ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

エッセイ 毎日、川を眺めて暮らしている。

2010-02-27 14:34:34 | エッセイ
これも、たぶん、気高PTA会報掲載のもの。 毎日、川を眺めて暮らしている。 川といえば、「行く川の流れは絶えずしてしかももとの水にあらず…」という鴨長明の言葉が思い起こされる。 川は確かにそこに存在する。気仙沼市を流れる大川という川だ。しかし、そこを流れている水は、一瞬たりとも同じ水ではない。どんどん上流から流れて来て、海に流れ込む。 これは、ちょうど、ぼくたちの体と同じことになる。 . . . 本文を読む

エッセイ 閉じていることと開らけること

2010-02-26 20:17:21 | エッセイ
これも、気高PTA会報に載せたものだったと思う。開らけるは、ひらける。 畠山重篤さんが、「リアスの海辺から」に引き続いて出版した「日本〈汽水〉紀行」(文藝春秋)。月刊誌「諸君!」に2001年7月号から、2年間連載した「汽水の匂う洲(くに)」を改題し、9月15日初版。「森は海の恋人」の運動で知られる気仙沼湾唐桑町舞根のカキ養殖漁民が、日本と中国の、汽水域を旅した報告記。「四万十川が鯨を呼んでいる。」 . . . 本文を読む

エッセイ 気仙沼高校と言えば

2010-02-25 20:15:14 | エッセイ
これも、気仙沼高校PTA会報の原稿。内容からして、昨日掲載のものの前に載せたものと思われる。 千田健一は、フェンシング選手、幻のモスクワ・オリンピック代表。この間の北京の千田健太くんの父親。同級生で名字同じだけど、親戚関係はありません。 気仙沼高校と言えば、書きたいことは山ほどある。 入学したての6月に、制服一部自由化、3年生の6月にようやく、ジーパン、Tシャツ含む完全自由化。 中学生から始めてい . . . 本文を読む

エッセイ 制服問題についての当事者はだれか

2010-02-24 21:32:39 | エッセイ
気仙沼高校のPTA会報の編集後記として書いたもの。 男子校の気仙沼高校と、女子高の鼎ヶ浦高校が合併する前夜のこと。制服自由化していた気高と、制服にこだわった鼎高との統合で、どうするか、アンケート調査なども行われた。男子校サイドも制服制定にそれほど大きな抵抗はなかったようで、私としてはさびしい思いはあった。(写真は、旧鼎ヶ浦高校、現在は空き家) 鼎が浦高校の生徒会が、自ら意思決定して、行動を起こした . . . 本文を読む

エッセイ 制服自由化のこと

2010-02-23 21:21:21 | エッセイ
気仙沼高校のPTA会報に書いたものだと思う。 高校一年のとき、先輩たちの運動により制服が自由化された。ただし、ジーパン、Tシャツは除く「不完全自由化」。その後、生徒会活動を通して「完全自由化」に取り組んだ。 学生運動が華やかな時代、青年は「造反有理」と叫び、「反体制」を唱えた。 生徒総会で、完全自由化を求め、急進派、穏健派、制服派も含め、延々と夕刻まで侃々諤々の議論を続けるなどのあと、生徒会に「服 . . . 本文を読む

エッセイ 永遠の舞踏 バリ島歌舞団公演を前に

2010-02-22 19:43:06 | エッセイ
これは、平成15年ということで、6~7年前のもの。 筑摩書房の「バリ島物語」という部厚い本が、目の前にある。 一九九七年十二月一日の初版であるが、もともとは、一九三七年刊行の、オーストリア生まれの作家ヴィッキイ・バウムによる小説、戦前一九四二年に、翻訳、出版されている。 九七年は、今から六年前、ちょうど、前回、バリ島タガス村のグヌン・ジャティ歌舞団の気仙沼公演があった年。 若干、当時のスクラップな . . . 本文を読む

エッセイ リアス・アーク美術館「藻の記憶」

2010-02-21 23:58:37 | エッセイ
これも、もはや20年前の文章。地元紙に投稿したもの、 リアス・アーク美術館で、「藻の記憶」を見てきた。 気仙沼西高校の、高橋誠子さんが創り出した海藻紙を使った、四人の作家による展覧会。1953年生まれの上野真知子、‘54年生まれの三橋遵、‘60年生まれの扇千花、‘63年生まれの半谷学。四十代半ばから三十代半ばまで、‘56年生まれのぼくを間に挟みこむ年 . . . 本文を読む

エッセイ ヴァルター・ベンヤミン パサージュ論のこと

2010-02-20 23:50:45 | エッセイ
これも、ずいぶん前に書いたもの。息子の時の高校のPTA会報かな。 その後、「パサージュ論」は、思いもかけず早く読み終えてしまった。50歳までにはとか言いながら。その後、ベンヤミン・コレクション全4冊かな、とか文庫本買って読んだけどどれだけ身についたかは定かでない。 今、手元に、岩波文庫版、ヴァルター・ベンヤミン著「パサージュ論」全五冊がある。 ベンヤミンは、一八九二年、ベルリンの豊かなユダヤ人家庭 . . . 本文を読む

エッセイ 気仙沼の観光について (下)

2010-02-18 21:47:23 | エッセイ
観光こそキーワード 観光こそ、二十一世紀の成熟社会における基幹産業であると言われています。狭い意味での物見遊山の観光というより、広く、ひとの交流と言うべきかもしれませんが、モノの流通、モノづくりの産業振興のために、ひとの交流が決定的な重要性を持っています。 あるいは、気仙沼というイメージ、気仙沼という夢を売ることが、たとえば水産加工品などのモノを広く流通させる際のキーポイントになっている。 そして . . . 本文を読む

エッセイ 気仙沼の観光について (中)

2010-02-17 18:35:17 | エッセイ
・気仙沼の魅力は つまり、気仙沼の力量は、まだ、半ば隠されている。その光は、まだ、充分に地域の外に輝き出してはいない、ということであろうかと思います。 宮城大学の野田学長がおっしゃる「オリジナリティーと品格のある『港町スクエア』の建設」構想は、地域にとって大変ありがたいご提言です。これもまた、気仙沼の魅力をいかに輝かせるべきかという同じ文脈の中で理解すべきものでしょう。 気仙沼の魅力は何か、その答 . . . 本文を読む

エッセイ 気仙沼の観光について (上)

2010-02-16 19:55:20 | エッセイ
平成11年に、ある目的で書いて、発表できず、そのままお蔵入りになっていた文章。目的が違うので、今回、若干言い回しを変えている。 3回に分けて掲載したい。今日は、まず、上。・木ですら旅が好き 詩人茨木(いばらぎ)のり子さんの「倚(よ)りかからず」は、二十万部近くという、詩集としては驚異的な発行部数を記録しているようですが、その冒頭の詩篇「木は旅が好き」は、次のような言葉で終わっています。幹に手をあて . . . 本文を読む

バラードをあなたに

2010-02-15 21:41:21 | 寓話集まで
見上げてご覧 空を 左手をポケットに突っ込んで 右手を胸にあてて 両目を閉じて 底暗い口を開けて 声を響かせながら 波が寄せる砂浜 雲がたなびく空 閉じたままでも目は見える あなたが見ようとすれば 閉じたままでも声は聞こえる あなたが語ろうとすれば まして大きく口を開けていれば    ※ ものがたりうたをあなたに 共鳴するこえをあなたに スローなテンポで語りかける バラードをあなたに   . . . 本文を読む

エッセイ ある妄想…市町村職員立法能力のXデイ(後編)

2010-02-13 14:49:20 | エッセイ
3先進的議員立法の実例たる栗山町議会の議会基本条例さて、ここで、先進的議員立法の実例たる、北海道栗山町の議会基本条例を見る。栗山町議会基本条例〈前文〉(第2段落)議会が町民の代表機関として、地域における民主主義の発展と町民福祉の向上のために果たすべき役割は、将来にかけてますます大きくなる。特に地方分権の時代を迎えて、自治体の自主的な決定と責任の範囲が拡大した今日、議会は、その持てる権能を十分に駆使 . . . 本文を読む

エッセイ ある妄想…市町村職員立法能力のXデイ(前編)

2010-02-12 19:08:17 | エッセイ
市町村アカデミー(在千葉市幕張)に研修で参加した時のレポート。優秀賞で、機関誌「アカデミア」に、昨年、掲載されたもの。 今夜は、前編。はじめに 地方分権を推進しようとするなかで、このところ、市町村議会の機能強化、議員の資質向上が大きな課題となっている。首長、行政部にたいする監視機能、さらには政策形成、立法機能の強化が求められている。 現在、われわれ市町村職員は、地域において、現場にあって課題を見出 . . . 本文を読む