公務員試験知能、教員採用試験数学解説

ある予備校講師が暇な時間に綴る小さなブログ

警視庁Ⅲ類の数的推理 1

2022-09-11 10:21:00 | 警視庁Ⅲ類
2021年出題。                     A、B、Cの3人が、3kmのハイキングコースを歩くことになった。                   Aが8歩進む時間の間にBはちょうど6歩進み、Cはちょうど5歩進む。                 また、Aが5歩で進む距離をBはちょうど4歩で進み、Cはちょうど3歩で進む。                スタート地点からこの3人が同時に歩き始め、誰かが最初にゴール地点に到達したとき、まだゴール地点に到達していない残りの2人の間の距離として、最も妥当なのはどれか。(選択肢省略)                  ピッチの比×歩幅の比=速さの比 という公式を知っている人は、こうです。                問題文中、「Aが8歩進む時間」とありますが、この時間内にAは8回、Bは6回、Cは5回足を動かすので、ピッチの比はA:B:C=8:6:5。                            「Aが5歩で進む距離」とありますが、この距離を1とすると、Aの歩幅は1/5、Bの歩幅は1/4、Cの歩幅は1/3。                 よって、
上の公式を知らない人は、こうですね。              Aが8歩進む時間を1秒、Aが5歩で進む距離を1mと仮定して、
この結果より、それぞれの速さは、              Aが8/5m/秒、Bが6/4m/秒、Cが5/3m/秒。
上の表と同じですね。                   では、その先にいきます。                  後半で出てきたA、B、Cの速さをそのまま使うと、このようになります。              3人の速さを比べるとCが一番速い。             Cがゴールするまでにかかる時間は、3000(m)÷5/3(m/秒)=1800秒。               AとBでは、Aの方が0.1m/秒速い。               AとBが1800秒進むと、0.1×1800=180mの差ができる。                    よって、正解は180mです。                前半のやり方で、3人の速さの比がA:B:C=48:45:50であることを使うと、
速さが48:45:50で、3人とも同じ時間進むので、進んだ距離も同じく48:45:50になるので、上の画像のようになります。















HADOアイドルウォーズ コスモスCUP 3rdシーズン 2022.9.5 1:07〜約45分 第2試合。


中学入試に学ぶ 1

2022-09-04 11:41:00 | 中学入試
公務員試験と中学入試は似ています。              大人が必死に解いているのを嘲笑うが如く、ほんの数十秒で正解を導き出す子供がいます。                     その考え方やテクニックは、とても参考になりますので、紹介していきます。         第1回は、神戸女学院中学の過去問です。                 これは大卒国家総合職、国家一般職向けです。                          針の進む速さの異なる3つの時計A、B、Cがあります。                    この3つの時計を同時に午前8時に合わせて動かし始めました。                   時計Aが午前8時38分を指してから、時計Cが午前8時38分を指すまでの間に時計Bでは1分15秒経過していました。          また、時計Aが午後3時36分ちょうどを指したとき、時計Cは午後3時20分ちょうどを指していました。                 各時計の針の進む速さは一定とします。     (1)時計BとCの針の進む速さの比をもっとも簡単な整数の比で表しなさい。              (2)時計Aが午後3時36分ちょうどを指したとき、時計Bが指している時刻を求めなさい。                         まあ、こういうことですねえ。
Aが8:00〜15:36まで、7時間36分進んだ間に、Cは8:00〜15:20まで、7時間20分進んでいますね。                   だから?                          この「だから?」に対して、たくさん語ることができる人ほど、上級者です。             知能は、一つの出来事を、どれだけ多面的に解析できるかが鍵なのです。               この場合は、例えば、                  Aの進む速さ:Cの進む速さ=456分:440分             だから、これを簡単な比にして、つまり57:55だということがいえます。                       この種の問題を解くときによくこの比を使います。                        ただし、その方向で考えていけば、かなりややこしい計算をしなければなりません。(実際にやってみて下さい)              そこで、もっと違う角度から。             何かありますか?                       本気で勉強している人は、3分間考えて見てください。                     こんなのはどうでしょうか?                  Aが456分進むと、Cはそれより16分遅れる。                           とすると、Aが8:00〜8:38まで38分進むと、Cは何分遅れるか?
4/3分=1分20秒だから、Aが8:38のとき、Cはそれより1分20秒遅れ、8時36分40秒です。                      実はこの8時36分40秒は考えなくてもOK。                         なぜなら、(1)では、BとCの針の進む速さを求めるだけだからです。
(1)の正解は、15:16です。              (2)は、少し視点を変えるといいでしょう。                         Aが午後3時36分ちょうどを指したとき、Bが指している時刻を求めなさいと言われましたが、これなら今度はAの進む速さとBの進む速さの比を求めにいかなければなりません。                       しかし、上の図を見れば分かるように、この問いは、Cが午後15時20分ちょうどを指したとき、Bが指している時刻を求めなさいと同じ意味ですね。(こんなの小学生にやらせるな!)                 それなら(1)の結果が使えます。             (1)より、Bが進む速さは、Cが進む速さの15/16であることが分かります。(分からなければ、別の手があるので後述)                          Cが8:00〜15:20まで440分進むと、Bは、その15/16、412.5分進みます。             つまり、14時52分30秒、正解は、午後2時52分30秒です。
さて、15/16がちょっと分からない場合は、比の式を使いましょう。こんな感じですね。
























当選確実

2022-08-28 09:00:00 | 当選確実
あなたが生徒会長に立候補したとしましょう。                      立候補者は、結構います。             結構じゃ現実味がないので、じゃあ7人いたとします。(2人以上いれば、何人でもこのお話しに関係ない)              全部で600票あるとして、さて、最低何票集めれば、確実に当選できるでしょうか?            答えは、301票です。                 そりゃあ、500票くらいとれば、絶対当選しますよ!                      でも、最低何票かと聞かれたので、「500票くらい」というのは正解にはならないですね。                     実際には、100票くらいでも当選するかもしれませんよ。                    たとえば、
こんなことになるかもしれませんからねえ。                         でも、確実に当選するかというと、そうとも限りません。                   例えば、あなたが100票で、A君が500票で、その他が0票とか。               なんかややこしくなってきましたか?           でも、よく考えると、「過半数」取ればいいのではないですか?                自分が過半数とっていれば、他がどうであろうが、絶対に当選ですし、もしぎりぎり過半数に到らないとき、つまり300票だったら、あなたが300票で、A君も300票で、他が0票だったら、決戦投票とか、じゃんけんとか、何らかの方法であなたが負けるかもしれません。               だから、もう一票必要。                つまり、301票以上とれば、あなたは確実に当選します。(301票以上取らないと当選できないという意味ではありません。               301票以上取れば、残りの299票がどの立候補者にどう流れていっても確実に当選するということ)               ちょっとまとめます。                  当選人数が1人のとき、投票数の2分の1より多く票を取れば当選確実です。          では、当選人数が2人のときはどうでしょうか?                      正解は201票です。                 200票獲得しても、ぎりぎり当選できないことがあります。                 このときです。
3人で決戦投票かじゃんけんになります。(普通は立候補者は自分に1票入れるので、こういうことにはならないが)              201票あれば、自分以上のものが2人現れようとしたら投票数が603票以上必要になりますね。                        少しそれますが、あなたが全くやる気のない立候補者で、自分で自分に投票することもせず、0票だったとします。            それでも、あなたは当選するかもしれません。                       こういうこともあるからです。
                          当選者は2名ですから、A以外の人でじゃんけん。                      じゃんけんですから、あなたの意志に反して勝っちゃったとか。                ここまでまとめますと、当選者数が1のとき、投票数の1/2より多く獲得すればOK。                        当選者数が2のとき、投票数の1/3より多く獲得すればOK。                    実は、これは当選者数が何でも同じことになって、当選者数がnのとき、投票数の1/(n+1)より多く獲得すれば当選確実になります。                        では、練習問題ってか、2019年の海上保安学校の過去問です。                 あるクラスには、44人の生徒がいる。             このクラスでは、今学期の体育の授業で行う競技を全生徒による投票で決めており、各生徒が8種目の中から一つだけ選んで1票ずつ投票する。                    以下のA、Bの状況において、ある種目が「実施確実」となるのに最低必要な得票数の組合せとして最も妥当なのはどれか。                         A:実施する競技が2種目                   B:実施する競技が4種目                    ただし、「実施確実」とは、他の種目の得票状況にかかわらず、Aの状況であれば上位2位以内、Bの状況であれば上位4位以内になると判断できることをいう。
Aの場合は、投票数(44票)の1/3より多く得票すればよい。                     Bの場合は1/5より多く得票すればよいのだから、
正解は肢4ですね。                    まとめ 当選確実=投票数×1/(n+1)より多。(割り切れるときは1を足す。














国家一般職(高卒)の数的推理 2

2022-08-21 10:55:00 | 国家一般職(高卒)
2021年出題。                   図のような縦12cm、横21cmの長方形ABCDがあり、辺ABの中点をEとし、辺CDの中点をFとする。                  点Pは線分FE上を点Fの位置から毎秒1cmの速度で、点Qは辺BC上を点Bの位置から毎秒2cmの速度で同時に移動する。             このとき、三角形APQの面積が、最初に長方形ABCDの面積の7分の1になるのは、点P及び点Qが移動を始めてから何秒後か。(選択肢省略)
長方形の面積の7分の1は、21×12÷7=36なので、三角形APQの面積が初めて36になるときを求めます。                  普通に、x秒後に三角形APQの面積が36になるとして、方程式をつくりましょう。                         図は、こんな感じですね。
もちろん、斜線部の三角形の面積は、長方形ABCD−三角形ABQ−台形PQCF−台形APFDとなるところですが、そういう方程式にすると、かなり式が難しくなります。                         そこで、工夫をします。                三角形APQの辺AQと線分EFの交点をRとして、三角形APQを、三角形ARPと三角形QRPに分割します。
RPの長さはxを使ってどう表されるでしょうか?                         中点連結定理②より、ER=xだから、RP=21−2x。




また、三角形ARPも、三角形QRPも、底辺がRPで、高さが6cmなのだから、同じ面積。                       三角形APQ=2×三角形ARPです。           よって、
正解は、7.5秒後です。


















国家一般職(高卒)の数的推理 1

2022-08-14 10:31:00 | 国家一般職(高卒)
2021年出題。                   A、B、Cは、3人合わせて345万円の所持金を持っている。                   Aは12%、Bは10%、Cは8%の年利率で全所持金を銀行へ預けたところ、1年後に、Aの利息とBの利息とCの利息の比は、3:2:1となった。                     このとき、A、B、Cが受け取った利息の合計はいくらか。                  ただし、利息に係る税金は無視するものとする。(選択肢省略)                 A、B、Cの所持金を、それぞれa万円、b万円、c万円とすると、こうなりますね。A、B、Cが受け取った利息の比は、0.12a:0.1b:0.08cですが、これをできるだけ簡単にしましょう。

これが3:2:1なので、6a:5b:4c=3:2:1。                      これは、6aは4cの3倍、5bは4cの2倍だという意味ですね。

つまり、
3人の所持金の合計は345万円だから、
これで3人の所持金が分かりました。

利息の合計は、
正解は、36万円です。                 (補足)a:b=c:dのとき、a×d=b×cとなることは、よく知られていますが、a:b:c=d:e:fのときはどうなるのでしょうか?                        これは、覚える必要はないと思いますが、こうなります。                    a×e×f=b×d×f=c×d×e。              ちょっとこれを使ってみましょうか。          所持金の比が6a:5b:4cだったところから先をやってみますと、