ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

偽説 鼎の浦嶋の子伝説 その3(終)

2010-03-14 21:44:43 | 寓話集まで
 夕闇せまりて山に登れば、港のまちの燈ともりたる光景、音に聞く函館山の夜景に勝るとも劣らぬものと見えたり。浦嶋の子、ここにいたりて、この眺め、かつてより知りたるものとも思へり。乙姫に問ひけらく。姫。答えて曰わく。「ここは二十一世紀が気仙沼、この山は安波山なり。」浦嶋の子驚き不審(あや)しみて言葉もなかりき。つらつら眺むるに神明崎が浮見堂のライトアップされ朱く水面に映りたるは常日頃親しみたるものなり . . . 本文を読む