ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

西村高宏 震災に臨む 被災地での〈哲学対話〉の記録 大阪大学出版会2023

2024-01-23 12:24:18 | 気ままな哲学カフェ
 シリーズ臨床哲学第6巻である。 西村高宏氏は、福井大学医学部准教授、専門は臨床哲学。大阪大学大学院博士課程で学び、鷲田清一氏の薫陶を受けた直系の系譜の哲学者ということになるのだろう。 実は、前任は東北文化学園大学医療福祉学部の教授で、せんだいメディアテークで「哲学カフェ」の場を開いてこられた方である。私も、その場には何度か参加させていただいたし、なによりも、もはや10年近く前になるだろうか、私が . . . 本文を読む

永井玲衣 水中の哲学者たち 晶文社 2021

2024-01-20 12:40:03 | 気ままな哲学カフェ
 永井玲衣氏は、現代思想の昨年5月の臨時増刊の鷲田清一の特集で、冒頭対談の聴き手を務められており、そこでこの書物を知ることとなった。 晶文社というのは、サイのマークがついた、ハードカバーの白っぽい表紙の統一したデザインの書物しかないのだと思い込んでいたが、ペーパーバックもあったのかと驚いている。これは間抜けな時代錯誤というべきだろうか。しかし、いい出版社だという印象はあり、 永井氏が「晶文社という . . . 本文を読む

気仙沼の内湾はいい天気

2024-01-07 23:31:15 | 詩誌霧笛137号(2021)以降
2024年お正月松の内晴れた空にぽっこりと白い雲日本海側の能登半島は雪かもしれないガザは晴れているかもしれないウクライナは吹雪の場所もあるかもしれない東京やニューヨークは晴れていようが吹雪だろうがとりあえずは気にしなくていい1968年や1989年に僕たちには希望があった2001年にようやく僕たちは何かに気づきはじめたおそらく僕たちはまだ人間ではない文明は進歩したかもしれないが文化は進歩などしないい . . . 本文を読む

2023紅白歌合戦雑感

2024-01-05 13:10:44 | エッセイ
 今日の時点で、のんびりこんなことを書いているのは間抜けな感じだが、夕べのどこかの国の首相よりはましかもしれない。 家でのんびり紅白歌合戦を眺めながら思ったことを記してみたい。ただし、途中、吉田類の酒場放浪記とかで、気仙沼が映っているという情報があって、気仙沼市田中前の「あじくら」の様子と旧向洋高校の震災遺構伝承館から、岩手県釜石の話題あたりまで中抜けした。そのあいだに寺尾聰の歌を聴き損ねたのは残 . . . 本文を読む