円空佛・制作用の鑿(のみ)の選び方

2021-12-04 18:26:00 | 円空仏



今回のブログは円空佛制作に使用する鑿の選択法のご紹介です。
特にこれから円空佛制作を始めたい方にご参考までですが
円空佛制作の専用の鑿は勿論ございません。
大工さんが一般的に使用されている鑿の中から選ぶのですが。

でも鑿などの道具は購入前にお試しができません。
どんな鑿が最適か参考になる情報は乏しいのが現状です。

予め申し添えますが今回のブログは素人の体験談であり、
情報のひとつ程度でお読みいただければ、と思います。
と申しますのも鑿には大工さん用でも一般住宅から神社仏閣まで
その目的によって様々なレベルの鑿が販売されています。
能面などの面打ち用などもあります。
こうした多種多様な鑿の中から目的の最適な鑿を選ぶのは
極めて困難です。
ホームセンターなどでも販売されていますが目的の性能は
購入して使用しなければ分かりません。

鑿について検索しますと知らない専門用語が並んでいます。
「叩き鑿」「追入鑿」などその違いは木彫の初心者には理解困難です。

小生の経験の範囲ですが円空佛制作を始めたい方にお勧めは
「叩き鑿」と「追入鑿」の両方の購入をお勧めします。
ご参考までにその違いを断面写真掲載でご覧ください。
「追入鑿」は刃先に厚みがあり、粗削り作業に向いています。
「叩き鑿」は刃先が薄くなっています。

「粗削り用鑿」と「仕上げ用鑿」で使い分けます。

「追入鑿」は写真掲載のように刃が厚くなっていますので粗削りに
     使用し易いです。
     写真で鑿の厚さを参考にしてください。
     最も厚いところで7㎜程度です。
「叩き鑿」は刃の厚みがうすいため細工や仕上げに使用し易いです。
     刃の最も厚いところで5㎜弱です。

鑿の幅は出来れば3分(9mm)から7分(21mm)程度を3本揃えると
便利と思います。。
道具の幅も昔の寸(1寸が30.3mm)が生きていて7分が21mmになります。

最下部の写真に40㎜程度の幅広の鑿もありますが不要な鑿に
なっています。



上記説明は三木章H.P.からです。
青紙とありますのはハガネ(鋼)の種類で、
「日立金属・高級刃物鋼」で
検索すれば詳細記載されています。
「日立金属工具鋼」H.P.
でも参考になります。

「ヤスキ」とありますのは安来節で有名なあの安来です。
「安来 たたら」で検索しますと鋼の歴史が分かります。

円空佛の制作にはノコギリ、鑿、彫刻刀など使用しますが
最も多用するのは鑿です。

小生は叩き鑿は三木市にある「三木章」、
追入鑿は「角利産業・利五郎」です。
しかし6~7年ほど前の購入ですので価格は変動しているかも
しれません。
何分にも大工さんの減少が急激で鑿の需要も減少しメーカーさんも
様々な対応をしているようですので。
最近は住宅建築でも現場で鑿を使う場面はめったに見なくなりました。

その他、新潟県長岡市の河清刃物工業の叩き鑿も性能が良く
3年ほど前から愛用しています。

道具が優秀ですと気持ちよく削れて作業できます。

1本、数万円する鑿もありますが、小生は1本、数千円程度の鑿です。

こうした趣味の円空佛制作には道具に関しても参考資料が
ほとんど無く、満足できる鑿の購入には難儀しました。

彫刻刀のことは別の機会に。

三角鑿も使用頻度が結構多いです。
但し、研磨できませんので刃先の手入れは困難です。



最初の頃は道具を揃えるのにリアル店舗やネット購入などで買い求め
作業しながら性能を確認し試行錯誤して結構回り道、迷い道で
無駄なお金を遣いました。
「道具は使ってみないと性能は分からない」
人それぞれ好みもありますので冒頭申し上げていますが
「参考程度」という事で受け止めてください。