ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

男として

2021-09-29 16:41:55 | 月刊ココア共和国 投稿詩
人間の男として女を愛する女がかつてこう語った「わたしたちは 墜ちたまま それしかほかに 知らない仕方でむさぼりあった シイツの草叢で 祖先たちの墓の上で」(新川和江 「地上の愛 より」第三連)今男として女を愛することを語り直すおれたちは天上に昇ったり地獄に堕ちたりを繰り返しながらむさぼりあった正しいことと誤ちと多様な方法を試みて愛し合ったシイツを皺寄せながらフランスの歴史を辿りながらロシアの大地に . . . 本文を読む

吉増剛造 和合亮一 「未来からの記憶」あるいは「記憶の未来の先端で」河北新報、現代詩手帖2021.9

2021-09-27 22:27:13 | エッセイ
 日本の現代詩を代表する詩人吉増剛造と日本の現代詩の現在を代表する詩人和合亮一の対談の記録。和合氏に付した「現在」とは、東北の震災後のこの十年のことである。 河北新報の9月7日付の紙面に掲載された「未来からの記憶―被災地での対話Part1石巻・鮎川浜」と現代詩手帖9月号の新連載「「記憶の未来」の先端で―石巻から/浪江から」は、同じひとつの対話である。河北は凝縮されたエッセンス、手帖は細密な詳細版と . . . 本文を読む

小熊昭広編集/発行 詩誌回生 ひ号 2021年8月23日発行

2021-09-20 20:21:15 | エッセイ
 今回の“ひ”号は通算45号であるが、2020年4月発行の第42号となる“み”号については、このブログで紹介していた。『回生』は今では珍しい〈いろは〉で号数を振られている。 先日“ひ”号が届いた日に封を開けて読み始めたら、勢いがついてそのままほぼ読み終えてしまった。 実は、詩というのは、基本的になかなか読みづらいものであって、 . . . 本文を読む

谷津智里 今日、あの海辺の街に出会う 気仙沼市移住GUIDE BOOK 気仙沼市移住・定住支援センターMINATO

2021-09-06 15:43:12 | エッセイ
 発行は、気仙沼市、短編小説の体をとった移住ガイドブックである。谷津さんは、編集・ライティング・小説とクレジットされている。なるほど、ネットで見ると、1978年生まれ、明大文学部から東京の出版社に勤め、ご主人の出身地である宮城県白石市に移り住んで、フリーランスの編集者として活躍の方、ということになるようだ。妙なクセがなく読みやすい、過不足のない端正な文章をお書きになる。公的機関の発行するガイドブッ . . . 本文を読む