アルゴルにおすすめされた、アルリシャにいく。魚座のアルファ星。
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アルリシャに行く。
「きましたよ」
出迎えてくれるのはギリシャ風の天使っぽい風貌の男の子。
「アルゴルに聞いてここに来たんだけど」
「役者、興味あるんだよね。
僕を地球につれてってよ」
「えっとそれは、地球の人間に憑依したいということ?」
「そういうこと。
まあ加護というか、力を貸すとかでもいいよ」
「へー」
だからギリシャ風の姿?
「あの時代にも手伝っていたんだけどね」
「ああ、古代ギリシャの劇ね」
「テレビ、とかいうのよりも、劇場や舞台のほうがいいね。
そのほうが僕の好みさ」
「なるほど」
「ああいう一発勝負、
ああいう舞台で皆を巻き込む。
情報を吸い上げたり、ダウンロードさせたり共有したり。
悲劇、喜劇。悲喜交々。
すべてが楽曲になる」
うっとりと目をつぶったアルリシャが、バレエの白鳥の湖みたいにすっと両腕を上げる。
すると天上から気高いエネルギーがふりそそく。
さっと、舞台に光がさしこむ。
小さな天使が踊る。
歓喜に震え、その空間の空気が一気に高速で振動していく。
またたくまに、高い波動に満たされる。
そこで流される涙はキリストの最期を垣間見た聖なる涙で、
そこで交わされる笑いは、全てを赦す神の波動、生命の喜び。
なるほど、アルリシャがただその場にいるだけで
舞台の空気は素晴らしいものになるだろう。
「どう?役に立つでしょボクって」
にっこりと笑うアルリシャ。
「まあ私が演じるわけじゃないからねー」
「君がOKしてくれるなら、他の人と僕が繋がることを手伝ってよ」
「私の人間の意図にのっとっているのなら別にかまわないよ」
「OK」
「細かいことは、うちのガイド陣に聞いてよ」
ということで、アルリシャがやる気をだしているそうです。
繋がりたかったら各自繋がればいいのでは。