瞑想と精神世界

瞑想や精神世界を中心とする覚書

K・ウィルバー『意識のスペクトル[1]意識の変化』06

2012年01月03日 | 読書日誌
引き続き、『意識のスペクトル 1』の章ごとに要約。第3章の二回目である。

前回の最後で、リアリティについて語る三つのおもな方法が列挙された。それは、類推法、否定法、指示法の三つであった。以下、この三つの方法を用いて、絶対者に関心を寄せる世界のおもな伝統が概観されるのだが、ここではその主なものをかんたんにまとめただけなので、それぞれの分野でこの三方法がどのように用いられているかまでは、要約されていない。ただ、それぞれの領域で、それぞれの仕方でリアリティが語られいるのだということは分かっていだだけると思う。

K・ウィルバー『意識のスペクトル[1]意識の変化』 第3章 意識としてのリアリティ(続き)

◆量子力学
ジェームズ・ジーンズ(Sir James Hopwood Jeans 、1877年~ 1946;イギリスの物理学者、天文学者、数学者)‥‥「自分自身を時間と空間のなかで見るとき、われわれの意識は明らかに一個の粒子のように分離した個であるが、時間と空間を超えるとき、それらは切れ間のない生の流れの構成要素をなすのかもしれない。光や電気と同じことが、生命にもあてはまるのかもしれない。」(P81)

◆大乗仏教‥‥唯心(チッタマトラ)、一心(エカチッタ)
「真理とは、非二元的洞察を介した知恵によって、内的に体験される自己実現であり、言葉、二元性、ならびに知性の領域には属さない‥‥すべてが心なのである。」(『瑜伽経』)
「画家がさまざまな色を混ぜあわせえるように、心の偽りの投影により、あらゆる現象のいろいろな形が作られる。」(『華厳経』)
「絶対者という意味で、心それ自体リアリティ(法界:ダルマダートゥ)の領域であり、全体性の内にある、ありとあらゆる存在の局面の本質である。「心の本質」と呼ばれるものは、不生、不滅である(時間と空間の超越)‥‥」(『大乗起信論』)(P83・84)

◆キリスト教
「あなたがたが二つのものを一つにするとき、内部を外部、上を下とするとき、そして男と女を一つにするとき‥‥、あなたがたは(王国)に入るでしょう。」(『トマス福音書』)
「イエスはいわれた。‥‥一片の木を割ってみなさい。わたしはそこにいる。石をもちあげてごらんなさい。そこにわたしを見い出すでしょう。」(同上)(P87)