27歳の金藤理恵選手がリオデジャネイロ・オリンピックの200m平泳ぎで優勝した。この種目での優勝は24年前のバルセロナ・オリンピックでの当時、弱冠14歳だった岩崎恭子選手以来の快挙だ。岩崎選手の前の日本人優勝者は1936年のベルリン・オリンピックの前畑秀子選手とのことだから、日本人にとっては因縁深い種目と言えよう。
岩崎氏は今回NHKの解説者を勤めていたから思い出した人も多かろうが優勝後のインタビューでの「今まで生きて来た中で一番幸せです」という言葉は同じオリンピックのマラソン代表でレース中に転倒した谷口裕美選手の「こけちゃいました」と共に流行語にもなった。
谷口選手は優勝候補として期待されていたが20㎞過ぎの給水所で後続選手に靴の踵を踏まれて転倒した。転倒しただけではなく靴が脱げてそれを履き直すために引き返すシーンまで放映されが、8位に入賞した。そのレースのの直後のインタビューでの発言が「こけちゃいました」であり、日本中のファンが靴を踏んだ選手に怒っている最中に悲劇の当事者が何ともとぼけた味のある発言をしたからすっかり視聴者を和ませた。
前畑選手についは、本人の発言ではないが、我を忘れたラジオのアナウンサーが実況中継の最中に「前畑頑張れ」と連呼したことが今も語り継がれている。残念ながら金藤選手の発言はそんな話題性には乏しいが強いて言えば何度も名を挙げて感謝をした「加藤コーチ」が話題になった。
27歳の金藤選手をロートル扱いすべきではなかろうが、近年の女性アスリートの若年化に歯止めが掛かってほしいと思う。男性アスリートであれば野球のイチロー選手(42歳)やスキー・ジャンプの葛西選手(44歳)のような世界的な名選手が多くいる。男性よりも長寿の日本人女性だから超長寿のアスリートがいても良かろう。
女性の200m平泳ぎは80年間で3度優勝しただけだが男性の代表選手は何と言っても北島康介選手だろう。彼の特徴はゆったりとした大きなフォームにある。周囲の選手よりもゆっくりと泳いでいるように見えながら一番早いという何ともシュールなシーンを何度も見せられた。それだけではなく、彼自身が焦ってピッチを上げて却って失速するという失態を演じたこともある。
早さを競うスポーツの中で平泳ぎは最も特殊な種目だと思っている。どんな種目であろうともピッチを上げればスピードが増す。ピッチを抑えるのはスタミナ切れを恐れるからに過ぎない。ところが平泳ぎだけはピッチを上げても早く泳げない。これは一流のアスリートだけではなく私のような素人スイマーでも同様だ。水の抵抗をモロに受ける平泳ぎでは、ピッチを上げると抵抗が増えて却って遅くなるという摩訶不思議な現象が起こる。だからこそ一番難しい泳法とされている。
我武者羅に頑張るべきではないという事実を痛感できるという意味で、平泳ぎは最も教育的価値の高いスポーツだろう。力任せに頑張るよりもしなやかな動作のほうが良いということがこれほどよく分かるスポーツは他にあるまい。
岩崎氏は今回NHKの解説者を勤めていたから思い出した人も多かろうが優勝後のインタビューでの「今まで生きて来た中で一番幸せです」という言葉は同じオリンピックのマラソン代表でレース中に転倒した谷口裕美選手の「こけちゃいました」と共に流行語にもなった。
谷口選手は優勝候補として期待されていたが20㎞過ぎの給水所で後続選手に靴の踵を踏まれて転倒した。転倒しただけではなく靴が脱げてそれを履き直すために引き返すシーンまで放映されが、8位に入賞した。そのレースのの直後のインタビューでの発言が「こけちゃいました」であり、日本中のファンが靴を踏んだ選手に怒っている最中に悲劇の当事者が何ともとぼけた味のある発言をしたからすっかり視聴者を和ませた。
前畑選手についは、本人の発言ではないが、我を忘れたラジオのアナウンサーが実況中継の最中に「前畑頑張れ」と連呼したことが今も語り継がれている。残念ながら金藤選手の発言はそんな話題性には乏しいが強いて言えば何度も名を挙げて感謝をした「加藤コーチ」が話題になった。
27歳の金藤選手をロートル扱いすべきではなかろうが、近年の女性アスリートの若年化に歯止めが掛かってほしいと思う。男性アスリートであれば野球のイチロー選手(42歳)やスキー・ジャンプの葛西選手(44歳)のような世界的な名選手が多くいる。男性よりも長寿の日本人女性だから超長寿のアスリートがいても良かろう。
女性の200m平泳ぎは80年間で3度優勝しただけだが男性の代表選手は何と言っても北島康介選手だろう。彼の特徴はゆったりとした大きなフォームにある。周囲の選手よりもゆっくりと泳いでいるように見えながら一番早いという何ともシュールなシーンを何度も見せられた。それだけではなく、彼自身が焦ってピッチを上げて却って失速するという失態を演じたこともある。
早さを競うスポーツの中で平泳ぎは最も特殊な種目だと思っている。どんな種目であろうともピッチを上げればスピードが増す。ピッチを抑えるのはスタミナ切れを恐れるからに過ぎない。ところが平泳ぎだけはピッチを上げても早く泳げない。これは一流のアスリートだけではなく私のような素人スイマーでも同様だ。水の抵抗をモロに受ける平泳ぎでは、ピッチを上げると抵抗が増えて却って遅くなるという摩訶不思議な現象が起こる。だからこそ一番難しい泳法とされている。
我武者羅に頑張るべきではないという事実を痛感できるという意味で、平泳ぎは最も教育的価値の高いスポーツだろう。力任せに頑張るよりもしなやかな動作のほうが良いということがこれほどよく分かるスポーツは他にあるまい。