こころ模様

人はなぜ生きるのでしょうか。希望、居場所、時間というキーワードから、人生とは何かについて考えていきます。

アラビア世界における希望

2005-08-05 00:05:56 | 希望
前に紹介したStrumpherが書いたPsychofortologyの論文のなかで、アラビア世界の希望についての言及があった。

原典はAbi-Hashem, N. (2001) Rediscovering hope in American psychology. American Psychologist,56,85-86. 同誌が2000年に特集したPositive Psychologyに対する読者からのコメント欄に書かれた短い論文である。

Abi-Hashemによると、アラビア世界では希望を言い表す言葉が二つあるという。一つは、raja'a これは、よりフォーマルな表現で、たいていは遠い未来の希望を指す。もう一つは、amal こちらは、日常生活や会話でよく使われる表現で、近い未来の希望を指す。raja'aとamalは、人々に生きる力を与え、これから先の肯定的で力強い見通しや人生の意味を導く。

アラビア語で、次のような言い方があるそうだ。
ma adyaka el-assha lauwla foosshatu el-amali

私たちの人生がいかに制約や苦痛に満ちたものであったとしても、希望の輝きと安らかなオアシスが必ずやそこには存在しているのだ。



希望概念はキリスト教的世界観のなかで形成されてきたものだと思っていたが、どうやらもう少し範囲を広げて検討する必要がありそうだ。