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こころ模様

人はなぜ生きるのでしょうか。希望、居場所、時間というキーワードから、人生とは何かについて考えていきます。

過去から未来へ

2005-09-15 00:21:35 | 希望
アメリカの心理学者Klaus F. Riegelが書いた"A dialectical interpretation of time and change"の一節。


人間の発達というものは、業績やテストの点のような、その人が残した物によって捉えられるべきものではありません。そうではなく、人間の発達は、その人が経験した過去について注意深く意識することで初めて理解できるのです。なぜならば、過去の経験は、個人のなかに積み重なっていき、その人を未来へと向かわせる力となるからなのです。


The development of the individual, likewise, should no longer be apprehended by the products left behind, such as achievements and test scores but by the critical awareness of past experiences, which remain with the individuals and direct them for their future.(p.96)


過去に成し得た業績ではなく、それをとおして、心のなかに蓄えられた経験こそが人を未来へと向かわせる原動力になる。こうして人々は、過去と現在と未来をつないで生きていく。



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6 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (MoMo)
2005-09-15 09:59:35
私が学校に興味を持ったのは小学校の入学式からでした。壇上にいる先生が私たちに命令する理由がわからなかったし、もうすでに知っていること(読み書き算盤じゃなくて)を学校で教わったりするから、先生の役割とか学校の役割って何だろうと考えていました。それを解明したくて大学では「学校」をテーマにしました。

学校を解明するのと一緒に、人が成長するってなんだろう、と興味を持ちました。オリジナリティあふれる保育園と学童で育ったため、クラスの子とは行動も発想も一致することが少なかったのが、きっかけかもしれません。大学入るまでになんとなく思っていたことは、日本人が挫折する出来事はかなり共通している(受験とか親との確執とか)し、その数は少ない。成長していく過程で人格が形成されていくから、今の自分は過去の蓄積の表れである。人を理解するときは、現在の生活も大切だけど、育った環境も重要である。

大学で発達心理とか学習心理とか教育心理とか感情・思考・志向の発達の変化を勉強したとき、西平直喜さんの「成人(おとな)になること―生育史心理学から」に出会って、やっぱりそうだったんだと腑に落ちました。

(「脱学校論」も衝撃的でしたが、それ以上のものがありました)

今、私は期待していることと実際に成せることのギャップが大きくて焦っています。今日の「過去から未来へ」を読んで、そんなに焦らなくていいのかなと思いました。そして、西平さんの本を思い出しました。
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積み重ねのなかで開かれる未来 (都筑)
2005-09-15 19:53:40
MoMoさん、焦って何も手に付かないよりは、じっくりと今を大切に行動する。それが過去として蓄積されていく。そういうことだと思います。焦らない、焦らない。
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なるほど~・・・ (スローライフ)
2005-09-15 20:03:11
この記事をみて「なるほど~」と思いました。

「過去に成し得た業績ではなく、それをとおして、心のなかに蓄えられた経験こそが人を未来へと向かわせる原動力になる」とは上手いことを言いますねえ。

確かにそうですね。

こころに蓄えられた自分の経験が未来を作っていくのだと思います。

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この半年間の経験 (都筑)
2005-09-15 20:29:55
スローライフさん、ベルギーに来て半年。長期滞在は4度目になりますが、今回ほどいろいろな経験をしたことはないと思っています。もう少し正確に言うと、これまでの3回も今回と同じぐらいの経験はあったけれど、自覚の程度が違うのではないか。ブログを通して、自分の経験を表現し、それに対するコメントを受けて、その経験をさらに突き詰めて考える。そういう循環ができたので、「いろいろな経験をした」と感じているのだと思います。



日常生活の何気ない経験は、すぐに忘れてしまいますが、決して消え去ることはありません。心のなかに静かに蓄積されていきます。そうした「自覚」されない経験も、同じように大事なものでしょう。未来を作るという意味で。
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まだまだ (meili)
2005-09-20 16:30:53
お久しぶりです。



>心のなかに蓄えられた経験こそが人を未来へと向かわせる原動力になる。こうして人々は、過去と現在と未来をつないで生きていく。



わたしはまだまだ何が過去で未来なのか分からず、バラバラの状態です。時々、自分がバラバラになりそうで怖くなります。今、カウンセリングを通してそれをつないでいます。

過去・現在・未来をつないで生きていけるようになりたいです。
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少しずつ前進 (都筑)
2005-09-20 17:55:30
meiliさん、水前寺清子が歌った「365歩のマーチ」に、「三歩進んで二歩下がる、人生はワンツーパンチ …… 千里の道も一歩から始まることを信じよう」という歌詞がありました。一歩ずつ、確実に歩く。そうしたら、いつかは辿り着きます。辛いときもあるようですが、前進していると信じましょう。
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