俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

個人と社会

2011-11-15 14:53:16 | Weblog
 蟻や蜂と同様、社会的動物である人類にとって社会は個人と対立するものではない。理由は2つ挙げられる。
 ①人類は元々群居動物だ。猿人・旧人の時代からずっと群居生活を営んでいる。類人猿も猿も多くは群居生活をする。猿から進化した人類の遺伝子には群居生活を好む本能が組み込まれている。
 ②社会生活は合理的だ。分業によって個人では不可能なことが可能になる。食料の調達を考えてもそのことは明白だ。例えば鮪は誰でも簡単に小売店で購入できるが、もし個人が独力で鮪を得ようとすればそれは大変な仕事になる。船を作り、釣竿と釣糸を作らねばならない。釣糸を作ることさえ困難なので鮪を食べることは諦めざるを得ない。
 人は他人の役に立つことが大好きが。他人の役に立つことに自分の存在価値を見出す人もいるぐらいだ。
 問題は集団のレベルだろう。家族の利害は町内会の利害と合致しない。町内会の利害は市と対立する。市と国とは整合しないし、国は世界と敵対することもある。どのレベルを最優先すべきか、あるいはどのレベルを重視して調整すべきかは個人が選択せねばならない。対立するのは個人と社会ではなくて集団間の利害だ。

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