○国会法第83条
乙議院において甲議院の送付案を修正したときは、これを甲議院に回付する。
上記を平たく表現すれば、後に審議を行った議院が、法律案を修正した場合は、先に審議を行った議院に修正した法律案を回付し、回付された議院が同意した場合、法律として成立するということを意味します。
今開かれている第189回国会においては、法律案の回付が今月中に複数発生することとなりました。
年度末に何度も取り上げた、
日切れ法案や日切れ扱い法案等に関連しますが、施行日が年度末や年度初めになっていたものを、「公布の日に施行する」等の修正が行われたことによるものです。
下記の法案について、参議院で与党提案による修正議決が行われ、参議院本会議で可決後、衆議院に回付されました。
・第189国会閣法第11号
在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案
・第189国会閣法第10号
高度テレビジョン放送施設整備促進臨時措置法を廃止する法律案
後者の高度テレ廃止法案については、法案名のとおり、措置を廃止するための法案ですが、その施行期日は3月31日となっていました。
よって、
日切れ法案となっていましたが、NHK問題の余波を受けた形で年度内に審議が終わらず、施行日を3月31日から公布の日に施行する等、所要の修正が行われたのです。
なお、高テレ廃止法案は、4月14日、参議院総務委員会で全会一致で可決しましたが、参議院本会議はこれからです。
参議院本会議で可決された後、衆議院に回付されるのですが、回付案については委員会に付託されないこととなっています。
○衆議院規則第253条
参議院の回付案及び両院協議会の成案は、これを委員会に付託しない。(以下略)
事実、4月14日の衆議院本会議においては、上述前者の法案である在外公館関連法について、参議院から回付があった旨、衆議院議長から報告があり、本会議日程に追加された後、異議なし採決で、参議院修正案は全会一致で可決・成立しています。
[参考]衆院からの回付の場合も同様です。
○参議院規則第178条
衆議院の回付案及び両院協議会の成案は、これを委員会に付託しない。(以下略)
そのうち「
付託」とは何か、について説明したいと思います・・。