議会雑感

国会のルールや決まりごとなど、議会人が備忘録を兼ねて記します。

参議院の行政監視委員会-その3

2019-06-14 | 国会雑学
参議院の行政監視委員会は、参議院改革の中で、平成10年に新設された常任委員会ですが、これまで紹介したとおり、近年の活動は低調です。

立法府に課せられた役割のひとつである行政監視の役割を担う委員会の調査実績等をはかる指標に、委員会の開会時間数や決議等が挙げられます。

そこで、委員会開会時間数を委員会設置後5年ごとにわけて、その平均時間を、決議を委員会設置後前半10年と後半10年にわけて、その実績を見てみたいと思います。

[参議院行政監視委員会開会時間]

平成10年~14年:27時間32分
平成15年~19年:17時間12分
平成20年~24年:14時間31分
平成25年~29年:4時間21分

開会時間数を5年ごとの平均で見てみると、平成25年以降、極端に委員会すら開かれていないことが見て取れます。

ちなみに、昨年、平成30年の開会時間は15分、質疑時間ゼロ、今年は5月20日にようやく初回の委員会が開会され、質疑時間は3時間でした。

[決議件数]

全部で8件ですが、委員会設置後20年経過した観点から、前半10年と後半10年に分けて件数を概観すると、前半7件、後半1件です。

平成10(1998)年6月17日
国家公務員による不祥事の再発防止に関する決議
平成11(1999)年8月2日
政府開発援助に関する決議
平成12(2000)年5月22日
警察の信頼回復に関する決議
平成12(2000)年5月22日
会計検査院の検査体制の充実強化に関する決議
平成14(2002)年12月11日
公務員制度改革に関する決議
平成15(2003)年7月16日(7月18日本会議決議)
政策評価に関する決議
平成17(2005)年6月13日(6月22日本会議決議)
政策評価制度の見直しに関する決議
平成27(2015)年7月6日(7月8日本会議決議)
政策評価制度に関する決議

昨年6月にまとめられた参議院改革協議会の報告書によれば、来月にも執行される第25回参議院通常選挙後に行政監視機能の強化を行うとされていますので、本当に具現化されるのか、興味深く見守っていきたいと思います。

参議院決算委の警告決議と措置要求決議

2019-06-10 | 国会雑学
令和元年6月10日、参議院決算委員会は平成29年度決算外2件の締めくくり総括質疑を行いました。

参議院の決算審議は、昭和20年度から本会議で内閣に対して警告を含む議決を行っています。

また、昭和40年度からは委員長報告で決算の是正と内閣に対する警告の可否を採決します。

委員会では締めくくり総括質疑を行った後、決算議決の際に、警告決議と措置要求決議を採決した後、本会議では委員長報告のとおり警告を行うことの可否を採決します。

本会議での警告を含む決議の回数は60回超、昭和40年度からは40回超になります。

また、委員会では平成13年度から措置要求決議(当初は要請決議)も行い、今年が16回目になります。