クラシック音楽のひとりごと

今まで聴いてきたレコードやCDについて綴っていきます。Doblog休止以来、3年ぶりに更新してみます。

ヘンデルの「水上の音楽」 ホグウッド/エンシェント室内管弦楽団

2007年06月15日 02時43分50秒 | 管弦楽曲
関東甲信越も梅雨入りとのこと。これからジメジメ蒸し暑い季節ですね。

暑くなると聴きたくなるのが、「水上の音楽」。
これはもう、情けないくらい、クラシック音楽好きの条件反射のようなものでありまして、「水上の音楽」と「シェエラザードは」、夏の定番、いや定盤であります。

そこで。
ヘンデルの「水上の音楽」。
クリストファー・ホグウッド指揮エンシェント室内管弦楽団の演奏。
1978年4月、ロンドンのウォルサムストウでの録音。
オワゾリール原盤のLP(日本発売はロンドン)2枚組廉価盤。

暑くなると聴きたくなるのが、ヘンデルの「水上の音楽」。
そしてこのホグウッド盤を聴いていると、涼しい風が部屋に吹き込んでくる感じ。

ヴァイオリンの響きが最高。爽やかな音で、清涼飲料水のような、いやもっと高級な石清水のような自然水か。もう、この音を聴いているだけで、気分がスッキリするような音。爽快で胸がスッとする。高原の空気のような、快適な響き。素晴らしい。
羊腸弦の素朴で透きとおる音、そしてその倍音がつくりだす品の良い余韻がたまらない。
他の楽器もイイ。ナチュラルホルンは相当難しいはずなのだが、大健闘、巧いもんだと思う。アラホーンパイプなども端正で上品な出来。ヴァイオリンの美しい響きが下支えになって、ホルンが映える。

ホグウッドの演奏は、本格的な古楽器演奏の時代に入ったころのもので、アーティキュレーションに極端な色づけがなく、概して聴きやすい。発売当初は斬新だったはずなのだが、今聴くと、おっとりしたイギリス紳士という感じ。月日の経過は早い。

レコードはA面がホルン組曲、B面にフルート組曲・トランペット組曲が収められている。

フルート組曲が絶品の美しさ。
何て美しい弦楽合奏。トラヴェルソのひなびた味わいもイイ。
テンポもあまり緩急の差がなく、ゆったりと聴けるのがよい。特に「カントリー・ダンス」が美しく、この田園の円舞曲は四国の田舎・青くそよぐ田植え後の水田にふさわしいかも。

トランペット組曲はさすがに勇壮。堂々としていてスケール豊かな音楽が広がる。技術的なところが少々危なっかしいが、それがかえって素朴な味わいにもなっている。
ティンパニの音が特にイイ。スッキリと爽快な音で、実在感あり。


録音は今も最高レベル。
アナログ録音時代末期の優秀録音と思います。

「水上の音楽」を、イギリス人の団体で聴くのはエエですね。
ジョージ1世の気分で心地よく聴きました。


★「水上の音楽」過去のエントリーです★

■セル/ロンドン響」(ハーティ/セル編曲版)
■プレヴィン/ピッツバーグ響
■マリナー/アカデミー室内管
■バウムガルトナー/ルツェルン祝祭弦楽合奏団
■ピノック/イングリッシュ・コンサート
■コレギウム・アウレウム合奏団
■ヴェンツィンガー/バーゼル・スコラ・カントールム合奏団





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