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暫定予算とは

一昨日からの国会日程想定カレンダーに基づく、国会用語解説第二弾です。
                   

昨日は「日切れ法案」とは何か、について紹介しましたので、今回は「暫定予算」について紹介したいと思います。

政府与党の立場に立てば、年度内総予算(本予算)成立に向けて、努力は続けることと思いますが、これまでこのブログでも紹介してきた流れからすると、予算案の審議時間や採決前の外形上の手続き(集中審議や公聴会開催等)、日切れ法案の処理等を考えると、年度内成立は少し難しいのではないかと考えられます。

その場合、「暫定予算」が登場することになるのですが、まず、国の予算の態様について紹介します。国の予算は、その態様によって、本予算・補正予算・暫定予算に分類することが出来ます。

「本予算」とは、国の年間予算として当初に成立した基本の予算であり、「当初予算」とも呼ばれます。ちなみに、本予算という言葉は、補正予算や暫定予算と異なり、法令上の用語ではありません。

このブログでは、本予算のことを総予算と称していることが多いのですが、総予算は国会法上位置づけられており、一般会計予算、特別会計予算及び政府関係機関予算に係る本予算を総称したものです。

また、財政法上、本予算は前年度の1月中に国会に提出するのを常例とされています。補正予算の説明は別の機会に譲ることとして、「暫定予算」について説明します。

○財政法第30条

内閣は、必要に応じて、一会計年度のうちの一定期間に係る暫定予算を作成し、これを国会に提出することができる

暫定予算は、当該年度の予算が成立したときは、失効するものとし、暫定予算に基く支出又はこれに基く債務の負担があるときは、これを当該年度の予算に基いてなしたものとみなす。


つまり、本予算が年度開始までに成立しない場合に、一会計年度のうちの一定の期間について作成される予算のことを「暫定予算」というのです。

「暫定予算」は、総予算成立までのつなぎの予算ですから、そこに計上される経費は、国債費、恩給費、公務員給与費等の義務的なものに限られ、政策的経費は計上されません。

「暫定予算」は、総予算が成立すると失効し、これに基づいて行われた支出または債務の負担は、当該年度の予算に基づいてしたものとみなされます。

明治憲法下では、予算不成立の場合、政府は前年度の予算を施行すべきものとされていましたが、現在の「暫定予算」制度は、短期間の暫定的な措置についても国会の意思を尊重すべく設けられたものなのです・・。
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