クラシック音楽のひとりごと

今まで聴いてきたレコードやCDについて綴っていきます。Doblog休止以来、3年ぶりに更新してみます。

ストラヴィンスキーの「火の鳥」組曲(1919年版) アバド/ロンドン響

2006年12月16日 04時14分17秒 | 管弦楽曲
師走も半分過ぎました。今年も残り少なくなりました。あと2週間。
この時期ですからね、そろそろ第九合唱でも聴こうかと思いつつ、仕事の忙しさでそれどころじゃありません。いやはや今週は大変でありました。
同僚がノロウィルスにやられて1週間ダウンしてしまったしわ寄せで、ただでさえ忙しいのに、2人分の仕事をせざるを得なくなり・・・。

ブツブツ言っていても仕方ありません。クラシック音楽をいきましょう。ガハハ。

今日はストラヴィンスキーのバレエ音楽「火の鳥」組曲(1919年版)。
クラウディオ・アバド指揮ロンドン交響楽団の演奏。
1972年11月の録音。DG盤。カップリングは「春の祭典」。

1970年代のアバドは、若々しく溌剌とした指揮ぶりで、その演奏は生気に濡れて瑞々しく、また精密であって、いつも何かしら新しい発見を与えてくれた。
当時、若手指揮者ナンバーワン。カラヤン・ベーム・バーンスタインの後、次世代を担う指揮者としては最右翼の一人と目されていた。
(事実、彼はやがてウィーン・フィルとベルリン・フィルとを手に入れてしまった)

この「火の鳥」組曲に始まるストラヴィンスキーのバレエ音楽三部作などは、そんなアバドの代表盤と云っていいんじゃないか。

例えば「王女たちのロンド」の郷愁を誘う美しいメロディを、アバドは爽やかに歌い上げる。素晴らしい歌。この演奏の聴かせどころの一つだと思う。
ロンドン響も好演。弦楽セクションのピアニシモなどはデリカシーに満ちていて、味わい深い。オーボエのソロも美しさの限り。受け継ぐクラリネットやバスーン、ホルンも見事な響きで応えてゆく。

「魔王カスチェイの凶悪な踊り」の緊迫感。初めて聴いたときはホンマにコワイ音楽やなぁと思ったものだ。
アバド/ロンドン響の演奏で聴くと、恐ろしさや迫力はもちろんだが、バレエ音楽独特の「軽み」がある。そう、この音楽は踊りの音楽なのだ・・・。
金管の迫力抜群で、重厚感もある。オケも大変巧い。しかし、舞踊の音楽だということを忘れないアバドの、オケを統率する眼光は鋭い。

「子守歌」では、弱音器を付けた弦楽セクションが実に良い音を聴かせてくれる。アンサンブルも充実しているし、バスーンの響きも心地よい上品さ。ストラヴィンスキーの土俗的な雰囲気はないが、その分、品の良い洗練と若々しい情熱とが、この演奏の魅力かな。
録音から34年。
今も上々の音で聴けます。アバドのストラヴィンスキー3部作、どれも録音が良好であります。
確か、当時は優秀録音で、オーディオ雑誌では話題だったと思います。テスト盤などに使われたりしましてね・・・・。
LP時代の古い思い出ですが。



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