主の造られたこの地上の人々と共に楽を奏し 人の子らと共に楽しむ 箴言8:31
本日は旧約聖書から聞く時を持ちます。『箴言』中の格言の多くはソロモン王によって作られたとされています。知恵文学(箴言、コヘレトの言葉、雅歌)の一つと言われています。
神が聖霊によって与えて下さった箴言の言葉の数々は、私たちの魂を生き返らせます。
本日はその一部分ですが創造に関する場面について書かれているところです。難解なみ言葉のように受け止められますが、福音の響きを感じる部分でもあります。
創造された被造物に対する神の愛を感じつつ、豊かな秋を過ごしていきたいと願っております。コスモス畑・これから始まる紅葉・夜明けや夕焼けの素晴らしさなど・・・どれを見ても神の創造の業の素晴らしさを感じることが出来ます。特にこの地域に住んでいるといろいろと感性に刺激を受けていきます。
天地創造の様子については創世記に記されていますが、箴言は別の視点で天地創造の様子を記しております。そして、箴言のこの箇所は、新約聖書のコロサイ信徒への手紙。ヨハネによる福音書にも影響を与えているように思います。
本日の箇所では、「知恵」というものが擬人化されております。新約聖書はこの擬人化された知恵を先在の主イエス・キリストと捉えております。すなわち、天地創造の業に主イエス・キリストが関与されているということであります。キリストは神であるということです。
天地創造に参画した神の子イエス・キリストのことが書かれております。神は無から有を生じて、被造物を創造されました。その天地創造に参与したのが擬人化された知恵であり、新約聖書はそれをキリストであると受け止めています。
世界の美しく、とても考え抜かれて設計されています。その英知とは主イエスキリストであると告白されています。そのイエス様が人間のもとに来られたのが、クリスマスの出来事です。本日から教会歴は降誕前にはいります。
30節のみ言葉にこう書かれております。「みもとにあってわたしは巧みな者となり 日々、主を楽しませる者となって」とあります。
主は巧みな者ということです。このヘブライ語の解釈については、意見が一致していないところがあります。アーモンというヘブライ語が使われております。熟練工・技術者・巧みな者・組み立てる者という意味があります。神の創造の協力者として書かれている箇所ですから翻訳者はそのように訳していくのです。
イエス様は地上では大工として働かれてたということですが。われわれ万民が過ごす地球・宇宙という巨大なお家を建設されたいうことです。そんなイエス様が私たちのそばにおられることも大きな喜びであるかと思います。地球を作った大工であられるイエス様の知恵こそが、私たちに幸せをもたらしていくのです。その知恵が示されているのが聖書であります。
「巧みな者」アーモンというヘブライ語の解釈が古くから分かれて来ました。この箇所にしか使われていないヘブル語ですから。この意味するところに別の解釈があります。それは「乳児」「寵児」(ちょうじ)幼子などです。神が、創造に参与した御子をまるで愛する子どものように楽しんでいるということであります。
愛するということは、単純にその存在を喜ぶことであると思います。今の時代は親が無条件に子どもを愛せなくなっていると言われていますが。子どもの性格もいろいろであります。親にとってはどの子もかわいいのです。その存在を喜ぶところに愛の本質があります。
一人ひとりに与えられている賜物を受け止めていく 無条件に受け入れる愛・・
神様は御子との関わりの中で、その大いなる愛と喜びを私たちに示しておられているようであります。
31節に「主の造られたこの地上の人々と共に楽を奏し 人の子らと共に楽しむ」
クリスマスには、神に愛された主イエスが降誕され、その無条件の神の愛を私たちに伝えに来られました。そして、その天地創造をされた英知で、私たち被造物を導いて下さいます。
この世界に希望を見出せない状況が多々ありますが、主はその英知で私たちを導き、この世界を新しく造り変えて下さいます。がたがたの地球をメンテナンスして下さるように働きかけて下さいます。その主の英知に聞き従って、世界という家族の幸せを祈りましょう。