公務員試験知能、教員採用試験数学解説

ある予備校講師が暇な時間に綴る小さなブログ

地方初級の数的推理 6

2022-10-23 09:04:00 | 地方初級
2012年出題。                       三つの正の整数a,b,cが次の条件を満たすとき、a+b+cはいくらか。                      ・a<b<c<10である。                          ・aは奇数である。                        ・bとcの差は3である。                        ・aとcの平均は、bより小さい整数である。(選択肢省略)                     a<b<c<10で、aは奇数だから、a、b、cに適当な整数を当てはめていけば、何とかなる問題です。                       でも、ここでは、真面目に考えていきます。                              奇数+奇数=偶数で、奇数+偶数=奇数というのは大丈夫ですね~。                    もしもcが偶数だったら、aとcの平均は整数になりません。                      例えば、a=1、c=8だとすると、aとcの平均は4.5となって、最後の条件を満たすことができません。                      だから、cは奇数です。                    そして、この最後の条件を図にすると、                         ここに、その他の条件も付け加えて、
aとbの差は、bとcの差よりも大きいので、3より大きく、4以上です。                    もしもc=9ならば、b=6、aは、6よりも4以上小さいから、1か2。でもaは奇数だからa=1。                           c=7ならば、b=4。aは4よりも4以上小さいから、なんぼ何でも0で、もう正の整数にはならない。                        したがって、a=1、b=6、c=9。a+b+c=1+6+9=16。正解は16です。



























中学入試に学ぶ 3

2022-10-10 09:09:00 | 中学入試
中学入試の図形の問題は、公務員試験で、数的推理や空間把握として、ほとんど同じような問題が出題されます。             むしろ、逆に、公務員試験の知能の問題を中学入試で出題しているのかもしれません。                         その方が、知能指数が高い子供を集めることができる?                     さて、今回は初級〜中級向けの問題です。                        下の図のように、半径12cmの半円を2つの部分に分けました。                斜線部分の面積は何cm²ですか。           ただし、円周率は3.14とします。
まあ、自分が小学生だったとしたら、間違いなくこうしたと思います。
しかし、これは間違い。㋐は、扇形ではありません。
とすると、㋐は、分割してみようかと考えます。(自分の勝手な考えだけど)         それでは解いていこうと思うのですが、まず、大人の場合。
扇形OCBの面積から三角形COBの面積を引けば斜線部の面積は分かりますが、三角形COBの面積が出ません。(実は、1/2×12×12×sin150°で出るのですが、ここは中学の数学までしか使わないとして)                              三角形COBの底辺は12cmで、高さを知りたいので、Cから直線ABに対して垂線を下ろします。                      すると、たまたま∠COAが30°ですから、高さは6cmと判明します。
よって、こういうことになります。正解は、152.4㎝²です。
小学生もほぼ同じ解き方です。             中学入試をする子は、三角定規の各辺の比率について、以下のことは知っています。(塾で習う)
また、円周率を含む計算で、いちいち3.14を掛けていてはしんどいので、例えば、13×3.14−7×3.14などは、πを使い、13π−7π=6π=6×3.14=18.84とするトレーニングを塾でやります。                だから、大人とほぼ同じことになっちゃうんですね~。                    こんな感じ。
自分のようなおじさんにはできませんが、子供は大変暗記が得意なので、2π=6.28、3π=9.42、4π=12.56、…………と、9π=28.26くらいまで暗記しておいて、本問などは、6π=18.84だから、60π=188.4。                     そこから36を引いて152.4だ、などと、暗算で答えを出したりするので、おじさんはそんな子供と対戦すると、必ず負けます。














警視庁Ⅲ類の数的推理 3

2022-10-03 08:07:00 | 警視庁Ⅲ類
2021年出題。                   次の図のように、円Oに内接する四角形ABCDがある。                 ∠OBC=37°、∠CAD=33°のとき、∠BCDの大きさとして、最も妥当なのはどれか。(選択肢省略)
OA=OB=OC(全て円Oの半径)で、二等辺三角形の底角は等しいので、こうなりますね。
三角形の内角の和は180°なので、△ABCに注目して、a+a+b+b+37+37=180。整理して、a+b=53°。よって、∠BAD=53+33=86°。
ここで、円に内接する四角形の定理が登場します。
四角形ABCDは、円Oに内接しているので、∠BAD+∠BCD=180°。           ∠BAD=86°だから、∠BCD=180−86=94°。                  正解は94°です。                     えっ?                          じゃあ円に内接する四角形の定理を知ってなきゃこの問題は解けないの?ということになりますが、まあ、知らなくても何とかなりますけど。                   やってみますよ。                      上の、∠BAD=86°までは同じで、その先。                           弧BCDに対する円周角(∠BAD)が86°だから、その中心角(∠BOD)は、その2倍の172°。
よって、弧BADに対する中心角は360−172=188°。
よって、弧BADに対する円周角である∠BCDは、その1/2の94°です。               な、何?                        円周角が中心角の1/2ということも知らなかったらどうするのって?                 それはそれで何とかなるのですが、かなりややこしくなります。                   そのときには、三角形の外角の定理が必要だし、補助線も要ります。                三角形の外角の定理も知らなければ、もっとややこしくなり、もう勘弁して下さい!                        ゆえに、円に内接する四角形の定理をきちんと覚えて置きましょう。




























警視庁Ⅲ類の数的推理 2

2022-09-26 09:19:00 | 警視庁Ⅲ類
2021年出題。                         次の図で、4ヶ所を赤、青、黄、緑の4色の色鉛筆を用いて、隣り合う部分が異なる色になるように塗り分けるとき、塗り分け方の総数として、最も妥当なのはどれか。ただし、使わない色があってもよいものとする。(選択肢省略)
隣り合う部分が異なる色になるようにするので、下図のア、イ、ウは、全て異なる色を塗らなければなりません。


アが4通り、イは3通り、ウは2通りなので、4×3×2=24通り。                  最後にエに色を塗ります。                 エは、ウに塗った色以外の色を塗るので、3通り。                      よって、塗り方の総数は、24×3=72通り。                        正解は、72通りです。
























中学入試に学ぶ 2

2022-09-18 08:29:00 | 中学入試
今回は、旅人算です。               初級〜中級対象でしょうか。           問題。                           海子さんは家から学校まで毎時3kmの速さで歩いていきました。                海子さんが出てから12分後にお母さんは忘れ物を届けに自転車に乗って毎時13kmの速さで追いかけたところ、学校までの道のりの5分の3の地点で海子さんに追いつきました。                     海子さんの家から学校までの道のりは□kmです。                       まずは、大人の考え方で解いてみます。             12分=12/60=1/5時間だから、海子さんが出発してから12分で進む距離は、3×1/5=3/5km。                       お母さんが出発してからt時間後に海子さんに追いつくとして、方程式を作ります。
よって、家から39/50km地点でお母さんは海子さんに追いつきます。
家から学校までの距離をx(km)とすると、題意より、3/5×x=39/50。               これを解いて、x=1.3。                正解は、1.3です。                  何か分数が多いですね。                  これを小学生はどう解くか?              「速さの比」に注目します。                海子さんの速さ:お母さんの速さ=3:13であり、お母さんが出発してから海子さんに追いつくまでは、二人は同じ時間進んでいます。
同じ時間進んだのだから、その距離は、速さの比と同じく3:13。(速ければ速いほどたくさん進みます)よって、
海子さんが12分で進んだ距離は、⑬−③=⑩ですね。
少し寄り道をします。                    我々が普通に歩いているときの速さは、約4㎞/時。                        早足で歩くと、約6㎞/時です。               この6㎞/時は、ちょうど100m/分。           つまり、100mをちょうど1分で進もうと思えば、早足で歩けばよいのです。            これは、速さの問題を解くときに便利なので、是非覚えて下さい。                 海子さんは、おそらく小学3年生くらいでしょう。                          6㎞/時の半分の速さで歩いているので、50m/分です。                        この速さで12分進むと、50×12=600m進んでいます。                     よって、
この780mが、学校までの道のりの3/5ですから、
大人の場合は、⑬や③は、13k、3kなどと文字を使って、方程式をたてたりすればよいかと思います。