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衆議院の解散と参議院の緊急集会-その2

○参議院先例録490

緊急集会の会議を開くに当たり、議長は、内閣総理大臣から集会を求められた旨を告げる

緊急集会を求められたときは、その第一日の会議を開くに際し、議長は、内閣総理大臣から参議院の緊急集会を求められた旨を告げた後、開会を宣告する。

通常の参議院本会議は、議長が議長席に着き、ギャベルを叩いた後「これより会議を開きます」と宣告した後、開会します。

参議院の緊急集会が開会された、60年以上前の緊急集会時の参議院会議録を見てみると、「これより会議を開きます」の前に、「去る28日、内閣総理大臣から、衆議院の解散に伴い、中央選挙管理会の委員の任命について緊急の必要があるため、本日参議院の緊急集会を求められました。」となっています。

先例で、会議を開く前に、内閣総理大臣から参議院の緊急集会を求められた旨を告げた後、開会を宣告する例になっているからです。

開会前の発言が、会議録に残るのは不思議な感じがしてなりませんが、議院規則に規定があるのです。

○参議院規則第83条

議事開始の時刻に至つたときは、議長は、議長席に着き、諸般の事項を報告した後、会議を開く旨を宣告する。(以下略)

これは、「諸般の報告」と呼ばれるもので、第1回国会の昭和22年6月3日の本会議まで行われていましたが、同年6月28日の本会議で「諸般の報告は御異議がなければ朗読を省略したします」と議長が宣告して以来、報告は省略し、会議録に掲載することとなっています(参議院先例録383)。

なお、この開会前の「諸般の報告は朗読を省略する」旨の議長の発言は、第66回国会の昭和46年7月24日の本会議を最後に行われなくなり、現在に至っています。
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