ひとり語り 劇車銀河鐵道 いちかわあつき

 ひとり語りの口演や、絵本の読み語りなどの活動をしています。
 何処へでも出前口演致します。

バックボーンの話

2011-02-24 14:51:19 | Weblog
 バックボーンとは、直訳すれば背骨のことですね。辞書を調べると、ほかには気骨とか、確固たる信念という意味にも使われると出ています。
 また、後ろ盾を得るというような時にもバックボーンは使われます。

 私は高校時代の恩師に「お前にはバックボーンがない」といわれ、ずっとそのことを胸にやってきたのですが・・・・・・。

 今半世紀を生きて、少しその意味合いについて解かりかけてきたかなと思っています。
 30数年前にそういわれたときは芝居について、お前の演技はその場その場でつながっていないという意味合いかと受け取っていました。または格好ばかりで気持ちが入っていないということかと考えたこともありました。

 ただ単純に、脊椎動物としての体をなしていない、つまり身体が出来ていないということも当てはまるんじゃないかとも考えました。

 そのほかにも様々な意味合いのことを考え、「バックボーン」を鍛えるためにはどうすればいいのかと試行錯誤(ちょっとオーバーかな?)をしてきました。

 今に至ってのひとつの答えは、「バックボーン」とは知識や経験値の積み重ねの中でしか築かれないものである、ということでしょうか。

 若くして不勉強だった私は、ただただ感覚的なものに頼ってしか行動が出来ていませんでした。まあ、今に至っても五十歩百歩の部分は否めませんが、それでも仮にも半世紀は生きてきたわけですから、読書量も人並み程度には重ね、凡庸ながら多少の経験値は積んできたわけです。

 幼少期、柔らかい骨を固めるために、栄養を補給し運動で身体を鍛えて、丈夫なバックボーンをつくろうとします。それと同時に、心にも栄養補給が行われて精神構造的バックボーンも養われていかなければいけないのです。
 今、硬く揺るぎないバックボーンがつくられたなら、そこに今度は柔軟な精神を重ねて、人生の仕上げの段階へ向かわなければいけません。が、そんなに一長一短には上手くいきません。