議会雑感

国会のルールや決まりごとなど、議会人が備忘録を兼ねて記します。

国政における女性議員の比率

2022-08-24 | 国会雑学
2022(令和4)年7月に執行された第26回参議院議員通常選挙の結果、参議院における女性議員比率は過去最高となる25.8%となったものの、衆議院においては1割にも満たず、国際的にも大きく後れをとっています。

たとえば、2022(令和4)年7月に、世界経済フォーラム(WEF)が公表した2022年版「ジェンダー・ギャップ指数」の国別順位によれば、日本は146か国中、116位であり、G7においても、東南アジアを含むアジア太平洋地域の中でも最下位となっています。

この指数は、政治、経済、教育、健康の4分野を分析し、算出されたものですが、日本は政治分野と経済分野で順位を落とす状況を招いています。とくに政治分野は139位で格差が大きく、指数は前年と同じです。

2022(令和4)年8月の改造内閣においても閣僚のうち、女性は2人。

女性参政権が認められた現行憲法施行後初となった昭和22年の第1回参議院議員通常選挙では10名の女性議員が誕生しました。

平成28年の第24回参議院通常選挙と令和元年の第25回参議院通常選挙ではいずれも28名、令和4年の第26回参議院通常選挙では過去最多となる35名の女性議員が当選し、参議院全体では64名の女性議員となりました。

ただ、政治分野における男女共同参画の推進に関する法律(平成30年法律第28号)の目的と基本原則に照らせば、参議院においても女性議員比率が25.8%にとどまっていることは、女性就業者の割合が約45%(令和4年7月公表労働力調査)である現状と比較しても低いと言わざるを得ません。

昭和35年の内閣で初めて誕生した女性閣僚ですが、令和4年の改造内閣においても女性はたった2人。

結局、我が国においてはそういうことなんでしょう、いろいろと。

(参考)
〇労働力調査 (基本集計)2022年(令和4年)6月分
(令和4年7月29日総務省統計局)
就業者数は6,759万人。
男性は3,717万人で3万人の減少。女性は3,041万人。23万人の増加。

参議院議員通常選挙後の臨時会

2022-08-16 | 国会雑学
参議院議員通常選挙は、参議院議員は半数改選のため3年ごとに執行されます。

2022(令和4)年7月は、第26回参議院議員通常選挙が執行され、8月3日に召集された第209回国会(臨時会)において参議院は議長・副議長選挙を行うなど、新たな院の構成を確定させました。

その会期は、8月3日から8月5日までの3日間でした。

参議院通常選挙後に召集される臨時会は、参議院の院の構成を確定するのが主目的ではありますが、それではこれまでの参議院通常選挙後の会期はどうだったのでしょうか。

今回は、平成以降に執行された参議院通常選挙後の臨時会の会期について紹介したいと思います。

〇参議院通常選挙後の臨時会(平成以降)

※左から選挙回次、国会回次、召集日、会期日数

15回 第115回国会 1989(平成元)8/7 6日
16回 第124回国会 1992(平成4)8/7 5日
17回 第133回国会 1995(平成7)8/3 5日
18回 第143回国会 1998(平成10)7/30 79日(延長含む)
19回 第152回国会 2001(平成13)8/7 4日
20回 第160回国会 2004(平成16)7/30 8日
21回 第167回国会 2007(平成19)8/7 4日
22回 第175回国会 2010(平成22)7/30 8日
23回 第184回国会 2013(平成25)8/2 6日
24回 第191回国会 2016(平成28)8/1 3日
25回 第199回国会 2019(令和元)8/1 5日
26回 第209回国会 2022(令和4)8/3 3日

第18回通常選挙後の第143回国会(平成10年)の会期は、なんと79日間でした。当初会期は70日間でしたが、9日間延長され79日間の会期となっています。

その第18回通常選挙後の第143回国会(平成10年)おける主な審議内容は、以下のとおりです。

総理指名、所信演説・代表質問、平成10年度第2次補正予算、金融再生関連法案、金融機能早期健全化緊急措置法案、日本国有鉄道清算事業団債務等処理法案等

次に、上記の続いて通常選挙後の臨時会で会期が長い(といってもそれほど長くはないのですが)のは、第160回国会(平成16年)と第175回国会(平成22年)の8日間でした。

では、8日間で何が審議されたのか、こちらも主なものを見てみたいと思います。

第20回通常選挙後の第160回国会における主な審議内容は、以下のとおりです。

本会議報告・質疑(第30回主要国首脳会議出席)(衆参)、厚生労働大臣不信任決議案(衆)、改正国民年金法廃止法等4法案(衆否決)、財金委、厚労委、農水委、経産委、災対特委、イラク・事態特委、拉致特委で国政調査(参)

第22回通常選挙後の第175回国会においても予算委が衆参で開会されるなど、通常選挙後の臨時会においても実質的な審議が行われた例はあります。

個人的には思うところ多々の第209回国会(臨時会)でした。

はてさて、3年後に予定される第27回通常選挙後の臨時会の会期や参議院を取り巻く政治風景はどうなっているのでしょうか。