ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

後ろめたい

2021-11-25 12:46:22 | 月刊ココア共和国 投稿詩
後ろめたい死ななかった者はすべて後ろめたい断水や停電しなかった家の者は断水や停電した家のひとに後ろめたい断水や停電した家の者は浸水した家のひとに対して後ろめたい浸水した家の者は家が流されたひとに対して後ろめたい家が流された者は妻や子を亡くしたひとに対して後ろめたい妻や子を亡くした者は妻や子に後ろめたい仕事を失った者も家族を亡くしたひとに後ろめたい被災地にいながら生き延びた者はすべて生き延びたことを . . . 本文を読む

水野和夫 資本主義の終焉と歴史の危機 集英社新書

2021-11-22 20:49:07 | エッセイ
 水野和夫氏は、1953年生まれ、現在、法政大学教授のようであるが、この本の刊行当時は、日本大学教授であった。早稲田大の政経学部から経済学の修士を出て、証券会社に勤務、エコノミストとなり、その後大学の講師となり、埼玉大学で経済学の博士号を取得、民主党政権の審議官を務め、経済ブレーンとして活躍した、ということになるようだ。 この著者については、2013年発行の大沢真幸氏との対話「資本主義という謎」( . . . 本文を読む

ランボー 「永遠」 から  (私訳)

2021-11-17 11:02:07 | ランボー 私訳
とうとう見つけたよ何を? 永遠をそれは太陽と一緒に行ってしまった海l'Eternité  A.RimbaudElle est retrouvée !Quoi ? l'Eternité.C’est la mer alléeavec le soleil(写真は気仙沼市岩井崎にて)#ランボー #永遠 #l'Eternité . . . 本文を読む

佐伯啓思 経済成長主義への決別 新潮選書

2021-11-13 23:14:45 | エッセイ
 佐伯啓思氏は、経済学者、京都大学名誉教授。この本のカバーには、社会思想家とある。 佐伯氏の著作は、『自由と民主主義をもうやめる』(幻冬舎新書2008年)、『経済学の犯罪―希少性の経済から過剰性の経済へ』(講談社現代新書2012年)を読んでいる。他に、本吉図書館が蔵書していた新書を読んでいるはずだが、定かではない。アダム・スミスとケインズについての2分冊の新書版だったかとは思う。【あたりまえのこと . . . 本文を読む

柳美里 JR上野駅公園口 河出書房新社

2021-11-03 15:43:16 | エッセイ
 柳美里か。はじめて読ませてもらった。 2014年初版であるが、2010年全米図書賞翻訳部門受賞、ということで、2021年2月10日には第7刷を数えている。この単行本の帯に、文庫版も含めて43万部突破とあり、広く読まれた小説ということになる。 小説の扉を開くと、冒頭は、行わけの詩のような短文が続く。「また、あの音が聞こえる。 あの音——。 聞いている。 でも、感じているのか . . . 本文を読む

想い出

2021-11-02 22:07:22 | 月刊ココア共和国 投稿詩
冷酷なことも残酷なことも非道なことも悲しいことも淋しすぎることも泣きたくなるようなこともすべて透明に美しくなるいつのまにか透明になる内実が脱け落ちて形相だけ残ってものをつかんだり食べたり爪が髪の毛が伸びたり足あとをつけたりそんなことはもう決してできない可愛らしい笑顔とか見つめている視線とかそう噛むことはできなくても見つめることだけはできる純粋な重力として遠い記憶の中でぼくを見つめている※月刊ココア . . . 本文を読む