(本記事は自ホームページの旧記事をブログ用にリメイクしたものである。)
1990年代以降、しばらく登山を休止していたが、今年は6月、森吉山に26年ぶりに登っている(記録はこちら)。
山登り復帰?の第二弾は秋田駒ケ岳だ。
こちらは確か倅が幼い頃、一緒に男岳へ登ったのが1993年だから、丁度20年間のブランクということになる。
その間の私は何故か園芸ガーデニングに没頭邁進していたが、その得失をここで語るつもりはない。
7月20日に登った秋田駒の花の状況を少しばかり報告してみる。
秋田駒ヶ岳から森吉山を望む。
今回の非合法マップ
登山を再開した主たる理由は山に咲く花を見たかったから。
八合目バス停から歩き出すとタクサンチドリがハクサン咲いていたが、もう終わり近くで写す気にもなれなかった。
その後から現れたのは地味な花ばかり。
タカネアオヤギソウ、ヤマブキショウマ、オニシモツケ、モミジカラマツ、オニアザミなど。
秋田駒八合目からのルートは登り始めがけっこうしんどい。
後半は楽になるのだが、それまでは徐々に開けてくる北側の山岳展望を愉しむとする。
手前左から笹森山、湯の森山、次列は乳頭山、笊森山、その奥に岩手山。
最高峰の男女岳(おなめだけ)1637m
男女(おなめ)とは妾さんとの意味だが、左側の斜面はかなり険悪。
足下に田沢湖が望めるようになると、道は緩くなる。
この先、ニッコウキスゲが多くなるとともに新しい植物との出会いが多くなり、足取りもつい軽やかになってしまう。
ミヤマウスユキソウ。花はかなり古くなっていた。
男岳の登り口でヨツバシオガマとハクサンシャジンが少し。
ミヤマウスユキソウ(ヒナウスユキソウ)はヨーロッパアルプスの女王エーデルワイスと形が同じで人気がある。
あとで出てくるコマクサは高山植物の女王とも呼ばれるが、国内で両方の女王花が見られる山は、秋田駒一箇所だけだ。
男岳側から見ると、男女岳(おなめだけ)は何故かまろやかな姿になる。
これならば男岳の浮気の対象になるのかもしれない。
阿弥陀池
男岳への登りから見る女岳。かすかに噴気が見える。奥の青い山々は和賀岳。
本妻の女岳がときどき (`´メ) 噴火するのは、男岳が妾さんを囲っているせいだろう。
それはさておき、女岳めざして急斜面を降下して行くと、新鮮なハクサンチドリに会った。
これから向かおうとしているのは、『ムーミン谷』とも呼ばれる火口原。
ムーミン谷や小岳を眺めおろす。
谷底の斜面にはまだ新鮮なシラネアオイが有った。
ハクサンチドリ
シラネアオイ
ムーミン谷から見上げた男岳や横岳は岩石累々としており、秋田駒では珍しく男性的な山岳風景となる。
男岳
ムーミン谷には国内でも有数の規模のチングルマ群生がある。
いつも満開の時期を逸してしまうのだが、(T_T)今回もそうだった。
マルバシモツケ
チングルマ
かろうじて駒池の近くに咲き残っている場所があった。何か今年は花が小ぶりのように感じられた。
女岳の斜面下部はチングルマに覆われているが、エゾツツジも多い。
エゾツツジ
この花は草よりも丈が低いのに一応ツツジ。
名前からもわかるように北海道に多いが、北東北の高山にも少しだけ分布している。
ところが秋田駒は特別だ。南限に近いのにこの花がやたらと多い。
八合目駐車場から歩き出すとほどなく出てくる。そして頂上まで延々と咲いている。
この花のマゼンタはとても鮮やかだ。本州の他の山では見られない花風景なので、しっかりと見ておこう。
駒池
奥の黒っぽい稜線は大焼砂。登山者の姿が見える。
大焼砂の稜線はこれまた国内有数のコマクサ群生地だが、
今年はどうしたんだろう。花はさっぱりだし、咲いていても終わりに近いものばかり。
後で何回か来てわかったことだが、七月の秋田駒、花が多いのは上旬~中旬とわかった。
今回のように下旬になると花は下火なのだ。
コマクサとタカネスミレ(花は終わっている)
大焼砂の登りからムーミン谷を望む。
左から女岳、小岳の重なり、男岳、横岳。
今回の秋田駒は花が少なかった。
私の乏しい経験でも、同時期としては、花が一番少なかったように感じられた。
仕方ないので地味な高山植物も少し動員してみる。
カラフトイチヤクソウだろうか。
オノエラン
ナガバツガザクラ
タカネアオヤギソウ(コバイケイソウと同属)
ミマヤカラマツとモミジカラマツ
阿弥陀池で昼餉の後、下山。下山時は田沢湖や乳頭山がよく見えた。
田沢湖
乳頭山。右奥は三ツ石山。
当時、体幹は完全メタボ、足は萎えており、 (´π`;)しんどい登山だった。
以上。
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