ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

偽説 鼎の浦嶋の子伝説 その2

2010-03-13 21:41:40 | 寓話集まで
 浦嶋の子と乙姫と、夫婦の契りを成しき。  巌井崎は、その奇怪なる景観からもと地獄崎と称うが、仙台藩第四代藩主伊達吉村公巡回の際、対岸の大嶋竜舞崎を望みて、浦嶋の子と乙姫が古の物語に感(たけ)りて言祝ぎ、祝崎と改むと言ふ。  そのまま、うとうとと眠りたるが、目ざむるに、乙姫。浦嶋の子を誘ひて、窟の奥、波の寄せる方に進みぬ。海水に入り、まさに窟を出たるとき、身は軽々と中空を飛び、見知らぬ港に着きたり . . . 本文を読む