20日まで14日間延長議決
3回目:昭和27年6月20日  衆参ともに混乱。参議院会議録では、議場騒然
4回目:昭和27年6月30日  7月10日まで10日間延長議決
5回目:昭和27年7月30日  7月31日まで1日間延長議決

さて、今国会の延長はあるのでしょうか、ないのでしょうか。

国会の延長-その1」 国会法第12条など
国会の延長-その2」 国会延長の手続き
国会の延長-その3」 延長幅が大きかった過去の国会
国会の延長-その4」 平成27年常会が95日間もの延長になった理由
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

連休前までの閣法等成立率

大型連休が明けてから1週間。

というわけで、今年は2年前に引き続き、5月の大型連休前までの閣法等の成立状況について見てみたいと思います。

○大型連休前までの閣法等成立率

平成29年 第193回国会 34.3%

(内閣提出法律案70法案中、成立24法案)

ちなみに、条約は20件中6件成立の30%です。

国会の召集時期等によって多少の違いがあり、単純には比較できませんが、平成4年に常会が1月召集となって以降の傾向を概観してみます。

○大型連休前までの閣法成立率が高かった年

平成7年 第132回国会 88.7%
平成5年 第126回国会 56.3%
平成4年 第123回国会 47.6%

○大型連休前までの閣法成立率が低かった年

平成25年 第183回国会 15.9%
平成27年 第189回国会 19.7%
平成20年 第169回国会 22.8%

○大型連休前までの条約成立率が高かった年

平成7年 第132回国会 50%
平成9年 第140回国会 45.5%

今年は、大型連休前までの閣法成立率34.3%、条約成立率30%ですので、平均的な状況というところでしょうか。

今は、会期の延長があるかないかが気になるところです。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

先決問題-その1

○衆議院先例集297

議院の構成に関する案件は、他の諸案件より先に行う。

議長、副議長その他役員の選挙、議席の指定、会期の件等議院の構成に関する案件は、他の諸案件より先に行う。内閣総理大臣の指名は憲法第67条において、他のすべての案件に先立って行う旨を規定しているが、議院の構成に関する案件は、内閣総理大臣の指名より先に行う。

○衆議院先例集299

国務大臣不信任決議案より常任委員長解任決議案を先議する。

常任委員長解任決議案と国務大臣不信任決議案とが提出されたときは、常任委員長解任決議案を先議し、次いで国務大臣不信任決議案を審議する。

平成29年5月9日夜、衆議院本会議において常任委員長解任決議案が扱われました。

普段は、Webで広く一般に公開されている参議院先例録や参議院委員会先例録を引用して、国会ルールを紹介していますが、今回のみ衆議院先例集を引用します。

この度の常任委員長解任決議案に関しては、提出されたのが5月2日、9時16分です。

衆参とも、常任委員長は本会議で選任されていますので、その解任決議案は本会議で扱うしかありません。

ただ、大型連休前に既にセットされていた衆議院本会議は5月9日でしたので、その可否が決するまで当該委員会は開くことはできません。

そして、5月9日の衆議院本会議では、大型連休前に合意していた議事日程ではなく、議院の構成に関わる常任委員長解任決議案が扱われたのです。

常任委員長の解任決議案は、議院の構成に関わり、これについて議院の議決がないと先の議事日程に進めないため、先決問題として直ちに議題とされます。

これを先決動議といいます。

そういう意味では、今回の例とか、平成28年12月14日の衆議院議長不信任決議案の扱いなどに関しても個人的には思うところが多々あります。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

議長の権限-番外編

今から約2年前、平成27年の憲法記念日に「日本国憲法における三権分立」という記事を書きました。

立法権、行政権、司法権を司る三権の長のうち、立法権の長である衆議院議長・参議院議長は、対外的に立法権たる議院を代表する等、強い権限を有しています。

だからこそ、議長及び副議長を誰にするかの議院の選択は、議院の対外的な活動、議員の権利義務の行使等にも大きな影響を及ぼすことになり、非常に重要なのです。

今回は番外編からのスタートですが、議長の権限を紹介するため、今後、不定期に「議長の権限」シリーズを書いてみたいと思います。

まず番外編として、最近の新聞記事をひとつ紹介します。

平成29年5月6日 読売新聞
『緩む「散会宣言」』

4月14日の参議院本会議。終わりかけに「事件」は起きた。

「だから、いいっちゅうの、そんなもの!これにて散会いたします」
            
              平成29年4月14日参院本会議 参議院Webページよりキャプチャ
                 
議長は本来、席に座ったまま散会を宣言するのが慣例だが、立ち上がろうとした伊達議長を隣席の郷原悟事務総長が止めようとしたところ、伊達氏はこう怒って振り払った。
            
そして、立ったまま宣言は行われた。
            
              平成29年4月14日参院本会議 参議院Webページよりキャプチャ

伊達氏は2月の本会議でも、政府に新幹線網の拡充を求めた自民党議員の質問直後、自身の地元の「北海道新幹線が(質問に)入っていない!」と議長席から不規則発言をし、与野党の批判を受けたばかりだ。

大きな混乱はなく、議事録にも残らなかったが、伊達氏の出身の自民党内では「三権の長の職責の重さが分かっていない」といらだちが募っている。

今村雅弘前復興相の「東北で良かった」発言をはじめ、政府や自民党で失言や不祥事が相次ぐ。

議長自らがルールを揺るがす議事運営に出ることは、「1強の緩み」が国会にも及んでいると指摘されかねない。

1947年5月、初代参院議長に就いた松平恒雄氏のあいさつは、抑制的ながらも気概あふれるものだった。

「新憲法の精神を遵奉し、かつ公正無私、議長の重責を果たしたい」

参院は今年、日本国憲法とともに創設70周年を迎える。

国権の最高機関の秩序保持を担う議長の重みが今一度、問い直されている。

ちなみに、参議院では、議長は第一会派から、副議長は第二会派から推薦された議員について選挙しています。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

噴泉の再開と議会雑感の再開

国会議事堂は、正面から見て左側が衆議院、右側が参議院で、それぞれに正玄関があり、それぞれ正玄関前には、平成2年12月から噴泉が設置されています。

これは、議会開設100周年を記念して設置されたもので、運転時間は原則として平日の9時から18時までとされました。

しかしながら、この噴泉はこれまで幾度もの休止と再開を繰り返してきました。

最初の休止は、噴泉が設置された翌年、平成3年1月の湾岸戦争勃発に伴うものです。

当時、社会・経済等への影響等を考慮し衆参で協議のうえ、運転が休止され、以後、自治体の節水協力要請等に基づいて、度々噴泉は運転を休止してきました。

直近の休止は、平成23年3月11日の東日本大震災発生に伴うもので、同年3月13日の衆参両院議長の合意に基づき、同日より平成29年4月25日まで実施されました。

この度、日本国憲法施行70周年記念にあわせた形で、衆参で協議のうえ、平成29年4月26日から噴泉が再開されました。

実に、約6年ぶりの再開です。
         
             衆議院正玄関前 噴泉 (平成29年5月筆者撮影)
         
             参議院正玄関前 噴泉 (平成29年5月筆者撮影)

[これまでの主な休止例]

平成3年1月17日~3月6日 湾岸戦争
平成6年8月8日~9月28日 東京都からの給水制限協力要請
平成8年2月22日~4月1日 東京都からの給水制限協力要請
平成12年6月16日~6月18日 皇太后陛下崩御
平成15年7月7日~9月30日 東京電力からの節電協力要請
平成23年3月13日~平成29年4月25日 東日本大震災


というわけで、「議会雑感」もぼちぼち再開したいと思います。

ただ、議会人としては、ここのところ、ちょっといろいろ驚くことが多すぎて、そうなるとなかなか書けなくなるのです。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )