前の記事はこちら RoboCupJunior Rescue New Simulation Demonstration Competition は本日の21:00から
RoboCupJunior Rescue New Simulation Demonstration Competition は、2020年10月4日に開催されました。
ネット配信されていたので、私も最初の方だけ見ました。
で・・・RoboCupJunior Rescue のページに全競技の動画が掲載されています。
https://rescue.rcj.cloud/events/2020/simulation/game/index.html
ここに、参加した全チームの競技(動画)が掲載されています。
競技は、基本的に Rescue Maze を模したシミュレーション競技なので、Rescue Mazeのチームには大変参考になると思います。
じゃあ、まず、一位になった 「TFA 309」の競技を見てみます。
綺麗に迷路を進んでいきます。90度の回転も一発でスムースです。
で・・・最初の文字の被災者の発見ですが・・・えっ!? と思いました。
ルールでは、「ロボットが3秒間停止して、その間にLEDを点滅する」とあるのですが、停止していないのに被災者発見にカウントされてる!
the robot must stop by the victim and blink an indicator light/LED for 3 seconds.
これは、ルールが良くないのか、プラットフォームがルールに沿っていないのか? 他のチームの競技も見ましたが、ロボットが停止していないで得点を得ているのは、このチームだけのようです。
どうも、プラットフォームは、「ロボットが停止した=ロボットの中心の座標が変わらない」で判断しているようで、超信地旋回をしているロボットは「中心座標が動いていない」と判断されているようです。これは、プラットフォームのバグだと思うのですが・・・このチームは、このバグを見つけて時間短縮に利用したのだと思います。
さて、競技の方ですが・・・ロボットは単純に左手法で進んでいるようです。(あくまでも動きを見ての想像) もう、本当に教科書のように綺麗な動きで、どんどん進み、被災者を発見していきます。
スタートした部屋から4×4の部屋が4つあるとして、4つ目の部屋で不可解な動きがありました。
(動画では2:53付近)
それまで、ずっと左手法で進んでいたロボットが、沼地タイルを超えたら、真っすぐ進まずに何故か右回転しました。(ここで急に、右手法に変わった!?) 一旦 floating walls の袋小路に入り戻ってきた後も右手法のままで、チェックポイントに入ってからは、復路はまた左手法に戻りました・・・何で!?
競技コースは事前にチームに公開された訳ではないので、チートではないと思いますが・・・ここのロボットの動きだけが(私としては)謎です。
競技としては、パーフェクト(満点)でした。マッピングもきちんと出来ているようでした。
次は、2位の「Raptor-B」の競技を見てみます。
このチームのロボットは、右手法のようです。しかも、1ブロック毎に止まるので、すごく分かりやすいです。単純に右の壁に沿って進んで、4部屋目の floating walls に囲まれた被災者は無視して戻ってしまったので、もしかしたらマッピングはしていないのかもしれません。
このチームのロボットも、1回だけ謎の動きがありました。
(動画では4:27あたり)
それまで、ずっと右手法で進んでいたのですが、この十字路の交差点だけ(右折せずに)直進します。(何で?)
さらに、チェックポイントで方向転換をしたあと、再度十字路を(右折せずに)左折しました。(確かに、その先に、まだ見つけていない被災者が居たのだけど・・・)もう一度十字路にかかると、今度は直進しました・・・やっぱりマッピングしているのかなぁ・・・謎!
その後は、ずっと右手法で進んでスタート地点に戻って脱出ボーナスを得て競技終了になりました。
このチームのロボットは被災者の発見の時に3秒間停止するのは良いのですが・・・LEDを点滅していのかが確認できませんでした。これ、(LEGOの点滅も)ちゃんとプラットフォームは確認しているのでしょうか?
では、3位の「Nisshin Yasui」を見てみます。(日本のチームらしいです・・・)
このチームのロボットも右手法で進みます。前の2つのチームに比べると、スムースでない動きが、逆に人間的でカワイイです。最初に温度の被災者を発見します・・・3秒間停止しますが、やっぱりLEDを点滅しているようには見えません。(でも、得点は入ります)
動画の 1:56 あたりで、文字の被災者を発見するのですが、ロボットの正面のカメラで認識するらしく、ロボットを被災者方向に向けて停止するので、人間(観客)としては、大変分かり易くてよろしい!
このロボットは通路を阻む障害物の感知が苦手なようで、障害物でUターンすべき場所で、ひっかかってしまって、なかなか戻れません・・・そういうところも可愛くて良いです。(笑)
おそらく、マッピングはしていないと思われます。(一旦認識した障害物の位置も覚えていないようだし、黒のタイルも何度も入ろうとするので・・・)
動画の 8:07 あたりで・・・競技時間の残りが 1:02 になったところで、スタート地点に戻ってきましたが・・・そこで停止せずに、また探索に戻ってしまいました。(おそらく、マッピングをしていないし、スタート地点に戻ったことの判定をしていないものと思われます。)
とっても、素直で好感の持てる動きでした・・・
あとは、ぱらぱらと見ましたが・・・
チーム「Prime」の競技ビデオでは、ロボットに3軸の矢印が表示されたまま録画されています。これは、ちょっとスタッフの作業ミスなんじゃないでしょうか?
チーム「ORKA Robotics」の競技ですが・・・残念ながら0点なのですが・・・ロボットが被災者を発見すると、ちゃんと「誰でもがわかるようにはっきりと」LEDを点滅されているのが分かります。(すべて誤発見ですが・・・全チーム、これくらいのアピールしてくれると分かりやすくて良いのですが!?)
あと・・・チーム「Apples」の動画がエラーで見られません。(なんでだろ)
それから・・・途中でエラーになって、競技が強制終了してしまうチームもあります。(例えば、チーム「Maze Runner」。 これは、どうもC言語を使ったチームらしいのです。チーム側のプログラムが悪いのか、プラットフォームとの相性があるのか・・・)
見ていくと、競技進行停止までは調子良いのですが・・・「一旦競技進行停止になって、チェックポイントに飛んだ後から、全くダメ」というパターンが多いような気がします。(例えば、チ-ム「TheFlame」のロボットは、4つ目の部屋までは順調に迷路を探索していましたが、4つ目の部屋で競技進行停止をした後は、まともに経路を進めなくなっています。)
おそらく、「競技進行停止でチェックポイントに戻って再スタートした」ということが、プログラム側に通知されないので、再スタート後も、これまでの動作を継続してしまうし、勝手に飛ばされたロボットは自分の座標がわからなくなってしまうからだと思います。(あくまでも想像)
さて、この競技についてですが・・・
私としては・・・GPSのように、絶対座標がわかってしまうような仕組みは使えなくした方が良いと思います。(これがあるとマッピングをしていなくても簡単に脱出ボーナスを得られてしまいます。そうすると脱出ボーナスの意味が無いですよね。)
あと、使えるセンサーが、明記されていないのも良くないかと・・・Tutorial 1 の Introducing Your Robot に、センサーが列挙してあるけど、これ以外にも使えるセンサーがある(らしい)。
まあ、しょせん、デモ競技だから・・・